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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  2027話

 後夜祭が終わった日の夜……影時間になると、俺の姿はタルタロスにあった。
 もっとも、タルタロスではあっても、シャドウの大勢いるような場所ではなく、エントランスだ。
 そして俺以外にもゆかりやコロマル、そしてS.E.E.Sの面々も揃っている。
 ……そして今までと少し違う点は、その中にチドリの姿もあるという事だろう。
 本来ならもっと違う形にする予定だったのだが、後夜祭の後片付けとか何とかで色々と忙しく、結局全てが終わったのはもう少しで影時間になる頃合いだったという事もあり、こうしてタルタロスのエントランスで色々と解決する事になった。

「今日からS.E.E.Sで活動して貰うチドリだ。近いうちにアクセル達のクラスに転入させると思うので、よろしく頼む」
「……よろしく」

 素っ気なく言うチドリだが、俺を含めてここにいる者達は全員これがチドリの性格なのだと知っている。
 もし何も知らないのであれば、チドリの対応を不快に感じるかもしれないが。

「ふーん。……順平、ちょっと嬉しそうね」

 ゆかりが、チドリのS.E.E.S加入に笑みを浮かべている順平を見て、そう告げる。
 実際、順平の顔に笑みが浮かんでいるのを見れば、そう思うのも当然だろう。
 順平にすれば、決死の逃避行で手に手を取って逃げ出してきた相手だ。
 そういう風に思うのは当然だろう。
 もっとも、チドリの一件がクラスに広がった以上、間違いなく順平も他の面々から嫉妬の視線を向けられる事になるだろうが。
 チドリは服装こそ色々と特殊だが、顔立ちは整ってる。
 それに気が付いた者は、間違いなく多い筈だった。

「チドリのペルソナは、探査を得意としていながら戦闘も可能だという事を考えれば、私のペンテシレアと似たタイプだな。……もっとも、戦闘はともかく、探査能力という点では明らかに私よりも上だが」
「つまり、美鶴と山岸のペルソナを足して2で割った的な?」
「そんな感じだ」

 俺の言葉に、美鶴が頷く。
 ……何故か順平が偉そうにしているのは、どうなんだろうな。
 ともあれ、順平には後でしっかりと話を聞いた方がいいだろう。
 ともあれ……チドリのペルソナが探査型でもあるというのは、こちらにとっては間違いなくプラスの情報だろう。
 チドリが俺達の味方になったという事は、それはつまりタカヤ達から大きな力が抜けた事を意味しているのだから。
 陸軍基地の件でタカヤが俺達よりも先に到着していたのは、間違いなくチドリの能力によるものが大きいだろう。

「ふーん。まぁ、順平の相手は色々と大変だと思うけど、これからよろしくね」

 ゆかりはそう言いながら、笑みと共にチドリに話し掛ける。
 一応ゆかりも今まで何度かチドリと顔を合わせているのだが、今回の件で改めて一緒に戦う仲間だと、そう判断したのだろう。
 もっとも、S.E.E.Sと俺達は同盟関係……と表現するのが相応しい関係ではあるが、それは歴とした別の組織であるという事も示している。
 そういう意味で考えると、チドリと俺達の間にはそこまで深い信頼関係は必要ないともいえる。
 いや、勿論信頼関係があった方がいいのは間違いないので、ゆかりがチドリと友好的に接するのは、俺に取っても大歓迎なのだが。

「ちょっ、待ってくれよゆかりッチ! 相手が大変って、どういう事だよ!」

 ゆかりの言葉を聞いた順平が不満を口にするが、それを聞いたゆかりは冷静に、口を開く。

「何? 言ってもいいの? 言っても構わないなら、それこそ幾らでも詳細に、今まで順平が何をやらかしてきたのかを説明するけど? そうね、まず最初に……」
「あああああああああああああああっ! ちょっと待った! ごめん、俺が悪かった。だからそれは勘弁してくれゆかりッチ!」

 ゆかりが何を言うよりも前に、順平が大騒ぎして止める。
 俺が知ってる限りだと、順平の中で一番恥ずかしいのは……やっぱり、俺に対する嫉妬から反発していた事だろうな。
 うん、正直俺から見ても、それは恥ずかしいと思える。
 しかもそれを解決したのが、ハイレグアーマー。
 ……順平の件を言えば、それは即ち自然とハイレグアーマーの話題になると思うんだが、その辺り本人はどう思ってるんだろうな?
 ともあれ、意外な事にゆかりとチドリの相性が悪くないというのは悪くない話だと思う。
 勿論、相性が良好という訳ではないのだろうが、相性が悪くない事だけでも十分だろう。
 そうしてゆかりとチドリが少し話をしているのを眺めていると、美鶴が俺に話し掛けてくる。

