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空に星が輝く様に

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100部分:第八話 ファーストデートその八


第八話 ファーストデートその八

「別にね」
「そうですか。作っていけばですか」
「誰だって最初は何でも下手なものだよ」
 また言う陽太郎だった。
「俺だって剣道は最初は」
「私も。居合も弓も中々」
「そうだろ?誰だって最初は何でもそうだよ」
 温かい笑顔だった。陽太郎は自然とそうなっていたのである。
「だからさ。別にさ」
「いいんですね」
「それで」
「いいと思うよ」
 また言ったのだった。
「それでさ」
「大事なのは続けていくことですね」
「これって言われるじゃない」
「そうですね。何でも」
「大事なのは続けていくこと」
 陽太郎もこの言葉を言ってみせたのだった。
「やっぱりそれだよ」
「ええ。じゃあ私お料理も頑張ります」
「うん、頑張ってよ」
「それで今度」
 そして言う言葉は。
「よかったら学校で」
「学校で?」
「あっ、何でもないです」
 言いかけたところで止めたのだった。
「それは」
「そうなんだ」
「それでですね」
 咄嗟に話題を変えてきた月美であった。
「この後ですけれど」
「映画館だよね」
「映画は何でしょうか」
 具体的にそれについて尋ねたのだった。
「邦画でしょうか。それとも洋画でしょうか」
「邦画だけれど」
 そちらだと答える牧村だった。
「それでいいよね」
「それでジャンルは」
「ホラーだけれど駄目?」
 ここでは少し慎重な口ぶりになる陽太郎だった。
「ホラーは」
「いえ、じゃあそれで」
 答える月美の返答は明るいものだった。
「是非御願いします」
「それでいいんだ」
「ホラー好きなんです」
 だからいいというのであった。
「ですから」
「そう言ってくれてよかったよ。それじゃあさ」
「はい、それじゃあ」
「デザート食べてから行こう」
 にこりと笑って言う陽太郎だった。
「その白玉餡蜜ね」
「そうですね。白玉餡蜜二つですね」
「うん」
 一人一つずつという訳である。
「それじゃあそれでね」
「わかりました」
 二人はそのデザートの白玉餡蜜を食べた。それは上品な甘さに満ちたものだった。それを食べてからだった。二人は映画館に入った。
 今丁度上映がはじまるところだった。最高のタイミングである。
 暗い映画館の中に二人並んで座って。そうして観はじめる。
「はい、これ」
「あっ、すいません」
 陽太郎はコーラを差し出した。缶コーラである。
 自分の分も持っている。それを差し出しての言葉だった。
「この映画って結構長いしさ」
「だからですか」
「うん、飲みながら観ようよ」
 リラックスしての言葉だった。
 
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