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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第七十話 何進、姿を現すのことその四

 そしてその乙女達を見てだ。兵達のうち何人かが卒倒した。
 それを見てだ。夏侯惇が驚いて彼等に駆け寄って叫ぶ。
「どうした、しっかりしろ!」
「まさか、こいつ等の妖術で!?」
 荀彧もびっくりした顔で兵達の傍に来て言う。
「倒れたというのか!?」
「一体何をしたのよ!」
「あら、何もしてないわよ」
「この美しい姿を見せているだけじゃない」
「黙れ、どうやら貴様等は!」
「その存在自体が破壊みたいね!」
 あらためて言う二人だった。
「やはり人間ではないな!」
「一体どの世界の魔物なのよ!」
「今度は魔物って」
「だから違うわよ」
「くっ、こいつ等本当に何者だ!?」
「尋常な存在じゃないのはわかるけれど」
「まあとにかくだ」
 相変わらずだ。華陀だけが冷静だ。そうして夏侯惇達に話すのだった。
「行っていいんだな、もうな」
「あ、ああ。とにかくだ」
「早く行きなさいよ」
 それはいいという二人だった。
「この兵達の手当てもしないといけなくなった」
「とりあえずそこの妖怪達がいなくなって欲しいから」
「何度も言うけれど乙女なのに」
「どうしてそんな酷いことを言うのよ」
「だからそれはいい!」
「早く行きなさい!」
 いい加減切れた二人だった。かくしてだ。
 華陀達は半ば強引に解放された。そうしてである。
 行く先々で勝手に騒動を起こしながらだ。探す相手のところに来たのだった。
 何進は今は森の中を彷徨っていた。服はあの時のままだ。
 しかしその頭にだった。頭巾を被っていた。
 その彼女を見てだ。華陀が声をかけた。
「大丈夫か?」
「むっ、張譲の刺客か?」
「いや、俺はそうじゃない」
 こうだ。その何進の前に出て答えるのである。
「俺は医者だ。華陀という」
「華陀?あの天下の名医のか」
「名医かどうかは知らないが俺は医者だ」
 こう何進に話すのである。
「そう、医者王だ」
「医者王か」
「ゴオオオオオオオオッド米道のな。医者王だ」
 それだというのである。
「それでだ。いいか?」
「御主はいいのじゃが」
 何進はここで彼の左右を見た。やはりいた。
「そこのあやかし共は何者なのじゃ?」
「あら、古い付き合いじゃない」
「超機械大戦の世界でね」
 ここでこんなことを言う怪物達だった。
「ダーリンとも貴女とも随分と競演してるのに」
「仲間だったこともあったじゃない」
「これで信じてくれるか?」
 華陀も言う。
「この連中もな」
「不思議なことに信じられるのう」
 何進は腕を組んだ姿勢になって答えた。
「そう言われるとな」
「そうそう、付き合いはこの世界だけじゃないのよ」
「中の存在の付き合いは重要なのよ」
 怪物達はこんなことも言うのであった。
「私なんてね。コーチ、いえ教官やってたし」
「あたしは東方不敗だったわよ」
「俺は医者王の他にも出ていたな」
「わらわものう。子供になっておったりしておった」
 何進も理解できることであった。不思議とだ。
「この世界ではあの憎むべき張譲しかおらんかったが」
「まあそれは仕方ないな」
「そうそう、中の存在はね」
「色々とあるから」
「そういうことじゃな。しかしじゃ」
 ここで何進は話を戻してだ。そのうえでこう話すのであった。
 
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