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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第六十九話  徐庶、徐州に来るのことその一

                          第六十九話  徐庶、徐州に来るのこと
 袁術がだ。難しい顔で張勲達に述べていた。
「最近の出来事は洒落になっておらんのう」
「はい、本当に」
「今の事態は」
 張勲だけでなく紀霊も述べる。
「まさか大将軍が処刑されるとは」
「そして董卓殿が宰相になられるとは」
「それであの連中はどうなったのじゃ」
 ここで袁術は二人にさらに問うた。
「宦官の連中は」
「十常侍ですね」
「あの者達ですか」
「そうじゃ。あの者達はどうなったのじゃ」
 袁術は怪訝な顔で己の執務室の机から問うた。
「話がないようじゃが」
「殺されたという噂があります」
 張勲がここでこう主に話した。
「その董卓殿にです」
「そういえば董卓は大将軍が都に入れられたのじゃったな」
「はい、それで董卓殿は大将軍の仇討ちにです」
「宦官達を皆殺しにしたのじゃな」
「そういう話があります」
 こう主に話す張勲だった。
「あくまで噂ですが」
「しかし実際に宦官達は出ておらんな」
 袁術が指摘したのはこのことだった。
「それではじゃ」
「やはり宦官達は」
「己の兵を持っておらんのが仇になったのう」
 袁術は強い目になって述べた。
「いざという時はやはり兵じゃからな」
「そうですね。ただ」
 ここでだ。紀霊が難しい顔で話す。
「問題はです」
「董卓は兵を持っておるな」
「はい、そのことです」
 それがだ。問題だというのである。
「しかも宰相になっています」
「では何でもできるな」
 袁術は宰相でしかも己の兵を持っていることからこう指摘した。
「やろうと思えば何でもな」
「では考えようによっては」
「宦官達よりも厄介ですね」
 張勲と紀霊が怪訝な顔になっている。
「擁州の兵は強いですし」
「配下にはあの呂布がいます」
「むう、ではわらわ達はどうなるのじゃ」
 袁術は腕を組んで難しい顔になって述べた。
「董卓がその気になって取り潰すとか言えばまずいぞ」
「はい、言い掛かりをつけてくる危険はありますね」
 張勲は実際にそれを恐れていた。
「そうなればです」
「どうするのじゃ、その時は」
 袁術は怪訝な顔で己の軍師に問う。
「わらわは三公になるのじゃ。名門袁家の嫡流として当然のことじゃ」
「はい、少なくともここで終わられるつもりはありませんね」
「その通りじゃ。絶対にじゃ」
 袁術の言葉が強いものになる。
「董卓め、言い掛かりをつけてくればじゃ」
「その時はですね」
「相手になってやるわ」
 こう言うのである。
「あの小娘の勝手にはさせんぞ」
「あの、美羽様」
 袁術の今の言葉にはだ。紀霊はいささか唖然となって突っ込みを入れた。
「そのお言葉は」
「何じゃ?不都合があるのか?」
「董卓殿の方がです」
「うむ、あの小娘がじゃな」
「美羽様より年上なのですが」
「何っ、そうじゃったのか」
 言われてはじめて気付いたといった感じである。
 そうして驚いた顔でだ。袁術はまた言うのだった。
「わらわもはじめて知ったぞ」
「そうかと」
「ううむ、そうじゃったのか」
 袁術は驚いた顔のまま話していく。
「わらわの方がじゃったか」
「はい、実は」
「しかしじゃ。それでもじゃ」
 だからといってだ。それで収まる袁術ではない。
 それはそれでだ。こんなことを言うのであった。
「わらわに対して何かをするならばじゃ」
「その時はですね」
「絶対に容赦はせぬぞ」
 こう言うのであった。そしてだ。
 ここで張勲がだ。主に対して言う。
「美羽様、おやつの時間ですよ」
「むっ、その時間か」
「はい、何を召し上がられますか?」
「蜂蜜水はあるかのう」
 何につけてもまずはそれであった。
「それを所望じゃ」
「はい、では蜂蜜水ですね」
「それを飲むとしようぞ」
「わかりました。それでは」
「そなた等も相伴せよ」
 袁術はにこりと笑って二人にも言った。
「わかったな。それではじゃ」
「はい、わかりました」
「それでは」
「他の者も呼ぶじゃ」
 二人だけでなくだ。さらにだというのだ。
「食べることも多くの方が楽しいからのう」
「そのことがわかってきたのですね」
「うむ、そうじゃ」
 満面の笑顔で張勲に答える。
「美味なものを一人で食べても何にもならんわ」
「では。あちらの世界の方々も御呼びして」
「楽しくやろうぞ」
 こう話してだ。そのうえでだ。
 袁術は皆を呼び蜂蜜水を楽しく飲む。ところがここで。
 
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