天体の観測者 - 凍結 -
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貞操観念を斬る
前書き
息抜きです
前回投稿した乳神の回はまた後程よろしくお願いします
今回は執筆し損ねていたプール回の投稿です
それではどうぞ
今日はオカルト研究部のプール清掃日。
無論、ウィスも参加している。
別に断っても良かったのだが此方を朱乃が見捨てられた子猫の様な目で見据え、黒歌は最愛の妹の小猫と出会える機会を逃すはずもなく苦言を申し立ててきた。
猫パンチからの引っ搔きである。
その後、彼女の黒歌の水着を急遽揃え、ウィスも自身の水着を準備し、別荘である惑星を飛び立った。
因みに三大勢力の和平会議を襲った禍の団によるテロ事件の後、何故か堕天使の総督であるアザゼルがオカルト研究部の顧問に就任していたがウィスにとっては些細な事であった。
だがどうやらあの会議でウィスという存在に強く興味を抱いたようで此方にうざいくらい詰め寄ってきた。
控えめに此方に言い寄り、暗に実験したいと申してきたのだ。
故にウィスはアザゼルと握手をした時に、その万能アームである義手を粉微塵に握り潰しておいた。
その場に響くアザゼルの悲鳴が心地良かったと此処に明記しておく。
今のウィスは短パンの水着に、水色のパーカーを羽織っている。
プール掃除も無事滞りなく終わり、ウィスは女性陣の着替えを待っていた。
見ればウィスの頭の上には猫へと変化した黒歌が座っている。
「ウィスさん、今日はプール掃除を手伝って頂きありがとうございます。」
そんな中、木場が真摯にウィスへと頭を下げる。
別に構わない。
その気になればウィスは即座にプールを綺麗にできたが、人らしく汗をかくのも実に愉しかった。
見れば一誠は先程から女性陣の水着を想像し、鼻の下を伸ばしてしまっている。
ハーレムを目指すならばそのスケベ精神を抑えるべきだと思う。
「待たせたわね、皆。」
そして遂にリアス達、女性陣がこの場に現れた。
「うォォおおお───、皆さん、お綺麗です!」
一誠は眼福とばかりに血涙を流しそうな勢いで感動し、リアス達の水着姿を目に焼き付けている。
「どうですか、ウィス?」
そんな中、朱乃が一歩踏み出し、ウィスに自身の水着を見せてきた。
朱乃の魅惑的な肢体を強調するような際どい水着だ。
布面積がかなり少ない。
「ああ、似合ってるぞ、朱乃。」
朱乃は上下共にシンプルなビキニ。
だが彼女にはとても似合っていた。
小猫とアーシアの2人はスクール水着。
リアスは上下共に純白の水着である。
やはりこの世界の女性達の貞操観念は想像以上に低いのではないかとウィスは実感する。
「あの……、ウィスさん。私の水着も似合っているでしょうか?」
もじもじとしながら彼女達に隠れていたロスヴァイセが姿を現す。
恥ずかしいのかウィスの方を見ようとしない。
「ええ、似合っていますよ、ロスヴァイセさん。」
だがそんなことが気にならなレベルで彼女は美しかった。
女性にしてはリアスよりも高い身長に、引き締まったボディ、腰まで垂れ下がる銀髪の髪にその紫の水着は非常に似合っていた。
正に女神。
ウィスは彼女をべた褒めする。
「ウィスさん、一緒に泳ぎましょう。」
木場からのお誘い。
久しぶりに運動がてらに体を動かすのも悪くはないだろう。
ウィスは羽織っていたパーカーを脱ぎ、鍛え抜かれた上半身をあらわにする。
「う、うおお……。」
「はわわ、ウィスさん。凄いですぅぅ……。」
細身ながらも鍛え抜かれた上半身は見事に割れ、その筋肉を強調している。
パーカー越しでは伺えない鍛え抜かれた体だ。
無駄な所など一切存在せず、引き締まっている。
この場の誰もが皆一様に魅入られる。
ロスヴァイセは赤面し、顔を指で隠しながらも、指の隙間からウィスを覗き見ていた。
「……?」
「……そ、それよりもウィスと一誠の2人に頼みたいことがあるの。」
頼み事とは一体なんだろうか。
「実はね……。小猫とアーシアに泳ぎを教えて欲しいの。」
成程、そういうことか。
ウィスと一誠の2人は納得がいったとばかりに首肯する。
─少し待つにゃ!─
だがそこで待ったの声が。
言うまでもなく小猫の姉である黒歌である。
ウィスは無言で頭上の黒歌を持ち上げ、前方へと放り投げ、杖を振りかざす。
途端、毛並みの良い黒猫が絶世の美女へと変化し、淡い光に包まれ、上下黒色の水着姿の黒歌が現れた。
「小猫の相手は私にゃ!」
「お姉様…。」
何、カッコつけちゃってんのお姉さま、と小猫は切実に思った。
黒歌が小猫に、一誠がアーシアに指導し、プールに入り浸る。
それ以外の女性達は皆がそれぞれの時間を過ごしていた。
因みにウィスはというと……
現在、リアスと至近距離で見つめ合っていた。
否、ウィスが顔を真っ赤に染め上げたリアスに詰め寄っていた。
「どうしました、リアス?」
ウィスはリアスが逃げられないように彼女の股に足を差し込み、左手は彼女の左肩を掴み、抑え込む。
