異世界にやってきた俺は、チート能力を駆使して全力でスローライフを楽しむ!
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トップレベル
目の前に先ほど現れた怪物が三つ現れる。
一回り小さいから、中の魔力は先ほどのものと比べて少なめになっているだろうが、先ほどの爆発炎上を考えると、それがちょっと小規模になった程度では先ほどの爆発とそうかわらない。
とはいえ、先ほどの爆発すらも結界を張って受け流してしまい、ほぼ周りに被害はない状態にした。
その状況で更にこれらを俺たちにけしかける意味はあるのかと思っていると……先ほど俺が声をかけた場所からようやく返答があった。
「やはり自爆させる程度では倒せないか」
「……いい案だとは思ったが、残念ながら防御が間に合った」
「それはそこにいる“姫”のおかげか?」
そう俺に聞いてくるが俺からすると、先ほどのエイダの声は俺の防御に役立った気がする。
そして、この人物の口調からすると、エイダには何らかのチート能力があるのかもしれない。
だがそれは後で聞けばいい話だ。
今必要なのは、目の前の敵をどう倒すか。
それも含めてこの人物たちから話を聞いておきたい、それならばどう彼らから情報を引き出そうかと俺は考えた所で、
「“氷結の剣”」
「“水竜の斧”」
「“暗き闇の鎖”」
次々とエイダとレオノーラ、ハデスが魔法で攻撃していってしまう。
どれも高威力のものだったが、その攻撃を察知したらしくその怪物三つはちりじりになって逃げる。
正確にはその場から消失したのだが、そこで再度、三人は同じ呪文を唱えておき、異なる方向に向かって打ち込んだ。
そこには視覚では一見、何もないように見えるが……すぐに俺は気づいた。
「この“同期”した“索敵”の感度がいつもより高めだったのか。塩梅を間違えたな……結果的には良かったが。そして感度を高くしても、前の世界ほど“闇の魔力”が周辺に広がっていないので、察知しやすいか。まさかこんな方法があったとは……一部、押し切れていないな」
そこで表示の様子と魔法の威力、そして再生の様子が感じ取れたので俺は追加で攻撃を加える。
すでにほとんどが削り取られていた状態なのでどれも容易に倒すことができた。
これと初めて遭遇した時は大変だったのだが、魔法の補助があるとはいえ、これだけ短時間で倒せたのは彼女たちの実力だろう。
こう見えてこの三人はトップレベルの能力者なのだろうから。
そう俺が考えているとそこで、
「ば、馬鹿な、全部がやられただと!?」
「初めに自爆攻撃まで仕掛けたのに……やはり、“あの方”が言う通り、バケモノか!?」
「とりあえずはこの場から離れるぞ。逃げるための準備……」
といったとても説明的な台詞を“闇ギルド”の皆様は口々に言ってくれた。
そして俺としては彼らを逃がすよりも、彼らから少しでもいいから情報を得たい。
また、彼らは逃げる手段はありそうだが、足止め用の攻撃か何かだろう。
案の定、簡単な雑魚というべき魔物が数十匹あらわれる。
蛇のような形をしたそれを見ながら、
「あの弱い魔物はお任せる。俺は、あそこにいる三人を捕まえる!」
そう告げて俺は、その場から跳躍したのだった。
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