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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第百十四話

「お手を拝借」

「「締めるな」」

「いただきます」

トレイター内部時間で十三時。

要するに昼時だ。

食堂に円卓を出してそこに料理を並べる。

二十人分は流石に疲れたが、まぁ、どうにかなったな。

「ねぇねぇ一夏君。これ全部作ったの?」

「そうだよ」

なおメニューはチキンライスとトマトスープだ。

「一人で?」

「いや、式神に手伝ってもらった。ほら、そこにいる奴」

橙と稲荷を指差す。

「ますたーの式神の橙です。よろしく」

「一夏様と箒の式神の稲荷です。よろしく」

猫耳と狐耳を見て刀奈達は察したようだ。

「坊や、あの吸血鬼は出さないの?」

「奏にはさっきマグカップ半杯の血を与えたからだいじょ……どうした皆?」

何故か皆が顔をしかめた。

「一夏」

簪がトマトスープを指差した。

ああ、成る程そういう事か。

「ああ、すまんな。嫌だったら残していいぞ」

「もったいないからぁ~のこさないけどぉ~おりむぅはもうちょっと考えようねぇ~」

一番何も考えていなさそうな奴に言われてしまった…

「オータム、残していいわよ」

「ああ、そうす……いや、飯いらね。
すまん部屋もどる」

と顔を青くしたオータムが席を立った。

「坊や。わざと?」

「いや、偶然。配慮が足りなかったな」

「かまわないわ。私もいらないわ。オータムを部屋に連れていくから誰か食べておいてちょうだい」

モノクローム・アバターの二人が出ていっておかしな空気になった。

「一夏…お前はあの二人にいったい何をしたんだ?」

隣の箒に小声で聞かれた。

「ちょっとヴィーティングの処刑に同行させただけだ」

「そうか…」

ヤバイなぁ。オータムガチでトラウマになってるじゃん…

赤はダメだな…ISの色も塗り替えないと…

「はいはーい!皆とにかく食べちゃおうよ!」

と束さんの一言で皆が手をつけ始める。

「あ…おいしい…」

「一夏君、家でコックやらない?」

「やらねぇよ」

「リューイン、お前の息子すごいな」

「ああ、一夏君は俺がそだてた!」

「バカな事言わないでください貴方。
搾りますよ」

「ひぃ!?」

「ねぇねぇ一夏おねーちゃん、あれ何のお話?」

「お前にゃまだ早いよ」

「……………エッチなこと?」

「なんで知ってる」

「おかーさんがエッチなことはまだ早いって言ってたから」

「おいフィグネリア」

「なんだい若。誤魔化したらかえって知りたがるのが子供って物だろう?」

「いやまぁ、そうではあるが…」

「だいたい若と姫だって中学生なのに…おっと…これ以上は…」

「箒?」

「いや、その…なんだ。うん。ちょっとフィーネにテクニックを教わろうかとな…」

「ヴィッサリオン、嫁の手綱は握っといてくれよ」

「無茶言わないでくれ若…」

「ん…?ねぇねぇおりむぅ。なんか身長高くなってない?」

「あぁ、一夏は単に高い椅子を使ってるだけだ」

「姉さん…言わないでくれ…」

「一夏君…今度ファミレス行かない?
今度は変装魔法無しで」

「トレイターから放り出すぞ刀奈」

「やめてよ。深海なんかに放り出されたら私ぺしゃんこになっちゃうわ」

「は?ミステリアスレイディ……あぁ…そうか…まだ持ってないのか…」

「ミステリアスレイディ…?」

「何でもねぇよ。忘れろ」

「そう、覚えておくわ」

「天の邪鬼め」

「貴方にだけは言われたくないわ、ツンデレ男の娘君?」

「よし喧嘩売ってるんだな?OK後でボコる」

「一夏、やり過ぎるなよ。刀奈さんでは三秒も持たんぞ」

「大丈夫。五分くらいはレッツパーリーしとくから」

「一夏…具体的…には?」

「体感時間引き延ばしからの腕ひしぎ」

