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空に星が輝く様に

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161部分:第十二話 夏に入りその十二


第十二話 夏に入りその十二

「飲みやすくて」
「飲みやすいんだ」
「はい、ただこうした林檎のお菓子やお茶は」
 そのことを話してきた。
「使う林檎が大事なんですけれど」
「そうなんだ」
「紅玉がいいんです」
 その林檎の種類まで言うのだった。
「ここは」
「紅玉って?」
「林檎の種類でして。小さくで酸味の強い種類です」
「それがいいんだ」
「はい、とてもです」
 こう陽太郎に話をしてきていた。
「お菓子やお茶に使うには」
「成程ね。そうなんだ」
「お菓子にはそれです。それでこのアップルパイやアップルティーは」
「とりあえず買ってみようか」
 何はともあれ食べてからだった。全てはそれからだった。
「どれも」
「はい、それじゃあ」 
 こうして実際に買ってみた。そのうえで食べてみる。するとその味はだ。かなり美味いものであった。林檎の甘みと酸味を美味くいかしていた。
 それを食べてだ。月美は満足した顔で言うのだった。
「紅玉ですね」
「それなんだ、やっぱり」
「アメリカの林檎が近いんです」
 今度話に出してきたのはそちらの林檎だった。
「あの国の林檎は日本でよく売られている林檎に比べて甘いんです」
「へえ、そうだったんだ」
 陽太郎は干し林檎を食べていた。会場の隅の席に二人並んで座ってそのうえでだ。買ったお菓子やお茶を飲みながらそのうえで話をしていた。目の前では名産品に目を輝かせていたり名物に舌鼓を打つ人々とそうしたものを売る人達で活気に満ちていた。
「アメリカ人って林檎をよく食べるって聞いたけれど」
「こうしてお菓子にしてもよく食べるんですよ」
「本当に林檎が好きなんだ」
「アメリカにも行ったことがありますから」
 月美は今度は自分のことを話してきた。
「それで見まして」
「食べてみて」
「はい、それでわかりました」
 まさにそれによってという。やはり食べてみないと何もわからない。
「アップルパイやアップルティーに合う林檎は」
「何か他の林檎は違うみたいだけれどね」
「はい、紅玉は特別なんです」
 その林檎はというのだ。こう話す月美だった。
「本当にこうしたものに使う林檎でして」
「成程ね」
「林檎もそれぞれの種類によって使い方がありますから」
 このことも話すのだった。6
「それでこのアップルパイとアップルティーは」
「それがしっかりとわかってるからか」
「美味しくなってますね。あんなにおそばを食べたのに」
「それでも食べられるよな」
「甘いものは別腹っていいますけれど」
 月美はこの言葉も出した。
「それでも余計に」
「そうだよな。何かまだ入るしな」
「そうですよね、不思議に」
「はい、それで後は」
「どうしようか、これを食べたら」
「何か買いませんか?」
 こう陽太郎に提案するのだった。
「お父さんとお母さんに」
「親父とお袋にかあ」
「特産品もありますし。ですから」
「そうだよな。それだったらな」
「はい、じゃあそれで」
「何買おうか」
 ここでだ。陽太郎は腕を組んだ。そうしてそのうえで考える顔になったのである。
「買うのはいいとして」
「そうですね。ここは」
「ここは?」
「アクセサリーみたいなものがいいじゃないでしょうか」
 月美はこう陽太郎に提案するのだった。
 
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