異世界にやってきた俺は、チート能力を駆使して全力でスローライフを楽しむ!
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幸せ?
現在俺は、三人の美少女に周りに囲まれていた。
やけに位置が近すぎる気がするが、なんでもこうやって近づいてよく見ないといけないものらしい。
でないと失敗するとかなんとか。
そのおかげで俺はというと美少女たちに取り囲まれてじっと観察されたり、さっき腕を触られたりと大変なことになっている。
確かに元の世界では男女共学であったため、女の子のいる環境ではあった。
だが、どこぞのラノベ主人このような物語が始まった後に周りに女の子が沢山いるような状況にはなったことがない。
なので童貞レベルが最高ともいえる俺は、周りに女の子たちが近づいているこの状況に……心地よさと共に緊張と、異様に心臓がバクバクいうような感覚を覚えている。
だがこの状況、男ならば“断れない”、そんな気持ちになるのも分かってもらえると思う。
だから俺は、何も考えないことにした。
そこで、エイダが俺の腕に抱きつくようにする。
「う~ん、ここの部分は、“果実”であるみたいだけれど、思いつく限りで三種類くらいあるわね」
「……あの」
「? ソウタ、どうしたの? そういえばやけに顔が赤いけれど、馬車酔いがまだ治らないの?」
「ソノヨウデス」
俺はそうとしか返せなかった。
だって、エイダは全く気付いていないようだが、俺の腕にエイダの柔らかいあの……胸が当たっているのである。
やや弾力のある柔らかさ。
何とも言えず触れるだけで幸せな気持ちが沸き上がってくるようなそれに関して、俺は指摘すべきだろうか?
だが気づかれてしまっては、俺に対しての信頼のようなものも砕け散る気がする。
ここは穏便に気付かれず離れてもらった方がいいだろう。
そう俺は考えてエイダに、
「そ、そういえばこの先の町には幾つ位止まるんだ?」
「大きな町に一つ泊まるだけだったはずよ。それと考えて集中しているから話しかけないで」
「……はい」
俺はそれ以上何も言えなかった。
気づかれずに全部終われと俺は思っているとレオノーラが、今度は俺の腰に抱きつくようにして、俺の背中のあたりを見ている。
ちなみにこの時、胸が俺の足に当たっていたりする。
だがそんなことをレオノーラは気にしていないらしい。
そういえば前の世界の竜たちも本体は竜というか“裸”であるのも含めて、あまりそういったことに頓着していなかった気がする。
だからこんな事になっているのだろうが、だが俺としては、真面目に解こうとしてくれているのは分かつているわけで、それを無下にできない。
本当にどうすればいいんだと俺が思っているとハデスと目が合う。
俺は彼女に穏便に、他の二人が離れてもらえるよう言ってもらえないか……と思ってじっと見つめると、彼女は首をかしげて、
「……わかった。私も混ざって解く」
そう言って近づいてくる。
違う、そうじゃない……俺はそう言いたかったが、この状況で俺は口を出すこともできず、結局、彼女たちに抱きつかれるわ近づかれるわという、未経験の世界に突入する。
こうして俺は幸せ、というよりも緊張しすぎてよく分からない目にあわされたのだった。
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