転生とらぶる
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ペルソナ3
2051話
望月が正体を現した日の翌日の影時間……俺達の姿は、草原にあった。
今まで何度か遊びに来た、東京の外れにある草原。
そこにいるのは、昨日のメンバー……以外に、武治の姿もある。
まぁ、ニュクスなんて存在が明らかになり、同時にその端末的な存在の望月がいるのだ。
影時間の解決に10年前から必死になってきた武治にしてみれば、望月という存在と、その口から説明された事は到底信じられない事だろう。
もっとも……その望月の説明以上に信じられないのが、俺の事だろうが。
ちなみに、望月と戦って壊されたアイギスは、桐条グループの研究所に運ばれて、現在修理中となっている。
「さて……アルマー。こうして皆が集まった事だし、そろそろ説明して欲しい。報告にあったように……」
そこで一旦言葉を切った武治が望月に視線を向けるが、望月はいつものように飄々とした態度を崩す様子もなく、こちらに視線を向けている。
そんな望月の態度に何か思うところはあったのだろうが、それでも不満は口にせず、再び口を開く。
「ニュクスという存在がいて、その存在が目覚めればこの世界は終わる。だが……アルマーならそれをどうにか出来ると、そう言える根拠を」
「そうだな。正直なところ……その辺りの話は、本来ならもう少し前に話しても良かったんじゃないかと思ってる。実際、ゆかりには結構前に話してるんだし」
そう言うと、当然のようにこの場の全員の視線がゆかりに向けられた。
そのゆかりは、微妙に俺に向かって責める視線を送っている。
ここで自分に話の矛先を向けるなと、そう言いたいのだろう。
ゆかりを不機嫌にさせると後で怖いので、今は話を俺の方に戻すとするか。
「幾月の件がなければ、もっと前に話していた筈だ」
「……幾月、か」
俺の言葉に、武治が苦い表情でその名を呟く。
武治にしてみれば、長い間信頼していた部下だったのだ。
その信頼していた部下が、破滅願望に魅入られていたのだから……実は、武治に人を見る目ってのはあまりないのかもしれないな。
もしくは、単純にそれだけ幾月の演技が上手かったのか。
出来れば後者だと思いたいところだが……果たして、どうだろうな。
「ああ。武治にとっては信頼出来る相手だったらしいが、俺は一目会った時から、信じるべき相手ではないという認識を持っていた」
もっとも、俺だって別に人を見る目が武治よりも上だ、などと言うつもりはない。
俺の場合は、自分の判断よりも直感で幾月が気に入らない相手だという風に見抜いたのだが。
人を見る目が勘に頼ってるようでは、それこそ武治の人を見る目がどうこうといった事を言える訳もない。
念動力も、それこそ望月程に危険な相手でなければ反応はしないし。
「……そうか」
自信なさげに呟く武治だったが、まぁ、この辺は色んな人とあった経験の差というのもある。
勿論桐条グループ総帥として働いている武治だけに、決してその経験が少なかったり、未熟であったりといった訳ではない。
ただ、俺の場合は……色々な意味で、濃い人物と会ってきてるからな。
どうしても、その差は大きい筈だ。
「ともあれ……ここまで引っ張って勿体ぶるのも何だな。単刀直入に行こうか。俺は、言ってみれば……この世界の人間じゃない」
「は? それってどういう意味だ?」
単刀直入に言いすぎたのか、順平が理解出来ないといった様子で尋ねてくる。
あー……うん。自分と同じ世界に生きていないとか、そんな風に受け取ったのか?
