異世界にやってきた俺は、チート能力を駆使して全力でスローライフを楽しむ!
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逃げ切るための今後の予定
こうして俺は騎士団の人達に誘われるようにして、昼食を食べに行くことになってしまった。
誘われたのを断り切れなかったのと、やはり美味しいものと言われると食べに行きたくなってしまったからだ。
やってきた場所は、とんかつのような揚げ物のお店だった。
程よい揚げ具合のその謎肉は、かむと肉汁があふれる柔らかい仕上がりで非常に美味だ。
また来たいとも思える味だった。
食事の話などで盛り上がったりしつつ楽しい昼食会を終えた俺だが、彼らと別れて何かがおかしいと気づく。
なんだろうと俺は思ってそこで気づいた。
「……明日は日雇いの仕事であの水を作る所に行く約束をしてしまった」
そもそも湖があのレオノーラたちによって、すでに回復の兆しを見せていることだろうが、一気に回復させるとなると、濁流になって川が増水したりとあまりよろしくないことになるのかもしれない。
だからしばらくは、水を生み出す仕事はなくならないのかもしれない。
とはいえ、さきほどの状況を思い出して俺は、頭を抱えたくなった。
「話をしているうちに断れない雰囲気が作られた気がする。いや、変わった話も聞けて楽しかったが、いや、これはないだろう」
そう呟きながらも、年を取っている分俺のような若者を巻き込む手腕が、あの隊長にはあるのかもしれない。
やられたと思った俺だが、
「……明日一日くらいなら、何とかなるだろう。そうしたらこの町を出よう。……念のため、今日の宿は変えよう。どこに行こうか」
俺はそう呟いて、その場から移動を開始する。
まずは今日の宿だ。
外に値段の書かれた看板が置かれているため、見やすいといえば見やすいのだけれど、
「立地条件などを考えるとあの宿のお値段は安くて質がいい……どうするか……だがこれもスローライフの先行投資だと思ってあきらめるか? それとも、一日くらいなら同じ宿に泊まって、明日は働いて給料をもらってから、そのまま他の町に移動するか。事前にこの世界の地図を買っておこう」
俺はそう決めて、必要なものをそろえに商店街を歩き始めたのだった。
必要なものをそろえた俺は宿に戻った。
後は、部屋で今日はごろごろすると決める。
「明日からまた他の町に移動して、そこでギルドで稼ぎつつよさそうな家を探す。他に生活基盤がある程度整ってからスローライフと同時に、俺が元の世界に戻れないようにされている魔法も解かないといけないのか。……変に知恵の輪のような状態になっていて解けない。……解析をして解いていく方法もあるが、一度正規の方法で解くとこの魔法はもう俺には使えなくなるようなんだ」
そう呟いて俺は、その正規の方法を使えば再度呼び出されたときはこれと同じ魔法で拘束されないと考える。
面倒だが、地道に解いていった方がこれからの事も考えるとよさそうではある。
嫌な方法を考え付く女神だと俺は思いながらも、キスをされたことを思い出すと自然と許せてしまいそうな……。
「俺、そこまで女の子には弱くなかったはずなんだけれどな。それとも俺がそう思っているだけだったのか?」
俺は再び頭を抱えそうになってそこで、宿の俺の部屋が勢い良く開いたのだった。
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