オズのトロット
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第十二幕その一
楽しい日本人街
トロット達はイッソスのイクシー女王と笑顔でお別れしてです、そのうえで遂にエメラルドの都への帰路につきました。
皆で南に進んでギリキンの国に入りました、そうしてギリキンの国でも南に進んでいると。
道の標識を見てです、トロットは言いました。
「あら、近くに日本人街があるわね」
「そうだね」
キャプテンもその標識を見て言いました。
「この道ははじめて通るから知らなかったよ」
「ええ、けれどね」
「日本人街があるならね」
「行ってみようか」
「皆はどう思うかしら」
ここで他の皆に尋ねたトロットでした。
「日本人街に行ってみたい?」
「お願いします」
最初に応えたのは日本人の恵梨香でした。
「オズの国の中の日本も見てみたいです」
「私もです」
次にナターシャがトロットに答えました。
「宜しくお願いします」
「僕も行きたいです」
神宝もトロットに申し出ます。
「オズの国の日本人街がどんなのか興味があります」
「行きましょう、絶対に」
ジョージの考えも決まっていました。
「それで見てみましょう」
「一体どんな街なのか楽しみです」
カルロスもかなり乗り気です。
「オズの国の中の日本がどんなのか」
「うん、僕も行ってみたいね」
「私もだよ」
モジャボロと教授も賛成でした。
「オズの国の日本人街にはここ暫く入ってなかったしね」
「行って見てみたいよ」
「だから是非ね」
「ここは行ってみよう」
「よし、それじゃあね」
皆の意見を聞いて笑顔で頷いたトロットでした、言うまでもなくトロット自身の考えは決まっていました。
そうして皆で標識の方に行ってみました、すると暫く歩いてです。ある大きな街に着いたのですがその街はです。
川と橋がとても多くてです、何階建てもあるビルがその川を挟んで沢山並んでいてその周りには賑やかな感じの家々が立ち並んでいます。
ビル街の中はとても変わっていました。赤と白の縦縞の服と三角帽を被ったおじさんや大きな蟹、河豚のお人形がそれぞれのお店に飾られていてです。
頑固そうな寿司商人のおじさんのお顔が描かれた看板があったりお笑い芸人の舞台があって色々な食べもののお店があります。その食べのお店を見てカルロス達五人はびっくりしました。
「お好み焼きにたこ焼きのお店があって」
「串カツのお店もあるね」
「豚骨のラーメンの屋台にきつねうどん」
「それと最初から御飯とルーを混ぜてあるカレーね」
「二つ一緒に出す善哉に御飯の中に鰻がある鰻丼ね」
「何か凄い不思議な街ね」
トロットも街の中を見て驚いています、人が凄く多くてその人達が常に賑やかな感じでお喋りをしています。
「この日本人街は」
「ここが大阪です」
カルロスはその先生に答ました。
「まさに」
「そうなの」
「はい、大阪です」
こう言うのでした。
「この街は」
「この街が大阪なのね」
「川も橋も多いですし」
「ええ、凄く多いわね」
川の左右はちゃんとコンクリートで整えられています。
「実際に」
「これも大阪なんです」
「大阪は川が多いの」
「そして橋も」
「こんな感じで」
「凄く多いんです、もう街のあちこちにあります」
「そうなのね」
「それでお家はです」
そちらはどうかといいますと。
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