転生とらぶる
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ペルソナ3
2058話
年が明けて、1月1日。
いよいよ今月末には人類の命運の掛かった戦いがあるのだが……当然のように、それを知っている者は多くはない。
結果として、皆が普段の生活をしており……正月という事で、初詣に来る者も多い。
そしてこの辺りにある神社は、長鳴神社。
つまり元旦というのは年に2回、夏祭りの時と同じくらい長鳴神社に人が集まる日となる。
そんな中……
「アクセル、待たせた?」
「その……少し着物を着るのに手間取ってな」
そう言いながら、ゆかりと美鶴が姿を現す。
2人共、正月らしい着物を身につけている。
振袖とか言うんだったか?
ともあれ、結構派手な柄だが、それが2人によく似合っている。
ゆかりと美鶴は、2人共典型的な華のある美貌をしている。
ゆかりの方はまだ可愛いと美人の中間といった感じだが、将来的には間違いなく美人系の顔になるのは間違いない。
それだけ華のある美貌なだけに、着物の柄が派手でも負けてはいない。
着る者を選ぶよう柄なのだが、それを着こなすだけの雰囲気を持っていた。
「そんなに待ってた訳じゃないから、大丈夫だ。それより2人共よく似合ってるぞ」
「そういうアクセルだって……うん、まぁ、似合っていると言えなくもない、かな?」
ゆかりがどことなく微妙な感じでそう言ってくるのは、俺の着ているのが普段着ではなく着物だからだろう。
着物というのは、基本的に日本人に似合うように出来ている服だ。
そして、ゆかりと美鶴は両方日本人だ。
いやまぁ、日本人離れした体型をしているが、それでも日本人である事に変わりはない。
そんな2人に対し、俺は普通に外国人な訳で……着物が似合わなくても、しょうがないんだよな。
当然自分に似合わない着物を俺が買う筈もなく、この着物は美鶴からの……正確には武治からのプレゼントとなる。
「けっ」
ゆかりや美鶴と話していると、そんな声が聞こえてくる。
誰の声なのかは、それこそ考えるまでもない。
周囲では夏祭りの時と同じように、一緒に初詣に行く相手を待っている男が大勢おり、俺はその男達からこれでもかと言わんばかりに嫉妬の視線を向けられていたのだから。
もっとも、その気持ちも分からないではない。
ゆかりと美鶴は、元々ファンクラブの類が存在するくらいの美人だ。
そんな2人が、俺という恋人が出来た事により……そして俺に抱かれ、自分の女を強烈に認識した事により、艶とでも呼ぶべきものが出て来たのだ。
その辺のアイドルや女優よりもよっぽど美人な2人と待ち合わせしていたのだから、嫉妬の1つや2つされるのは当然だろう。
もっとも、嫉妬やら舌打ちくらいなら、俺も特に気にしないが……直接手を出してくるような場合は話が別だ。
ただ、ここにいるのは当然のようにこれから初詣に行く相手を待っている状況であり……そんな男が、俺達に妙なちょっかいを出してくる筈もなかった。
「じゃあ、行くか。色々と屋台も出てるみたいだからな。たこ焼きと、焼きそば、お好み焼き……辺りは食いたいな」
「あのね、さっきお雑煮食べてきたばかりでしょ」
呆れたように言うゆかりだが、その言葉は事実だった。
昨日は結局、何だかんだと巌戸台分寮に泊まる事になり、朝食に荒垣の作った雑煮を……そして昨夜の残りの料理を食べたのは間違いない。
だが、食べた物がすぐに腹で魔力となる以上、食いすぎという事にはならない。
それは、俺が幾つものチャレンジメニュー……いわゆる、大盛りを30分で食べたら無料とか、そういうのをクリアしている事から、明らかだろう。
「気にするなって。ほら、行こうぜ」
「全く、アクセルは私が……いや、私達がついていないと、駄目だな」
そう言う美鶴だったが、言葉とは裏腹に口元には嬉しそうな笑みが浮かんでいる。
ゆかりも同様で、俺はそんな2人と一緒に境内に向かうのだった。
『……』
俺と、ゆかり、美鶴の3人は賽銭箱に賽銭を入れてお参りをする。
こういう時は、願いを言うんだよな。
さて、この場合はどんな願いを言えばいいのやら。
無難に、今月末の戦いで勝てるようにか?
もしくは、出来るだけ早くホワイトスターに戻れるようにか?