「それで? そちらからも何か報告があるという話だったが?」
「ん? ああ。……ゆかり」

 そう呼ぶと、ゆかりはチドリとの話を中断し、こちらに近づいてくる。

「何?」
「あの件、皆に見せるんだろ?」
「あー……うん。そう言えばそうだったわね。チドリの件があったから、すっかり忘れてたわ」

 そう言えば、といった様子で呟くゆかり。
 そんな俺達の声が聞こえたのだろう。エントランスでそれぞれ好きな行動を取っていた他の面々が、こちらに視線を向けてくる。

「さて、どうやら全員の注目も集まったみたいだし……そろそろいいんじゃないか?」
「そうね。……少し恥ずかしいけど」

 その恥ずかしいというのは、ペルソナが進化したのを見せるのが恥ずかしいのか、それとも何が原因でペルソナが進化したのかを思い出すのが恥ずかしいのか。
 ……多分、後者だろうな。
 何しろ、俺とキスを……それも触れるだけではなく、舌と舌を絡ませるディープなキスをして進化したように見えたのだから。
 もっとも、それを見ていた俺としては、別にあのディープキスで進化したのではなく、母親との一件が強く影響しているんだと思うが。

「ペルソナ!」

 その言葉と共に、ゆかりは召喚器を頭部に当てて引き金を引く。
 ペルソナの召喚という行為自体は、特に驚くような事ではない。
 そもそも、俺以外のここにいる全員がペルソナ使いなのだから。
 だが……召喚されたペルソナを見た瞬間、その場にいる全員が驚愕の表情を浮かべた。
 それこそ、コロマルまでもが驚いた様子を見せているのだから、それを考えれば、どれ程皆が驚いているのかが分かるだろう。
 多分ゆかりのペルソナを初めて見るチドリですら驚いていたのは……ああ、タカヤの指示でこっちの戦闘の様子とかを確認してたのか?
 ともあれ、いつもであれば牛の頭蓋骨に乗ったイオという……この場にいる者の中で最強のペルソナが召喚される筈なのに、召喚されたのは胴体から上だけを持つペルソナ、イシス。
 これで、驚くなという方が無理だろう。

「……これは……? 一体何故このような事に?」

 そんな中で、真っ先に我に返ったようにして呟いたのは、やはり当然のように美鶴だった。

「岳羽のペルソナはイオだった筈だ。それは私も知っている。それなのに、これは……」
「イオ……じゃなくて、今はイシスというらしいぞ」
「……イシス?」
「ああ。ゆかりが元々持っていたイオというペルソナが、進化してイシスになった……と考えれば、分かりやすいと思う」

 進化という言葉に、美鶴は少し不思議そうな表情でイシスを見て、口を開く。

「その、これは本当に進化なのか? 正直なところ、イオの方が迫力があったように思うのだが」

 美鶴のその言葉に、他の者達も頷く。
 まぁ、それは否定出来ない事実だしな。
 少なくても、こうして見る限りでは俺もイオの方が迫力があるだけに、強そうに思えるし。

「美鶴の言いたい事も分かるが、進化した形なのは間違いない。もっとも、今までのような戦い方が出来なくなったから、戦い方は色々と考える必要はあるだろうが」

 その辺りは、これから模索していく事になる筈だ。

「ともあれ、こうしてゆかりのペルソナが進化した以上、お前達のペルソナも進化するという可能性は否定出来ない。それは覚えておいた方がいい」
「進化、か」

 小さく呟いたのは有里だったが……多分、有里の場合はペルソナが進化したりといったことはないと思うぞ?
 そもそも、有里の場合はペルソナチェンジという破格の能力を持っている。
 そうである以上、1つ2つのペルソナが進化しても、特に意味はない筈だし。
 そうなると、もしかして有里が呟いたのは、実は羨ましかったからなのか?