右手からはオイルを滴らせながら、ウィスはリアスの魅惑的なお腹を人差し指でなぞり、胸をさすり、色香を放つ鎖骨を越え、彼女の綺麗な唇へと触っている。
事の発端はリアスがウィスに自身にオイルを塗ってくれるように頼み込んだことから始まった。
特に断る理由もなかったウィスはそれを快諾。
ブラを外したリアスの背中にオイルを問題なく塗っていた刹那、リアスがウィスに少し冗談めかして言ったのだ。
─前も塗ってくれない?─
最初はちょっとしたおふざけのつもりであった。
慌てふためくウィスを見ることができれば儲けものだなと思っていたのが間違いであった。
ウィスはその後、何も動じることなくリアスを組み敷き、覆い被さり、オイルをリアスの要望通りに塗ろうとしてきたのだ。
ブラは背中にオイルを塗ってもらうために脱いでいたため、今のリアスの胸を守るものは何もない。
そう、丸見えの状態なのだ。
「え…、えっと、ウィス…?」
リアスは困惑し、頬を赤らめる。
何故、こうなった。
何故、今、自分はウィスに抑え込まれているのだ。
顏と顏は今にもくっつきそうで、ウィスの体温と吐息が直に感じられる。
やばい、本当にやばい。
何がとは言わないが。
とにかくやばい。
「どうしました、何をそんなに恥ずかしがっているのですか?」
ウィスはそんな彼女を容赦無く攻め立てる。
そこに情けなど存在しない。
「私はただリアスの要望通りにオイルを塗ろうとしているだけですよ?」
「……そう、前にね。」
「なのに何故、リアスはそう拒んでいるのですか?」
今のリアスにウィスの言葉は入ってこない。
リアスは今や全身がその身を駆け巡る羞恥心で一杯であった。
まるでゆでだこだ。
「ふむ、反応がありませんね。」
「まあ、それでも前はリアスの要望通りに塗らせてもらいますが。」
そして遂にウィスがリアスの肢体にオイルを滴らせながら手を伸ばした刹那……
「きゅう……。」
リアスは気絶した。
見れば顏は蒸気し、意識を飛ばしてしまっていた。
ウィスは意識を飛ばしたリアスにタオルを掛け、立ち上がる。
無論、冗談である。
「男にそう軽々、体を許すものではありませんよ、リアス?」
そう、ウィスはただ貞操観念が低いリアスにお灸を据えただけである。
「朱乃にも前にオイルを塗りましょうか?」
「……いえ、後ろだけ結構ですわ。」
不敵な笑みを浮かべるウィスに対して朱乃はそう答えることしかできかった。
▽△▽△▽△▽△
「ウィスさん、勝負をしましょう。」
リアスをバタンキューさせ、朱乃にもオイルを塗り終えたウィスは今、木場から勝負を挑まれていた。
ウィスは特に断る理由などないため、木場の提案を了承する。
ウィスと木場の審判は黒歌が取り持っている。
周囲にはそんな2人の決闘を見据えようと群がる一誠達の姿が。
そして飛び込み台に並び立ったウィスと木場の両者は……
「よーい……」
「スタートにゃ!」
黒歌の開始の合図と共に勢い良くプールへと飛び込んだ。
綺麗なフォームで両者はプールの中へと飛び込み、彼らは公平な決闘を繰り広げ……
……るはずもなかった。
そう、誰もが予想だにしないことをやり遂げるのがウィスクオリティ。
あのウィスが真面に泳ぐはずなどもなかった。
見ればウィスはプールへと飛び込んだ瞬間に、勢い良く水面上を走り抜けていた。
片方の足が沈む前に、もう片方の足を前へと踏み出すことで、文字通り水面を疾走している。
「ふぁ…!?」
「これは…勝負と言えるのでしょうか?」
「えぇ……。」
「あらあら、これは……。」
「マジかにゃー。」
「卑怯です……。」
「凄いです…!純粋な身体能力だけで……!」
「おお、流石はウィスさん!」
まるで足元に地面があるかのような華麗な走りである。
その歩みに一切の曇りも見られない。
一誠達は誰もが驚愕を隠せない。
ただ一人、ゼノヴィアは感動の声を上げていたが。
こうしてウィスは隣のレーンで泳ぐ木場を余裕で抜き去り、瞬く間に一着でゴールした。
この勝負、ウィスの勝───利!
ウィスの実力は世界一ィィイイ───!
ウィスは無言で天へと勝利のガッツポーズを掲げ、勝利を嚙みしめる。
どこか満足げな表情だ。
「勝ったど─」
「いや、真面目に勝負しましょうよ、ウィスさん。」
どうやら一誠は今のウィスと木場の勝負に納得がいっていないようだ。
だが、そんな彼に敢えて言わせてもらおう。
誰も(泳いで)勝負するとは言ってはいない
こうしてリアス達のプール開きは瞬く間に過ぎ去り、皆が充実した時間を過ごした。
リアスは今なお気絶していたが……
後書き
うーむ、何故かロスヴァイセには敬語で描かないと違和感がある
これって私だけですかね?
そしてウィスの体はドラゴンボール特有の筋肉です
無論、細マッチョと言う奴ですが
感想と評価よろしくお願いします('ω')
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