「文字通りの意味で、別の世界だ。異世界、平行世界。そんな風に言った方が分かりやすいか?」
「……はぁ?」
唖然とした順平に変わってか、今度は真田が理解出来ないといった様子で告げる。
いつもであれば、こういう時は魔法を見せたりして俺が別の世界からやって来たって話を信じさせるんだが、このペルソナ世界ではそうもいかない。
普通に魔法を使っている俺を知ってるからこそ、既に俺の使う魔法について慣れており、俺の言ってる事が真実だという風には思われないのだ。
もっとも、だからこそこうして広い場所にやってきたのだが。
「今まではペルソナとは別の能力だとかそういう風に誤魔化していたが、俺の使っている魔法とかはこの世界のものじゃない。……もっとも、本当にこの世界にペルソナ以外の別の魔法とかがないのかどうかは……正直、分からないけどな」
今までの経験から考えると、この世界にもペルソナ以外のファンタジー的な能力があってもおかしくはないが……まぁ、それは今は関係ないか。
実はこの世界にあるファンタジー系の能力は、ペルソナ能力だけですと言われても、そうおかしな話ではないし。
「ともあれ、今まで俺と一緒に行動してきたお前達に、俺の使っている魔法がこの世界の魔法じゃないとか言われても、すぐには納得出来ない筈だ。そんな訳で……こんな物で、俺がこの世界の人間じゃないというのを、示す事にした」
そう言い、俺が空間倉庫から取り出したのは、ニーズヘッグ。
まぁ、ミロンガ改とかサラマンダーとかでもいいんじゃないかとは思うんだが、あっちはニーズヘッグと違って、完全に科学技術だけで作られている代物なので、影時間には使えないんだよな。
「これは……」
ニーズヘッグの姿を見て、そう呟いたのは誰だったのか。
今まで影時間の件で戦ってきた者にとって、俺が持つ魔法とかは、散々見てきたが故に、それを俺が異世界から来たという証拠だと言われても、とてもではないが信じられないだろう。
だが、ニーズヘッグは……人型機動兵器だけに、とてもではないがこの世界の代物ではないというのを、理解出来る筈だ。
そもそも、この世界で人型機動兵器というのは作られていない。
いやまぁ、アイギスも分類的には人型で機動兵器なんだから、もしかしたらニーズヘッグを見ても納得されないかも? と一瞬思ったが……この様子を見た限り、その心配はいらなさそうだ。
「アルマーが、別の世界の住人だと……そのように言うのか?」
皆がニーズヘッグの姿に目を奪われている中で、武治が何とかそう呟く。
「ああ。そして、俺の正体……って言い方はちょっと違うか。正式な所属という意味では、シャドウミラーという国に所属している。次元の狭間にある世界で、様々な異世界との間に友好的な関係を築いている世界だ」
実質的には友好的というか、支配……とまでは言わないが、それでもシャドウミラーが上位的な国となっているんだが……まぁ、その辺は言わないでおこう。
妙な勘違いをされても困るしな。
それと、俺がシャドウミラーの代表だというのも……取りあえず、今は言わない方がいいか。
今その辺りを話せば、色々と面倒な事になるのは、ほぼ確定だろうし。
「まぁ、そう簡単に信じられないというのも分かる。けど、実際にこの人型機動兵器……ニーズヘッグを見れば、これがだただの張りぼてとかじゃないってのは、すぐに分かるだろ?」
もしかしたら、ミロンガ改やサラマンダーであれば、見ただけでそれが本物だという風には理解出来なかったかもしれない。
だが、ニーズヘッグは宝具化された影響や、グレートグランドマスターキーを内蔵しているという影響から、強い魔力を放つようになっている。
その辺りの事情で影時間の中でも普通に使えるようになっているのだし、ペルソナ使いの面々……いや、武治を入れるとそれ以外の面々であっても、ニーズヘッグをただの玩具として断言するような真似は出来ないだろう。
ぶっちゃけた話、このニーズヘッグこそが俺のペルソナ的な存在と言ってもいいのだろう。……とてもではないが、納得されるとは思えないけど。
まぁ、ペルソナ的な存在として考えれば、やっぱり刈り取る者がそうだと認識されてるのだろう。
「で、アクセル。このロボットがあれば、ニュクスを倒せるんだよな!?」
順平の、期待の込められた視線。
まぁ、最初にニュクスを倒してしまえばいいと言ったのは順平だったんだし、何より順平はチドリとの件もある。
どうしても、このまま死ぬという選択肢を選べる訳もないのだろう。
いや、この場にいる誰であっても、わざわざ自分が死ぬといった選択を選びたいと思う者はいないだろうが。