はたまた、ゆかりや美鶴との関係についてか。
どれもありといえばありだが、ぶっちゃけダークブレインとかの破壊神とかを倒してきた俺にとって、神様ってのはあまり当てに出来ない存在なような気がするんだよな。
まぁ、実際に会った……いや、この場合は遭ったか? 遭ったのが自称神のダークブレインだったから、というのが大きいんだろうが。
ああ、それとネギま世界の京都であったリョウメンスクナノカミも分類としては鬼神だっけ? ……そうなると、俺ってば神を喰ってる扱いになるんだが。
もっとも、この場合の神と鬼神では格そのものがかなり違うだろうけど。
ともあれ、今月末に戦うニュクスも、ギリシャ神話の神だし。
……ニュクスって名前は望月が言ってたんだけど、仮の名前だよな?
実は本当にギリシャ神話に出てくる神そのものって事はない、と思うんだが……ないよな? うん、そうであって欲しいとしみじみ思う。
ともあれ、平穏無事な1年でありますようにという、ありふれた……それでいながら、俺が願うにしてはあまりにも無理がある願いをしつつ、お参りを終える。
「さて、じゃあ何か食べていくか」
「あのね……まぁ、お参りをする前に屋台に寄らなかったは褒めてもいいけど。それで、何を食べるの?」
少し呆れたようにゆかりが言う。
お参りをする前に食べなかったので、取りあえずその辺は許して欲しい。
「ふむ……」
「美鶴?」
ふと気が付けば、美鶴が一件の屋台にじっと視線を向けているのが分かった。
その視線を追うと、そこにあったのはリンゴ飴。
一口サイズのリンゴに水飴でコーティングするという簡単な食べ物ではあるのだが、屋台としては定番メニューの1つと言える。
変わり種としてイチゴ飴とかもあったりするが……
ともあれ、そんな屋台に美鶴が目を奪われているのは間違いなかった。
「リンゴ飴、ね。美鶴先輩、買います?」
「む? いや、しかし……その、いいのか?」
「別に問題はないと思いますよ。……私達の場合、太るとかは全く気にしなくてもいいですし」
そう告げたゆかりの言葉に、近くを通りかかった数人の女が羨ましそうに……恨めしそうにか? ともあれそんな視線を向けているのが分かったが、別にそれは俺みたいに幾ら食べても体型に影響が出ないという意味じゃなくて、単純に食べてもタルタロスで動くから太らない、という事なんだが。
ただ、今はそんな風にどれだけ食べても、それ以上にタルタロスで動いているから問題はないけど、今月末の戦いが終われば影時間は解決してタルタロスも消滅する事になるんだよな。
そうなれば、当然ゆかりや美鶴も今のように平均以上に食べる……なんて真似は出来なくなる訳で。
もっとも、ホワイトスターに来るのであれば、エヴァの訓練で下手にタルタロスで戦うよりも運動量が増す事になるのだが。
そんな風に思いつつ、取りあえずリンゴ飴を買うべく屋台に向かう。
この日の結論としては、振袖を着るには相応の知識が必要だと俺とゆかりと美鶴の3人がホテルの中で後悔し……同時に、ホワイトスターに戻った時の事を考え、初めて3人で姫始めを楽しむのだった
ちなみに、ホテルの方では元旦という事もあって俺達みたいに着物を着てホテルに来るカップルについて想定していたのか、別途料金は掛かるが専門の知識を持った人員を用意しており、行為後に改めて着付けをして貰う事になる。
うん、影のゲートを使って白河通りじゃなくて別に地区にあるホテルにまでやってきて、本当によかった。
もし白河通りだと、下手をすれば見つかる可能性もあったからな。
ゆかりと美鶴は初めての3人での行為という事で、その日はずっと顔を真っ赤に染めていたが……そのうち、慣れる事になる筈だ。
「よお、アルマー。……聞いたぜ? 岳羽と桐条先輩の2人を初詣に行ったって? かなり噂になってるぜ?」
1月8日、冬休みが終わった新学期初日、俺は教室に入った途端に友近にそんな風に声を掛けられた。
……一緒に登校してきたゆかりが、そんな友近の言葉に色々と言いたそうにしていたが、取りあえず何も言わない事にしたらしい。
今までは、俺と美鶴は仲が良いとは言われていたが、特にどうこうという事はなかった。
だが、どうやら初詣に行ったのを誰かに見られていたらしい。
いやまぁ、どこか遠く離れた場所ならともかく、俺達が初詣に行ったのは月光館学園の寮がある巌戸台の長鳴神社だ。
当然のように、月光館学園の生徒があの時に俺達を見てもおかしくはない。