「ふふん、そのちっさな体でできるのかしら?」

「OK泣きたいようだな」

という訳で食後の運動と称した組手で刀奈がガチ泣きする事になった。

side out










一夏が刀奈を泣かせている頃、箒はロリ三人組を自分の部屋に招いていた。

三人は円香、リム、エレンの順でベッドに腰掛け、その正面に箒が立っている。

「どーしたの箒おねーちゃん?」

「どうしたんですか?」

「?」

エレン、リム、円香が疑問を浮かべる。

「集まって貰ったのは他でもない、お前たちに『気功』を教えようかと思ってな」

箒の顔はニヤニヤしていた。

「きこー?」

円香が不思議そうに聞き返す。

「そう。気功。この前言ってたやつだ。
身長が伸びる…一夏を抱っこできるぞ」

「やる!」

「やります!」

アルシャーヴィン姉妹が即答し…

「わたしも!」

円香が続いた。

「なら話は早い。早速はじめよう」

箒の指示で三人はベッドの上に、箒も同じく上がる。

「まずは年長のリムからだ」

「はい」

箒が両手を差し出す。

「リム、握ってくれ」

箒の両手が、差し出されたリムの小さな手を包み込む。

「いくぞ」

箒の心臓に力が集まる。

全身に薄く広がっていた力が一度心臓に集束し、腕を伝ってリムに流れ込む。

少しずつ、ゆっくりと。

「リム、温かいのがわかるか?」

「ぽかぽかします」

「そう、それでいい。これが『気』だ」

「このあったかいのが…」

箒は自分が一夏にして貰ったように、事を進める。

「じゃぁ、すこし『廻す』ぞ苦しくなったら言ってくれ、すぐにやめる」

今度は箒の右手からのみ、力が流れる。

「リム、流れを自分で速くすることを考えろ」

「はい」

リムの体内を箒の『気』が巡る。

注がれる『気』に無理矢理押されての流れだが、リムはその流れを自覚した。

「その感覚が気を廻らす感覚だ」

箒が手を離した。

「その感覚をイメージし続けろ。その内勝手自分のに気が練り上がる。
目を瞑ると集中できるぞ」

箒の言葉通り、リムは注がれた気に意識を集め、『気』を全身に回し始めた。

その姿は瞑想しているかのようだった。

「じゃぁ、次はエレンだな」

箒はエレンにも同じように気を注いだ。




「よし、お前の順だ」

エレンへの指導を終えた箒が、円香とも同じように手を繋ぐ。

「いくぞ」

円香の手に向かって、箒の気が流れ…

バチン‼ と音が鳴り、箒の手が弾かれ、その皮膚が裂けた。

鮮血が散り、円香の頬にも箒の血が飛び散った。

「ぐぁ!?」

手を放した箒は、その手を抱えてうずくまる。

「箒おねーちゃん!?」

「ぐ…」

箒の手は掌が焼け焦げ、指先から肘にかけて数本の裂傷が走っていた。

「大丈夫だ…この程度どうとでもなる…」

箒は真っ赤に染まった手の中に一振りの日本刀を量子展開した。

サイコEカーボン製ブレード宵闇。

そして、その刃を僅かに抜く。

「稲荷、『再生』」

『りょうかい』

【コアエイドスデータの遡及開始】

【変更点確認】

【コアエイドスデータフルコピー】

【自己修復術式発動-修復完了】

鯉口から眩い光が溢れ、次の瞬間には箒の腕は傷も血も消え、元に戻っていた。

『箒、一夏様がこっちに来てるよ』

『わかっている…』

『説教確実だね』

シュッと箒の部屋のドアが開いた。

「……箒」

入ってきたのは一夏だ。

顔はにこやかだが、その黄金の瞳は笑っていなかった。

「正座」

「はい」

箒がベッドから下り、床に正座した。

「円香、エレン、リム。後で色々教えて上げるからちぃっと部屋から出とけ。
外に束さんいるから遊んでもらえ」

「「「さーいぇっさー!」」」

三人は一夏に怯えて、部屋から逃げ出した。

「さて…お説教の時間だオラァァァ!」

「ぴぃ!?」
 
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