オズのトロット
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第五幕その一
ギリキンの海へ
一行はギリキンの黄色い煉瓦の道を進んでいきます、そうしつつトロットは五人にこう言いました。
「次の目的地は港街よ」
「ギリキンのですか」
「そう、そこに行ってね」
そのうえでというのです。
「船を借りてね」
「そうしてですね」
「ハイランドとローランドに行くわ」
この二国がある島にというのです。
「そうするわよ」
「そうですか、海に出ますか」
「これまで海に出たことはあるわよね」
オズの国の海にというのです。
「そうよね」
「はい、リンキティンク王の国でも見ましたし」
カルロスはトロットにすぐに答えました。
「人魚の国にも行きました」
「二回位ですね」
恵梨香もトロットにお話します。
「大体」
「オズの国の海に行ったのは」
ナターシャもお話します。
「それ位です」
「ただ、島とかにはです」
オズの国の周りのです、神宝が今言う島は。
「まだ行ってなかったです」
「ですから島に行くとなりますと」
ジョージもトロットにお話しました。
「はじめてですね」
「港町もですね」
カルロスはそうした街自体がと言いました。
「はじめてです」
「そうなのね、だったらね」
トロットは五人のお話を受けて笑顔で説明しました。
「是非ね」
「はい、今回はですね」
「ギリキンの港町に出て」
「そうしてですね」
「そこで船を借りて」
「海に出てですね」
「島に行きましょう、そして船に乗ったら」
ここでキャプテンをにこりと笑って見たトロットでした。
「キャプテンの出番よ」
「久し振りに船に乗るね」
キャプテンもにこにことトロットに応えます。
「そして船長として働くね」
「キャプテンの本領発揮ね」
「全くだ、その時になったら」
言葉に張りきったものが出ています。
「何をしようか」
「何ってもう決まってるでしょ」
トロットはそのキャプテンに笑顔で応えました。
「海でもね」
「楽しむんだね」
「そう、冒険をね」
まさにそれをというのです。
「それは決まっているわ」
「そういうことだね」
「普通の船でもいいし」
「潜水艦でもだね」
「キャプテンは潜水艦の方も乗れるわよね」
「オズの国に来てからね」
キャプテンがオズの国に来るまでは潜水艦も実用化されていませんでした、それでその時はまだそちらの船の船長さんは出来なかったのです。
「それはね」
「そうよね」
「けれど今は」
「潜水艦の船長さんもね」
「出来るよ、まあ厳密には艦長だね」
「潜水『艦』だから」
「そう、艦長になるよ」
言葉の関係でというのです。
「そうなるよ」
「そうね」
「この言葉の違いは中々大事でね」
教授も笑ってお話してきました。
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