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オズのトロット

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第五幕その八

 そしてです、奇麗な貝も見えてです。五人は言いました。
「いや、これは」
「何ていうか」
「海の底も何て奇麗なんだろう」
「海の上だけじゃなくて」
「中も一緒に見られるし」
「こうして見られるからね」
 笑顔で言うモジャボロでした。
「本当にいいね」
「まさに幻想だね」
 うっとりとして言ったキャプテンでした。
「これは」
「はい、海の上も中も一緒に見られて」
「後で潜るからね」
「潜るとですね」
「海の中が三百六十度見渡す限りね」
「見られるんですね」
「お魚がそうしているみたいにね」
 まさにというのです。
「それが出来るから」
「それも凄いですね」
「そしてね」
 さらにお話するキャプテンでした。
「夜になるとね」
「夜の海の中をですね」
「見られるよ、今日は確か満月で快晴だしね」
 お空には雲一つありません。
「それでね」
「月明りに照らされた海の中をね」
「見られるんですか」
「そうだよ、夜のね」
「何か嘘みたいですね」
「ははは、だからね」
「その嘘みたいなことが起こるのがオズの国ですね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「だからこのこともね」
「驚くことじゃないですか」
「そうだよ」
「そうですか」
「月明かりに照らされた海の中を見られるなんて」
 トロットもお話を聞いてうっとりとしています。
「本当に素敵だわ」
「トロットも楽しみだね」
「本当にね」
「ではお昼はここで食べて」
「それでよね」
「午後は潜って夕方はまた出てね」
「夕方の海を見ながらよね」
「夕食を食べて」
 そしてというのです。
「夜はね」
「月明かりに照らされた海の中を進む」
「そうしていこうね」
「わかったわ、キャプテンもロマンチックね」
「海の男は多くの人がそうだよ」
「ロマンチストなのね」
「海にはロマンがあるからね」 
 だからだというのです。
「そうなる人が多いんだよ」
「そしてキャプテンもまた」
「そうだよ」
 その通りと答えるのでした。
「ロマンが好きなんだよ」
「そうなのね」
「わしも見るのが楽しみだからね」
 海の中、そして海の上の景色をというのです。
「だからね」
「御飯の後は潜って」
「その中でティータイムも楽しんで」
 そしてというのです。
「夕方はね」
「また海の上に出てディナーを楽しんで」
「夜はね」
「寝るまではよね」
「お風呂に入ったりする間もね」
 モニターのスイッチは入れたままにしてというのです。 
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