オズのトロット
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第六幕その五
「あの国はアンデスの高い場所にあったからね」
「ペルーもそうだけどね」
「メキシコもそうですが」
カルロスはこの国の名前も出しました。
「高い場所に街がありますんで」
「ペルーやメキシコね、とはいってもね」
笑顔でこうカルロスに言ったトロットでした。
「街並みは欧州でね」
「インディオじゃないんですね」
「そうよ、この街はオランダの街だけれど」
「オランダって低い国で」
それでというのです。
「山とか全くないんですよ」
「ローランドみたいなお国だったわね、そういえば」
「はい、あの国は」
「そうだったわね」
「埋立地も多くて」
オランダはというのです。
「それで山はないです」
「ローランドみたいね、ただローランドはね」
今度はこの国のことをお話するトロットでした。
「インディオなのよ」
「あれっ、外の世界じゃ高い場所にあったんですが」
「インカ帝国とかはよね」
「アステカ帝国もです」
「けれどオズの国ではなのよ」
「インディオの人達は低い場所にいるんですか」
不思議そうに言うカルロスでした。
「何か逆ですね」
「オランダが山にあってね」
「インカ帝国が平野にあって」
「外の世界と全く逆のこともオズの国ではあるのよ」
「そういうことですね」
「そうよ、じゃあ明日はね」
「王宮にですね」
「行きましょう、この港からすぐよ」
王宮はというのです。
「だからね」
「明日にですね」
「王宮に着くわ」
出発したその日にというのです。
「山を越えることになるわ」
「そうですか、山ですか」
「高い山だけれど」
それでもというのです。
「道はちゃんとあるから」
「歩くのに困らないですね」
「だから安心してね」
王宮まで行くことはというのです。
「行きましょう」
「トロットさん達もおられるし」
「案内もさせてもらうわね」
是非にというのでした。
「王宮までね」
「宜しくお願いします」
「とても豊かな山ばかりだし」
ハイランドの山々はというのです。
「だからね」
「どの山を見てもですね」
「楽しめる」
「そうなんですね」
「そうよ、ではね」
今からだというのです。
「明日の朝出発よ」
「朝御飯を食べて」
「そしてですね」
「王宮に行くんですね」
「そうするわ」
こう言ってでした、実際にです。
一行はこの日は山の港町で楽しんででした、そうしてから翌朝に朝御飯を食べてそれから出発しました。
するとです、街を出るとすぐに山で五人も言いました。
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