ましてや、振袖姿のゆかりと美鶴は、元々美人だったこともあって、かなり人目を惹く姿になっていたしな。
そんな訳で、当然のように掲示板では美鶴のファンに叩かれていたし、今日も登校途中で嫉妬の視線や……それどころか殺意の込められた視線まで向けられた。
「まぁ、色々とあってな」
「……その言葉で納得しろって方が無理だと思うんだけど」
友近の視線にも若干嫉妬が混ざっているのは、友近にとって年上の美鶴が好みだからというのもあるのだろう。
聞いた話では、基本的に友近の年上好みってのは1歳2歳といった感じじゃなくて、5歳とか10歳とか、そんな感じらしいのだが……いやまぁ、美鶴の場合は実際の年齢はともかく、外見は20代でも通じる程に大人っぽいからな。
以前にテスト勉強を一緒にした時も、友近は美鶴に惹かれているような雰囲気を見せていたし。
「納得しようがしまいが、俺がゆかりと美鶴の2人と付き合ってるのは変わりようがない事実だしな」
ざわり、と。
俺の宣言とも呼べる言葉に、教室の中で友近との会話に聞き耳を立てていた他の連中がざわめく。
まぁ、当然か。
2人の……それも月光館学園でもトップクラスに人気のある2人と同時に付き合っていると、そう俺が公言したのだ。
それに、驚くなという方が無理だろう。
「……バカ」
そして俺の宣言を近くで聞いていたゆかりは、顔を真っ赤に染めながらそう呟くのだった。
「もう、本当にアクセルってば。今日1日、私がどれだけ恥ずかしかったと思ってるのよ。他のクラス……どころか、他の学年からもわざわざ見に来る人がいたのよ?」
学校の帰宅途中、ゆかりの口からは不満がこれでもかと口に出る。
「なるほど。私の教室にも今日はやけに人が来ると思っていたが……アクセルのせいだったのか」
ゆかりと反対側にいる美鶴が、納得したように呟く。
ゆかりと違い、こちらは特に怒っているようには見えないのは幸いだな。
「あのですね、美鶴先輩。……ん?」
ゆかりが美鶴に何かを言おうとしたのだが、その言葉が不意に止まる。
何だ? と視線をゆかりに向けると、その視線の先には地面に座っている10代か20代程の男が1人。
今は1月で、外の気温も相応の温度だ。
にも関わらず、視線の先の男は寒さに震えるでもなく、ただボーッとそこに座っていた。
「無気力症か」
俺と同じく、ゆかりの視線を追った美鶴が呟く。
一応影時間には活動してはいるのだが、それでも全てのシャドウをどうにか出来る訳ではない。
そんなシャドウに襲われた者の末路が無気力症だ。
すぐに死ぬ事がないのが、せめてもの救いか。
「救急車を呼ぶから、少し待っていてくれ」
そう告げると、美鶴は携帯で辰巳記念病院に電話をする。
普通であれば、こういう場合に病院に直接電話を掛けるなどといった真似はしないのだが、今回は無気力症……シャドウの被害者だ。
それだけに、専門の設備が整っている辰巳記念病院に電話をしたのだろう。
桐条グループ傘下の病院だけに、美鶴からの要請を断る事が出来ないというのも大きい。
もっとも、シャドウについての研究を行っている以上、無気力症の患者を引き受けないという選択肢は辰巳記念病院にはないのだが。
ただ……当然のようにそのように治療設備が整っている病院というのは、辰巳記念病院だけだ。
つまり、際限なく無気力症の患者を引き入れる事になり……であれば、いずれ受け入れられる患者の限界が見えてくる事になりかねない。
運命の日は月末で、まだ20日以上ある。
はたして、それまで辰巳記念病院が受け入れ続ける事が出来るかどうか。
ましてや、31日の決戦に勝利したからといって無気力症の患者がすぐに回復するとも限らない。
辰巳記念病院は、色々と大変な事になりそうだな。
「破滅だ……いずれ破滅がやって来る。破滅だああああああああああああああああああっ!」
ふとそんな声が聞こえた方に視線を向けると、そこでは無気力症の患者とは裏腹に元気一杯に叫んでいる男の姿があった。
もっとも、叫んでいる内容は思い切り物騒な事だったが。
何だ、あれ。
春にはまだ早いんだけどな。
もう見えなくなった男の姿を見ながら、俺はそんな風に考えるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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