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オズのトロット

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第十一幕その九

 皆で牧場に行きました、ギリキンの紫の芝生の上に沢山の牛や羊達がのどかに過ごしています。そうしてです。
 その生きもの達を見てです、トロットはここでも笑顔で言いました。
「何時見てもいいわね」
「心が和むでしょ」
「ええ、こうして見て触ってね」
 牛を触りながら女王にお話するトロットでした。
「それだけで幸せな気分になれるわ」
「不思議よね、牧場にいたらね」
「それだけでね」
「幸せな気分になれるのよ」
 女王もトロットにお話します。
「私もそうよ」
「そうよね、こうした牧場が沢山あって」
「イッソスの国は乳製品も採れてね」 
 最高に美味しいそれがです。
「見ても楽しめるのよ」
「そうなのよね」
「どれも広い牧場だし」
 見れば皆が今いる牧場もかなりの広さです。
「沢山の生きものがいるのよ」
「豚や山羊もいますね」 
 カルロスはそうした生きものを見ています。
「それに鶏も」
「どの生きものも沢山いるでしょ」
「ここでは小屋の中で飼わないんですね」
「夜は皆そこで休むわよ」
 小屋の中でというのです。
「けれどお日様が出ている間はね」
「こうしてですね」
「そう、皆お外に出てね」
「お日様の光を浴びてるんですね」
「この国ではそうしてるのよ」
「そうなんですね、こうした牧場もいいですよね」 
 カルロスは鶏達を見ながら女王に応えました。
「鶏もお外にいるのも」
「外の世界ではずっと小屋の中にいる鶏もいるのよね」
「そうなんです、けれどこの国ではですね」
「見ての通りにね」
「お外に出てですね」
「楽しく過ごしているのよ」
「素敵ですね」
 こうも言ったカルロスでした。
「見ていて和みます」
「そんなにいいのね」
「はい、あと犬もいますね」
「牧場には欠かせないでしょ」
 牛や羊達の周りにはコリーやブリアードといった犬もいます、女王はその犬達についても答えました。
「牛や羊と一緒でね」
「牧羊犬で、ですね」
「オズの国では牧場に狼は来ないけれど」
「それでもですね」
「牛や羊達を小屋に案内してくれたり働いている人達の助けもしてくれるから」
 だからだというのです。
「欠かせないでしょ」
「だからですね」
「犬もいるのよ、そしてね」
 今度は馬に乗って牧場の中を巡っている働いる人も見てお話した女王でした。
「あの人達もね」
「カウボーイですね」
「働いている人達はあの人達よね」
 牧場ならというのです。
「そうでしょ」
「カウボーイですね」
「何といってもね」
 牧場ならというのです。
「そうでしょ」
「はい、確かに」
「だからね」
「あの人達もいてこそ」
「牧場なのよ」
「それはイッソスの国でも同じですね」
「そうよ、こうしたものを見ていると」
 本当にというのです。 
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