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ドリトル先生と和歌山の海と山

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第五幕その四

「出してるからね」
「うん、そうさせてもらうよ」
「是非共ね」
「美味しそうなのは確かだし」
「それじゃあね」
「そうしてね、美味しいものは一人で楽しむよりもね」
 それよりもというのです。
「皆で楽しんだ方がいいからね」
「特にティーセットはね」
「皆で楽しんだ方がいいね」
「飲んで食べてお喋りして」
「そうしてね」
「これがないとね」
 十時と三時のこれがです。
「僕はどうも駄目だからね」
「そうだよね」
「先生は何といってもティーセットよね」
「お酒も好きだけれど」
「十時と三時にはお茶を飲まないと」
 そしてお菓子を食べるのです。
「先生は駄目だね」
「調子出ないよね」
「毎日そうだよね」
「そうなんだ、だから今もね」
 天守閣を登ってからというのです。
「こうして楽しんでいるよ」
「そうだよね」
「じゃあ楽しんで飲もうね」
「そして食べようね」
「ドイツのお菓子も」
「そうしよう、そして夜はビールかな」
 ドイツと聞いてこれも外せないと思った先生でした。
「それを飲もうかな」
「ビール、いいね」 
 ビールと聞いて笑顔で言ってきた王子でした。
「あのお酒もね」
「そうだね、王子もビール好きだね」
「うん、エールも好きだけれどね」
「ビールもだね」
「そちらも好きだよ」 
 実際にというのです。
「それでビールの時はね」
「ソーセージだね」
「枝豆や冷奴もいいけれどね」
「そこは日本に来てから知ったね」
 ビールと枝豆や冷奴との相性のよさはです。
「そうだよね、僕もだし」
「そうだよ、けれどソーセージはね」
「来日前から知ってるね」
「そうだよ、ビールとソーセージにね」
 それにというのです。
「ジャガイモ、あとベーコンやハムもね」
「素敵な組み合わせだね」
「うん、だからね」
 それでというのです。
「夜はビールならね」
「ソーセージだね」
「そちらを楽しみたいね」
「うん、じゃあ夜はね」
「ソーセージとビールかな」
「それもいいね」
 まんざらでないという先生でした、ですがここでトミーが先生に言ってきました。
「先生、今日から高野山ですよ」
「あっ、和歌山からね」
「はい、ですから」
「それじゃあお昼にしようか」
「お昼にですね」
「和歌山の駅の方まで戻ってね」
 そうしてというのです。
「そのお店に行こうか」
「それで、ですね」
「お昼はドイツ料理にしようか」
「ビールとですね」
「ソーセージ、ドイツ語で言うヴルストを食べてね」
 そうしてというのです。
「皆で楽しもうか。そしてね」
「そうしてですね」
「キャンピングカーでね」
「今日のうちに高野山に入るんですね」
「そうしようか」
 こうトミーに答えました、切られたザッハトルテをお口の中に入れながら。 
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