「そうだな。実際今までにも世界を幾つも破壊してきた邪神、遙か昔……銀河に広大な版図を持っていた、人類の祖先が全滅する原因になった宇宙生物、修羅と呼ばれる戦闘狂の者達の王、遙か昔から地球を守ってきた守護神……そして、そんな連中よりも強敵の天才。そういう化け物染みた連中と、戦って、生き残ってきたのが俺とこの相棒、ニーズヘッグだ。1つの惑星を死滅に至らしめる程度の相手なら、まぁ……楽勝って訳じゃないが、何とかなるだろ」
「マジかよ」
俺の説明に、出て来たのは順平のその一言だけ。
だが、そんな順平の一言こそが、俺の言葉に真実味を与えていたのは間違いない。
……普通なら、邪神やらなにやらを倒してきたと言われて、はいそうですかと納得する方が難しいか。
それでも俺の言葉を冗談や妄想の類ではないと言われないのは、ニーズヘッグがそれだけの説得力を持たせているからだろう。
「それを信じるかどうかは、お前達次第だな。何も、俺の言葉を無理に信じろとは言わないよ」
「……1つ聞きたい」
順平を含めた面々にそう言ったところ、武治が口を開く。
「何だ?」
「アルマーのいる世界……その世界は、様々な世界と自由に行き来している。そのような認識でいいのだな?」
「そうだな、それで問題ない」
「ならば……ニュクスが目覚める前に、その世界にどれだけの人数を避難させる事が出来る?」
そう言ってくる武治の視線は、至極真面目なものだ。
冗談でも何でもなく、俺にそう言ってるのは間違いない。
「そうだな。ホワイトスター……俺達シャドウミラーの本拠地や、それこそシャドウミラーと繋がっている世界は幾つもあるから、それらを考えれば、受け入れるというだけなら、全く問題なく受け入れることが可能だ。最悪、ネギま世界やナデシコ世界……ああ、これは異世界の名前だな。その世界では、火星のテラフォーミングが完了したり、完了しつつあったりして、移住するのも不可能じゃないし」
そんな俺の言葉に、武治の表情に一縷の希望が宿る。
まぁ、この世界が駄目になっても、避難する場所があるというのは朗報だろう。
もっとも、だからといってこの世界の人間全員を避難させるような時間的な余裕はないし、何より……
「ただ、今の状況でそのような真似をするのは不可能だ」
「何故だ?」
この時、怒鳴るのではなく表面上だけでも落ち着いて俺に聞いてくるのは、武治の能力の高さを示していた。
もしこれがその辺に幾らでもいる普通の人間であれば、何故ここでそのような事を言う! と怒鳴りつけていたのは間違いない。
実際、順平や真田は何かを叫びそうになっていたのだから。
それでも実際に叫ばなかったのは、武治が叫ぶ前に口を開いたからというのも大きいが、同時に今の状況で喋っていいのは俺と武治だけだと、本能で認識していたのだろう。
「簡単な話だ。現在、俺はホワイトスターと連絡を取る方法がない。本来ならどこの世界にいても、次元の狭間に存在するホワイトスターとは連絡が取れる」
次元の狭間という言葉に一瞬反応したのが何人かいたが、それでも今の状況で口を挟んでくるような事はない。
「本来なら?」
「ああ。本来なら、だ」
確認するように尋ねる武治に、頷きながら言葉を返す。
「恐らく、影時間の影響なんだろうな。もっとも、俺がこの世界……ペルソナ世界に来たのも、かなりイレギュラーな事態だったから、それが関係している可能性も否定は出来ないが」
「つまり、今はそのホワイトスターと連絡が取れない、と?」
「そうなる。影時間が解決すれば、この世界にもゲート……簡単に言えば、ホワイトスターと自由に行き来が出来るようになる転移装置だが、それを設置出来るんだけどな」
「そう、か。……だが、その話を聞く限りでは、アルマーだけでニュクスを相手にしても、勝てるかどうかは微妙じゃないのか?」
「その辺は信じてくれとしか言えないな。そもそも、この世界の人間では絶対に勝てないという相手に、俺なら勝てる可能性がある。それだけでも、何もない時よりは十分マシじゃないか?」
ニュクスというのにこの世界の人間が勝てないのなら、原作の世界ではどうやってニュクスを倒したんだろうな。
有里が主人公である以上、恐らく……本当に恐らくだが、ペルソナチェンジの能力を使って、どうにかしたんだと思うが。
「さて、そんな訳で……どうだ? 俺がニュクスを倒せるとすれば、全て解決じゃないか?」
取りあえず、そう望月に尋ねるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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