転生とらぶる
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ペルソナ3
2063話
俺と望月……否、デスとの戦いで、最初に動いたのは俺だった。
デスにしてみれば、あくまでもこの戦いは俺の力を……ニュクスと本当に戦える力があるのかを見る為のものであって、俺が挑戦者という扱いなのだろう。
もっとも、俺がニュクスと戦うのは生身での戦いではなく、あくまでもニーズヘッグに乗っての戦いだ。
その辺りを考えれば、正直なところこの戦闘に意味があるのか微妙なところでもある。
もっとも、それでもデスをそのままにしておくような事は出来ない以上、戦うしかないのだが。
ここで下手にデスと戦わないでいた場合、最悪ニュクスとの戦いの中でデスが乱入してくる可能性も否定は出来ないのだから。
そんな訳で……まず俺が行ったのは、腕を大きく振るって白炎を生み出す事。
ペルソナ世界の魔法は詠唱がなく、呪文名を唱えるだけで魔法が発動する。
それはネギま世界の魔法にとって大きなメリットだが、ペルソナを通して使う必要があり……つまり、呪文の詠唱の代わりにペルソナを召喚するという行程が必要となる。
そういう意味では、俺の白炎は詠唱やらペルソナの召喚やらは一切なく、それこそ手の一振りで白炎……通常の炎とは全く違う、俺の魔力が籠もった白い炎が生み出される事になる。
『うん?』
だが、デスは突然目の前に生み出された炎を、背中にある羽根……いや、衣とでも表現すべきか?
ともあれ、そんな感じの物であっさりと消し飛ばした。
「へぇ……挨拶代わりの一撃とはいえ、俺の白炎をこうもあっさりと迎撃するとは思わなかったな」
『そうかい? じゃあ……こっちもお返しといこうか。マハラギダイン』
その言葉通り、俺の白炎に対するお返しなのだろう。周囲がデスの生みだした炎に包まれる。
それこそ、ネギま世界の魔法、燃える天空と同じような、そんな魔法。
マハラギダインは刈り取る者や、それ以外にタルタロスにいるシャドウの中にも使ってくる奴がいた。
だが、魔法というのは扱う者によってその威力は大きく変わる。
事実、デスが使った魔法は間違いなく、今まで見てきたどんなマハラギダインよりも強力だった。
……それでいながら、屋上の隅に移動して戦いの様子を見ているゆかりと美鶴には被害が及ばないように調整しているのは、デス……いや、望月らしいと言える。
「けど、この程度で俺をどうするって!?」
最初に放ったのとは比べものにならないだけの魔力を込め、白炎を生み出す。
マハラギダインと白炎の喰らい合いとでも呼ぶべき光景がそこに広がり……だが、拮抗したのはほんの一瞬だけ。
次の瞬間には、俺の白炎があっさりとマハラギダインの炎を呑み込む。
どうやら、炎の扱いに関してはデスよりも俺の方が上らしい。
そして、白炎が全ての炎を喰らいつくしたということは、当然のようにデスの視界も一時的に遮られ……その瞬間、俺は気配遮断を使って歩き出す。
デスという桁違いの、いわばラスボス……いや、ラスボスはニュクスだと考えると中ボスか? ともあれ、間違いなくこの世界で戦ってきた中では最強の相手であるだけに、気配遮断の効果があるかどうかは微妙だったが……どうやらしっかりと効果は発揮しているらしい。
ゲイ・ボルグを手に移動している俺だったが、デスは白炎によって視界を遮られたのを機に、完全に俺の姿を見失っていた。
デスとの戦いで厄介なのは、手に持っているいかにもな長剣もそうだが、背中から生えている羽根とも尻尾とも、布にも見えるそれだ。
最初の攻撃をした時に見た感じ、あれはそれぞれを自由に動かす事が出来るらしい。
それこそ、ニーズヘッグのバインダーのヒュドラと似ているかもしれないな。
そんな風に思いつつ、俺はデスの内側まで……取りあえず呼び名は必要なので闇の衣とでも呼んでおくか。その闇の衣の内側まで到着する。
気配遮断の凄いところは、それこそ攻撃態勢に入らなければ、全く相手に認識させないという事だろう。……まさかデスにまで効果があるとは、正直思わなかったが。
半ば駄目元に近い行動だっただけに、デスに効いたのは嬉しい誤算だ。
そうして、ゲイ・ボルグを手に近づいていき……攻撃態勢を取ったその瞬間、気配遮断の効果が切れ、デスはいつの間にか自分のすぐ近くで槍を構えている俺の存在に気が付いた。
『っ!?』
咄嗟に回避しようとするデスだったが、俺がそんな隙を与える筈もない。
次の瞬間、放たれた槍は……デスの右腕を斬り裂く。
やるな。
