マイ「艦これ」「みほ3ん」
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EX回:第55話(改2.0)<お節介な助け船>
前書き
艦娘たちの自由時間後の行動を伝達し各艦娘たちの予定を確認する司令。しかし自分自身の行動予定が未定で右往左往する。
「じゃ司令! ほらっ、早く。行きますよぉ」
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マイ「艦これ」「みほちん」(第3部)
EX回:第55話(改2.0)<お節介な助け船>
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私は時計を見た。
いま15:30で、18:30までは自由時間だ。
改めて寛代に言った。
「全体に18:30の5分前には会議室に集合するよう伝達してくれ」
「……」
黙って頷いた彼女はブツブツと通信を始める。
私は付け加えた。
「それまでは各自、何しても自由だが移動が伴う場合は予めどこへ行くのか必ず一報を入れるように」
チラッとこちらを見ながら寛代は続ける。
数分と経たないうちに次々と艦娘たちの報告が戻ってきた。
寛代が応対していたが直ぐに祥高さんが逐一横でメモをしてくれた。
(こういうとき無線装備の艦娘は便利だなぁ)
つくづく思う。
秘書艦がまとめてくれた状況によると以下の通り。
1)金剛姉妹たちと龍田ペア、夕立は海水浴。
2)伊勢と日向は海岸通りを散歩。
3)赤城さんと夕張さんは市場で買物をして戻る。
4)青葉さんは市場とか海岸周辺の艦娘を取材兼状況報告。時間があったら歴史遺産取材。
5)祥高さんは寛代と買物。
「え?」
5番目の項目を見た私は秘書艦を振り返った。
祥高さんは応える。
「私たちも予定を立てました」
「ああ、そうか」
別に否定する理由もない。
そういえば祥高さんは艦娘たちに、きちんとお小遣いも配っていた。
さすが抜かりが無い。
(……あれ? 私は貰ってないぞ)
まぁ良いか。
「司令は今後どうされますか」
秘書艦の問い掛けに私は少し考えて応えた。
「私はインカム装着しながら適当に巡回ってところだな」
「分かりました」
「まあ2、3時間なんて、あっという間だろう」
「そうですね」
祥高さんもメモをしまう。
私はインカムを調整しながら言った。
「今夜の夕食はブルネイ提督が慰労をかねて食事に招待してくれるらしいな」
「はい」
私はふと思いついて寛代に言った。
「そのことも艦娘たちに通知してくれ」
「……」
相変わらず無言で頷く。
秘書艦が言った。
「ブルネイの提督が料理を?」
私は笑った。
「別に彼自身が調理するわけではなさそうだ。さすがに現代に『Bar』はまだない」
冗談が通じなかったのか祥高さんはキョトンとしてた。
私は誤魔化すように苦笑した。
「何事も、ご褒美は必要だな」
そこでやっと理解したのか彼女は少し微笑んだ。
「そうですね……では、これをどうぞ」
秘書艦は私に封筒を差し出した。
「経費です」
「あ、そうか」
半分諦めていたけど、やっぱり嬉しかった。
でも内容を改めながら、ふと思った。
(そうか、私のは『経費』になるのか)
思わず監査を連想した。これじゃ自由勝手に使う気にならないな。
「では、確認事項は以上で宜しいでしょうか」
祥高さんの言葉でハッとした。
「そうだね」
彼女は敬礼した。
「では、只今より祥高並びに寛代の2名、無線回線を開いたまま休息に入ります」
寛代も無言で敬礼をしている。
「うむ」
私も敬礼をし互いに鎮守府のロビーで別れる。
「さすがに制服は暑苦しいな」
彼女たちの後ろ姿を見送りながら呟いた。
そこで部屋に戻って緩い格好に着替えた。
「ポロシャツしかないけど」
まあ仕方がない。
窓から見える青空が綺麗だ。
「自由時間なんて想定外だったからな」
再びロビーに降りた私は鎮守府の事務員に聞いた。
「この近くに海水浴場はないのかな」
すると担当の事務官の女性(日本人)は苦笑した。
「この国には、そういう習慣がありません」
「え! そうなのか」
すると隣の男性事務官(日本人)が言う。
「それでも鎮守府の前の国道を15分くらい走れば山の向こうに砂浜はありますよ」
続けて女性。
「鎮守府前の大通りからバスも出てますけどタクシーを捕まえたほうが早いかも知れません」
「バスにタクシーねぇ」
最近乗ってない。オマケにここは外国だ。
兵学校でも習った片言レベルの英語なら多少話せる。
しかし不慣れな土地だ。
(そもそも行った先に艦娘が居なかったらアホみたいだぞ)
私がモソモソしていたら事務官が簡単な観光地図を出してくれた。
「その気になれば歩いても行けなくは無いです」
「ま、マジで?」
思わず反応する。
「気分転換に散歩も良いですよ。ここは暑ささえ気をつければ治安も安定していますから」
「ああ、そう」
それでも私がカウンターで行き先が決まらないで悶々としていたら後ろの現地スタッフが言った。
「ワタシ買い出し行くから山向こうの砂浜、寄りまス」
「はぁ?」
彼は片言の日本語で続けた。
「すぐ、すぐネ」
そこに行けば確実に艦娘がいるのだろうか? 分からない。
私は肩をすくめた。
(寛代たちと一緒に行動していれば艦娘の居場所も簡単に分かったのにな)
失敗した。
艦隊の指揮なら直ぐ出来るんだが私的な行動になると躊躇するものだ。
そこに来たのが青葉さん。
「あれ? 司令、まだ居られたんですか?」
「いや、ちょっと……」
彼女は微笑んで言う。
「何処かへ行かれます?」
「その予定で……」
青葉さんは頷いた。
「じゃあ行きましょう。私も随伴して、よろしいですか?」
「ああ。助かる」
私の何気ない一言に彼女は反応する。
「助かる?」
「いや、べつに」
私は首を振った。
つくづく自分の度胸の無さに嫌気が差す。
(こんなんだから、未だに単身なんだろうな)
……関係ないか。
「なにか仰いました?」
「いや」
「ふーん」
青葉さんは怪訝そうな顔をした。
『行きますか?』
後ろから来たスタッフが英語で言った。
彼女も英語で即答する。
『あ、お願いします!』
そして直ぐに私を振り返る。
「じゃ司令! ほらっ、早く。行きますよぉ」
「ああ」
やっぱり青葉さんはフットワークが軽い。
彼女の好奇心旺盛で、お節介な性格は、こんな時には助かる。
以下魔除け
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後書き
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。
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