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獣篇Ⅲ

作者:Gabriella
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18 ムッツリに限ってスケベなんだな、マジで。

_「こらァ、…春雨の衣装かァ?」

_「いいえ、華蛇の勢力の服ですわ。作戦は、これを着て遂行されるます。」


今日まで泊まり、船へは明日帰る予定だ。部屋に露天風呂が付いているので、先にお湯を頂きます、と言うと晋助(かれ)は私を後ろから抱き締めた。

_「オレも入らァ。」

とか可愛いことを言うが平然として、
そう、とか言って誤魔化す。


そうこうする内に、一緒に温泉に浸かることになった私たちは、温泉の中でおしゃべりしていた。

_「今回の作戦、オレも参加していいか?」

と、後ろから囁かれる。
そう、後ろから抱き締められているのが今の状況。

_「…いいわ、許可します。www
じゃあねぇ…多分後の方になるわね、実際に参加するのは。」

_「後の方?」

_「ええ。とりあえず今は、華蛇(かのじょ)を誘き出すことを目標に計画を進めているのよ。だから…誘き出してから捕まえる時に晋助(あなた)たちにお願いしようかしら。もちろん、捕まえたあとは、一緒に春雨に行くわよ。」

_「またあの神威(やろう)に会わないかんのかィ。あいつにゃァ、散々エネルギーを取られてやがる。」

_「あらあら、おじいちゃんみたいなこと言っちゃって。wwwでも、本気で嫌なら、私だけで行くわ。
どうする?後で決めといてね。」


あァ。とだけ言って、私をきつく抱き締める。あまりのキツさに振りかえると、欲望に燃えた瞳と目が合う。

_「晋助?…あ、あのぉ…」

風呂から上がろうとせども離してくれないので、力ずくで逃げようとすると、その端正な顔が近づいてきた。
キスをされる。

離してくれるように、彼のいい感じの胸板を叩くと、しばらくしてからやっと解放してくれた。息があがったままだが、必死で言葉を紡ぐ。

_「…へや、行こう?ね?」

と言うと、晋助(かれ)は軽くうなずいて私を抱き抱えたまま布団へ連行した。かすれた低い声で耳元に囁く。

_「明日、立てなくなるくらい愛し尽くしてやるよ。」

とかなんとか言った。
 
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