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正義派官僚

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第一章

               正義派官僚
 今日本は総理大臣のスキャンダルで揺れていた、テレビも新聞も連日連夜このことで賑わっていた。
 だがネット民は冷静だった、それは東京の高校生柊夏帆も同じだった。大きな楚々とした目にやや儚げな顔立ちと奇麗なピンクの唇が印象的だ。髪の毛は黒髪を首の高さで切り揃えていて背は一六〇程で程よいスタイルをしている。
 その夏帆がスマホでネットを見つつマクドナルドの中でハンバーガーを食べつつ友人達に話していた。
「何かネットもあの話ばかりね」
「かけそばよね」
「その話ばかりよね」
「総理大臣と学校の話」
「そればかりね」
「あれよね」
 首を傾げさせつつ言う夏帆だった。
「文部科学省のね」
「そうそう、あれよね」
「次官の人が告発したのよね」
「浅墓新聞に」
「それからはじまったのよね」
「今のスキャンダルって」
「そうよね、テレビや新聞だと」
 どうかとだ、夏帆はこちらの話をした。
「総理大臣がお友達だからってね」
「大学の獣医学部認可したのよね」
「四国の方に」
「そこに関係があったって」
「そう言うわね」
「それを見て次官の人がね」
 もっと言えば元次官だ、今は退職しているからだ。
「告発したのよね」
「新聞社に」
「それで今大騒ぎになってるのよね」
「そうよね」
「そう聞いてるけれど」
 これがと言うのだった、夏帆はスマホを見ながら首を傾げさせていた。マクドナルドのコーラをストローで少し飲んでから話した。
「何かネットじゃね」
「おかしいって言ってるのね」
「テレビや新聞が言ってることは」
「総理大臣が忖度してたか」
「そのことは」
「そうなのよね、何かネットとマスコミが言ってることが」
 そのそれぞれがというのだ。
「随分と違うわ」
「そうなの」
「それが随分となの」
「違うの」
「それも全くね」
 それこそというのだ。
「違うわ、何かマスコミだとあの次官さんも」
「告発したあの人ね」
「もう正義の告発者になってるわね」
「悪を見過ごせなかった」
「それで勇気を出して総理大臣を告発した」
「そんな人になってるわね」
「それがね」
 ネットではというのだ。
「怪しいって言われてるわ」
「あっ、確かに」
「そうね」
 友人達もここで自分達のスマホを出してネットで調べてみた、すると確かにこの件についてネットではマスコミと違うことを言っていた。
「何かね」
「全然違うこと言ってるわね」
「眠震党の玉金さんがおかしいって」
「実は獣医学会の重鎮の息子で」
「その利権を守ろうとしてるとか」
「そんな話書いてるわね」
「それちゃんと証拠も出てるしね」
 獣医学会の重鎮の息子であることも調べればすぐに出た、夏帆はそれを見てそのうえで友人達にさらに話した。
「調べたらすぐよ」
「出たわね」
「ああ、これ怪しいかも」
「それに次官の人もね」
「調べたらね」
「おかしい話あるみたいね」
「どうにも」
 友人達は首を傾げさせつつネットを調べていった、それはマクドナルドを出て家に戻ってからもだった。 
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