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おぢばにおかえり

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第四十四話 二人でお外に出てその三十三

「こうしてまた一緒に食べたいですね」
「また?」
「おぢばでも」
「おぢばでは私が出すから」
 阿波野君にすぐに言いました。
「いいわね」
「どうしてですか?」
「どうしてって当たり前でしょ」
 何かいつもこう返している気がします。
「後輩にお金出させてるなんて思われたら」
「嫌だからですか」
「体面があるから」
 それで、です。
「だからよ」
「そういうことですか」
「そうよ、お金は私が出すわ」
 このことは絶対にと言いました、おぢばでは同級生や後輩それに大学や本部勤務の方に進まれた先輩達の目があるからです。
「いいわね」
「わかりました、それじゃあおぢばでは」
「私が出すから」
「先輩も色々あるんですね」
「あるわよ、というか後輩の子にお金出させるなんて」
 それこそです。
「人間としてどうなのよ」
「そこまでいきます?」
「いくわよ、私そういうのは嫌いなの」
 それも上に大が付く位です、自分は言うだけだったり人にそうさせる人は本当に嫌いなんです。
「だからね」
「僕にもですか」
「そうよ」
 こう阿波野君に言いました。
「それはさせないでね、絶対に」
「させない、ですか」
「嫌いな人とは同じレベルになりたくないに」
「あっ、それ僕もです」
 阿波野君は私の今の言葉にすぐに応えました。 
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