目目連
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第二章
「気分転換にもなるから」
「廃墟行ってブログに画像アップしてか」
「これがね。結構面白いわよ」
「そんなものか?」
「実験の方が面白くない?」
科学部のつづりはこう思った。
「それよりも」
「いやいや、これが結構面白いから」
「本当に?」
「かつて人が住んでたり賑わっていた場所がこうなるのとか思ってね」
「それでなの」
「面白いから」
「だからちえりちゃん廃墟巡りしてるのね」
何となく納得した顔になったつづりだった。
「そうなのね」
「そうなの。それで今日にもでね」
「そのお家に行くの」
「中どんなのかね」
「変態が棲みついてたらやばくないか?」
ますみはこの危険性を述べた。
「廃墟で誰もいないとかって思ってな」
「それでスタンガンや警棒も持って行ってるから」
「変態が襲い掛かってきたらか」
「撃退出来る様にしてるの。それにね」
「あたしとつづりも一緒だとか」
「心強いしね、三人だとね」
「まあ民家ならね」
つづりはちえりのその話を聞いて今度はこう述べた。
「暴走族とかの溜まり場にもなってないでしょうし」
「というかこの辺りに暴走族いないだろ」
ますみはつづりの心配に答えた。
「ヤクザ屋さんやヤンキーはいてもな」
「ヤンキーの人達の溜まり場になってるとかは」
「それはあるかもな。というか廃墟巡りも危なくないか?」
ますみはかなり心配になってちえりに言った。
「自分何時か痛い目見るかも知れないぞ」
「入ったそこに変な人達がいたりして」
「ああ、そんなことになったら泣くに泣けないぜ」
「ううん、そんなに危ないかしら」
「そう思うから言ってるんだよ」
ますみにしても友達が心配なのだ。
「今な」
「その気持ち嬉しいわ」
「だから止めた方がいいだろ。他の安全な趣味見付けろよ」
「私もそう思うわ」
つづりもますみと同じ考えだった。
「あまり安全と言えないから」
「止めた方がいいだろ。まあ今回はな」
「ええ、今回だけはね」
「付き合うけれどな」
「その民家行きましょう」
ちえりは言いだすと中々聞かない性格なのを知っていてだ、二人も彼女一人を行かせるのは危ないと思いついていくことにした、こうしてだった。
三人で西淀川区にあるその民家に向かった、その途中でつづりは二人に対してこんなことを言った。
「この前八条百貨店に行ったけれど」
「梅田のか?」
「そう、あそこで面白いことやってたのよ」
こうますみに応えて話した。
「九州フェスタね」
「九州か」
「それで博多ラーメンとか売ってたわよ」
「博多ラーメンっていうと豚骨か」
「それよ」
「そうだよな、あたしあのラーメン好きなんだよ」
ますみはちえりに喉をごくりと鳴らしつつ話した。
「だからな」
「行ってみる?」
「ああ、明日まだやってるよな」
「やってるわよ」
「じゃあ行ってみるな」
「私長崎ちゃんぽん好きだから」
つづりも話に入ってきた、三人で夜の住宅街を歩きつつ話をしている。
「明日言ってみるね、私も」
「私も行くわね。鹿児島のお菓子好きだから」
ちえりもちえりで言う。
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