本来なら、今の一撃でデスの身体を貫くつもりだった。
それが出来なかったのはデスが右腕で持っていた長剣だ。
ゲイ・ボルグの一撃を完全に回避出来ないと咄嗟に悟ったデスは、自分の受ける被害を少しでも避けようと、右手で持った長剣を盾代わりにした。
結果として、俺の一撃は長剣の刃によって軌道を逸らされる事になり、デスの右腕を斬り裂く程度に終わってしまったのだ。
『やるね』
右腕を斬り裂かれながらも、デスは跳躍……と言うべきか、ふわりとした動きで後方にに跳び、俺から距離を取る。
「やるねと言われてもな。この攻撃をまさかこうもあっさり回避されるというのは、俺にとっても予想外だったよ」
そういう俺の視線の先で、ゲイ・ボルグによって傷付けられた傷が見る間に治っていく。
傷から溢れているのは、それこそ血の類ではなく闇……いや、デスがシャドウである事を考えれば、影の液体? 気体? とにかくそんな感じの奴だ。
……一応、ゲイ・ボルグには、そこまで強力ではなくても、回復阻害の効果があったりするんだがな。
デスという存在にとっては、この程度の傷は問題なく癒やす事が出来るらしい。
「厄介だな」
『君がそれを言うのかい? まぁ、いい。炎が君に効果がないのは分かった。なら……これは、どうかな? マハブフダイン』
その言葉と同時に、周囲が氷に満ちる。
まさに、極寒の地とでも呼ぶべき光景に一瞬で変わったその様子は、ペルソナ世界において最高の氷系の魔法……そう表現しても間違いはないだろう。だが……
「生憎、俺はエヴァとの戦闘訓練で、氷系の魔法は嫌って程に使われてるんだよ! この程度の攻撃、今までに何回使われたと思っている!?」
俺の……正確には、シャドウミラーにおいて、生身の戦闘訓練の教官という立場にいる、エヴァ。
見かけは幼女だが、その実態は600年を生きた吸血鬼。
その魔法の技量は、それこそネギま世界でも屈指のものと言ってもいい。
……まぁ、ニンニクとかが入った落とし穴に落とされるとか、そういう感じで妙に間の抜けたところもあったりするが……それはそれ、これはこれだろう。
ともあれ、俺は……そしてシャドウミラーの隊員はエヴァとの模擬戦を繰り返している。
そしてエヴァは、模擬戦であろうと手加減はしない。
いや、最低限の手加減はしているので、殺されるような事はないが……それでも、身体を凍らせられる、氷の中に詰め込まれるといった事はそう珍しい話ではない。
特に、その言葉遣いがエヴァの気に障るのか、アウルは結構な頻度で凍らせられていた。
つまり、シャドウミラーの隊員はエヴァに……そして氷の魔法に対する対応を自然と学ぶ事になる。
勿論、ネギま世界の魔法とペルソナ世界の魔法は大きく違う。
だからこそ全く同じように対応が出来る訳ではないが……それでも、同じような対処は可能だった筈だ。
「好きにさせると思うか!?」
もっとも……その対処方法は、俺にとってはそう難しいものではない。
実質的にやる事は、先程と変わらない。
普通なら火は水に消火され、属性的に不利なのは間違いない。
だが……あくまでも普通なら、だ。
俺の炎は普通の火ではなく、白炎。
これでもかと俺の魔力が込められたその炎は、本来なら消火という結果とは全く別の結果をもたらす。それは即ち……蒸発。
周囲に存在していたマハブフダインによって生み出された氷の空間は、俺の白炎によって消滅していく。
氷が溶けた影響なのか、周囲には大量の水蒸気が吹き上がっていた。
それは、先程の炎の時と同様、俺の姿を隠すには十分なだけの威力があり……
『させないよ。マハジオダイン』
気配遮断を使ったその瞬間、向こうは俺の存在が消えた事に気が付いたのか、再度魔法を使う。
マハジオダイン。
言うまでもなくジオ系……雷系の魔法で、マハとダインが付いている事が証明しているように、周囲一帯に強烈な雷を巻き起こす広範囲殲滅呪文だ。
ちっ、同じミスはしないか。
先程の気配遮断からゲイ・ボルグに繋いだ一撃は、デスにとっても相応のダメージを負ったという事だろう。
もっとも、そのダメージもすぐに……それこそ一瞬で回復されてしまったが。
気配遮断を止め、こちらに向かってきた雷の全てを白炎で燃やしつくしていく。
そうして次に俺が選んだ攻撃方法は、影の槍。
俺の影から姿を現した、数十、数百の影槍がデスに向かって飛んでいく。
それを見たデスは、手に持っている長剣を素早く振るって影槍を迎撃……しつつ、仕返しだとこちらに向かって闇の衣を伸ばしてくる。
いや、これ長さとかどういう風になってるんだ?
