黄金バット 第二十話 フーマンチュー博士奈良での死闘
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第三章
そうして十二時前にはです、キョンシー達は一人もいなくなっていました。知事さんはそれを見て唸りました。
「皆が力を合わせればか」
「はい、それによってですね」
「あれだけのキョンシー達も退けられる」
「全員消え去りましたね」
「ではこれで」
「後はですね」
「あの博士だけだ」
博士は今も本堂の屋根の上にいる博士を見上げました、キョンシー達は消えても博士は悠然としています。
「とはいってもあの博士もな」
「はい、非常にです」
「強力な相手です」
「あの博士自身をどうにかしないと」
「どうしようもありません」
「そうだ、あと少しで十二時だ」
知事さんは自分の左手の腕時計を見ました、もう十一時四十五分を回っています。本当に十二時まであと少しです。
「今何とかしないと」
「どうしましょう」
「あの博士自体は」
「銃では倒せません」
「ミサイルなんて使っても無傷でしょうし」
「ましてやミサイルなぞ使えば」
自衛隊の人達が既にそうしたものを撃つ用意もしています、お空にはヘリもあります。
「本堂も巻き込んでしまいます」
「ですから迂闊には攻撃出来ません」
「一体どうすればいいでしょうか」
「博士自体は」
皆どうしようかと思っていました、そうこうしているうちに時間ばかりが過ぎていきます。ですが十二時まであと少しとなったところで。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
あの高笑いが聞こえてきました、そして皆がその笑い声がした東大寺の本堂の隣を見るとそこにでした。
黄金バットがいました、マントをたなびかせ両手を自分の腰の横に置いてそのうえで高笑いをしています。
その黄金バットを見てです、皆は言いました。
「黄金バットだ!」
「今回も来てくれたのか!」
「魔人を退けに」
「我々を助けに来てくれたんだ!」
皆その黄金バットを見て思いました、そして黄金バットはです。
先がレイピアの様に尖ったステッキを持って空に舞い上がりました、そうして博士のところに飛んで行ってです。
宝剣を出して迎え撃つ博士と一騎打ちを演じました、一騎打ちは暫く続きましたがそうしているうちにでした。
十二時をとっくに過ぎてしまってです、博士もこのことに気付いて言いました。
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