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空に星が輝く様に

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10部分:第一話 最初の出会いその十


第一話 最初の出会いその十

「一年の時に会ってそれから」
「そうだったね。愛ちゃんと」
「だから一緒に合格しよう」
 椎名はまた月美に話した。
「一緒にね」
「うん、一緒に」
「それで高校に入ったら」
 その八条高校にというのだ。話はここまで進んでいた。
「頑張ったらいいよ」
「勉強のこと?」
「それだけじゃなくて」
「じゃあ部活も」
「ううん、別のことも」
 それもだというのだ。
「お友達も増やすといいよ」
「愛ちゃん以外のお友達も」
「つきぴーの性格だと難しいかもしれないけれど」
 彼女のその引っ込み思案の性格をわかっての言葉だ。だが引っ込み思案という言葉はあえて出さずにそのうえで話すのだった。
「それでも」
「それでもなの」
「女の子だけじゃなくて男の子のもね」
「男の子って」
「わかるわよね」
 また微かに微笑んでいた。
「男の子のお友達」
「恋人・・・・・・」
「つきぴーならきっといい恋人できるから」
 こうも言うのだった。
「だから頑張って」
「ええ」
 月美は椎名のその言葉にこくりと頷いた。
「どうなるかわからないけれど」
「誰だって最初はわからないから」
「最初は」
「少しずつわかってくるから」
 静かに話すのあった。
「だからね」
「だから」
「少しずつわかってくるから。だから頑張ってね」
「ええ」
「高校になったらがんばってね」
 こう話すのだった。二人でだ。
「いいわね」
「うん、頑張ってみる」
 小さくこくりと頷く月美だった。
「本当に」
「一緒に受かろう」
 椎名のこの考えは変わらなかった。
「八条高校にね」
「ええ。じゃあ」
 こんな話をしながら駅まで帰る二人だった。冬の夜は寒いが二人の心はそうではなかった。温かいままで帰路についていたのだ。
 星華の猛勉強は続いていた。それはこの日もだった。
 彼女が自分の部屋で勉強していると。扉の向こうから声がしてきた。
「お姉」
 中学生位の女の子の声だった。
「お菓子あるわよ」
「お菓子って?」
「ケーキ」
 それだというのだ。
「ケーキ食べて一休みしない?コーヒーもあるわよ」
「コーヒーもなの」
「うん。目が覚めるし」
 こうも言ってきたのである。
「だからね。どう?」
「有り難う」
 星華は礼から述べた。
「それじゃあ」
「食べるのね」
「ちょっと待って」
 しかしここでこう言うのであった。
 
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