明らかに最初に俺が見た時に比べると、限界以上に長くなってるんだが。
そう思いつつ、俺もまた闇の衣をゲイ・ボルグで迎撃する。
放たれる連続の突きや薙ぎ払いが、俺に向かってくる闇の衣を弾き、斬り裂く。
……もっとも、斬り裂いてもすぐに回復する辺り、正直ダメージを与えているようには見えないのだが。
いや、本当に厄介だな。
そう思いながらも、俺は次々に攻撃をくりだしてく。
そのまま数分……お互いにこの状況では千日手になると、そう判断したのか、デスは影槍を大きく振り払うと、そのまま後方に跳躍して間合いを開ける。
『うーん、やるね』
「そう言って貰えて何よりだ。ただ、どうせならもっと今のやり取りを続けても良かったんだが?」
『それも面白いと思うけど、そうなると、色々と退屈な戦いになりそうじゃないか。だから……今度はお互い、特殊能力の類を使わないで、武器だけでやり合うというのはどうかな?』
「武器だけで?」
その言葉に一瞬迷ったが、今までの戦いからの推測だと、デスは様々な能力を持っているのは半ば確定している。
そうである以上、向こうが自分から特殊能力の類を使ってこないというのであれば、それは俺にとっては願ったり叶ったりといったところなのは間違いないだろう。
「分かった。それも一興って奴か。……なら、純粋に技術だけで相手をさせて貰うか。……行くぞ!」
その言葉と同時に、俺は瞬動を使って一気にデスとの間合いを詰める。
気が付かれないうちに間合いを詰めるという意味では、それこそ気配遮断を使った時も同様だった。
だが、今回は純粋に目にも止まらぬ速度で相手との間合いを詰めたのだ。
そうして放たれる神速の突き。
そんな突きを、デスは長剣で迎え撃つ。
普通に考えれば、長剣と槍で有利なのは、間合いの長い槍だ。
勿論、懐に入られると長柄の武器というのは対処が難しくなるという欠点はあるが。
ともあれ、そうして放たれた俺の突きを、デスは長剣で受け止め……逸らす。
いや、長剣だけであれば、デスも完全に防ぐような事は出来なかっただろう。
だが、長剣の動きを補うように闇の衣を使って槍に触れると、軌道を強引に変えたのだ。
「特殊能力の類はなしじゃなかったのか?」
デスに向かってそう告げるが、デスは特に気にした風もなく、口を開く。
『それを言うなら、君の高速移動だって同じようなものだと思うんだけど?』
「そう言われると、ちょっと否定出来ない、な!」
その一言と共に、連続して突きを放つ。
突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き。
まさしく、突きの嵐とでも呼ぶべき連続突き。
だが、デスは技量不足を闇の衣を使ってフォローしながら対処する。
あの闇の衣、手のように自由に使える辺り、厄介だよな。
それに対処する為に、払いを混ぜたりフェイントを使ったりもするが……それでさえ、対処してくる。
そのまま数分……やがて、どちららともなく攻撃を止め、距離を取る。
『さて、様子見はこんなところでいいかな?』
「様子見、ね。俺は結構本気で戦ってるんだけどな」
『そうかい? でも……本当の意味で本気という訳ではないんだろう? 出来れば、それを見せて欲しいな』
そう言う望月に、俺はどうするべきか一瞬考えるも……望月には、俺がニュクスと戦えるという事を示す必要がある。
しょうがない、か。
一瞬だけゆかりと美鶴の方に視線を向け……口を開く。
「異形化」
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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