「それで、どうやれば進化をするのだ?」

 美鶴の言葉が向けられたのは、当然の如くゆかり。
 実際にペルソナを進化させた以上、それはおかしな話ではない。ないのだが……
 イオがイシスに進化した時の事を詳細に話す訳にはいかず、薄らと頬を赤く染めると、俺の方に助けを求める視線を向けてくる。
 さて、正直なところどうしたものやら。

「あー……取りあえず、まだ完全に分かってる訳じゃないが、ペルソナってのは自分のもう1つの一面って感じだろ? だから、人間的に成長した……というのが、恐らくペルソナの進化の理由だと思う。まぁ、俺自身はペルソナを使えないから、あくまでもそう思うってだけだけどな」

 こういう時にペルソナに詳しい奴がいれば便利なんだが……幾月は、何だかんだで優秀な人物だったのは間違いないんだろうな。
 ただ、間違いなく何かを企んでいて、タカヤと共に姿を消した以上、当てに出来る筈もないが。

「ふむ、人間的な成長か。もしよければ、岳羽に何があったのか聞いてもいいか?」
「えっと、母さんとちょっと近寄った……かな」

 それも決して間違いではない筈だ。
 もっとも、本当にそうなのかどうかは、分からないな。
 あー……でもああいうキスって意味では、別に今日の件が初めてって訳じゃない以上、恐らく母親の件で間違いないとは思うのだが。

「……そうか。不躾な質問だったな」

 ゆかりと母親の関係が上手くいってないというのは、当然のように美鶴も知っている。
 それだけに、母親の件をこうして聞いてしまったというのは、ゆかりにとって悪い事をしたと、そう思ったのだろう。
 小さく謝る美鶴だったが、そんな美鶴に対してゆかりは首を横に振る。

「気にしないで下さい。今も言った通り、母さんとはちょっと近寄る事が出来たので」

 笑みと共にそう告げたゆかりの様子は、無理をしているようには到底思えず、本気でそう言っているのが理解出来たのだろう。美鶴は安堵したように息を吐く。

「そうか。しかし……そうなると、ちょっと難しくなるな。人間的な成長と言われても、今すぐにはいそうですかといった風には考えられないだろうし」

 その美鶴の言葉に、その場にいた者の多くが頷く。
 実際、人間的な成長と言われて、自分が何をすれば人間的な成長になるのかは分からないというのは、間違いない。
 ……寧ろ、自分が何をすれば人間的な成長になるのかを理解している方が、普通ではない。
 もっとも、何人かは恐らくこれではないか、と思うものがある。
 そういう意味で一番分かりやすいのは、天田だろう。
 天田の場合は復讐という、これ以上ない程に分かりやすい動機がある。
 もっとも、その復讐を遂げる事で人間的な成長になる……というのであれば、恐らく俺は止めるだろうが。
 別に復讐という行為そのものを否定する訳ではない。
 だが、荒垣という人物は俺にとって……そしてシャドウミラーにとって、かなり有用な人物になる可能性が高い。
 ペルソナ使いというのは稀少であり、チドリに使ったのと同じ魔法薬のイクシールを、俺は荒垣に使っている。
 であれば、荒垣には是非その辺りの借りは返して貰いたい。
 で、荒垣の方は……こちらもまた、普通に考えれば天田の母親の件なのだろうが、コロマルのケルベロスと荒垣のカストールは、俺から見ても分かるだけの高い潜在能力を持っているペルソナなんだよな。
 それこそ、他の連中の持つペルソナとは、大きく違うと分かる程に。……複数のペルソナを使う有里は例外としてだが。
 もし荒垣のカストールが進化するとなると、また暴走を心配しなければならなくなる。
 コロマルの方は同じく高い潜在能力があっても、ケルベロスをしっかりと操る事が出来ていたが……荒垣の場合はどうしても力不足になってしまいそうなんだよな。
 以前と比べると、荒垣もかなり強くなってるので、もしかしたらペルソナが進化してもどうにかなる可能性はあるが……ならない可能性もある。
 この辺り、後で美鶴に話をしておいたほうがいいだろうな。

「取りあえず、自己分析をするってのは悪い話じゃねえだろ。もっとも、アキにそんな真似が出来るとは思えねえけどな」
「ああ!? おい、シンジ。それはどういう事だよ!」
「どういうだって? 言わなきゃ分からねえのか?」

 そんな風に仲良く喧嘩をする2人を見ながら、取りあえずそれぞれペルソナが進化する可能性がある事に満足する事にしておく。
 ……取りあえず、俺に大きな借りのある順平には出来るだけ早くペルソナを進化させて欲しいところだけど……さて、いつになるのやら。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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