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【完結】猫娘と化した緑谷出久

作者:炎の剣製
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猫娘と雄英体育祭編
  NO.031 終わる雄英体育祭

 
前書き
更新します。 

 



「それではこれより表彰式に移りたいと思います!」

ミッドナイトがそう宣言するが、会場の空気はそんなに盛り上がりを見せなかった。
まぁ、仕方がないといえば仕方がないが決勝戦の内容が内容だけに素直に受け入れられないものが多いという感じである。
飯田が早退をしたために、常闇、出久、爆豪が表彰台に登っているのだが、出久の恰好が色々と酷い。
特に後遺症が残るようなケガはなかったのだが、とにかく爆豪による爆破の火傷がひどいのなんので皮膚を露出していた腕とかには包帯を巻いてあり痛々しさが垣間見える。
本気の勝負なのだからと……解釈すれば、まぁこのケガも勲章物だろうと半分以上のプロヒーロー達は無理やり納得している節もあるのだが、残りのものたちはそれでも麗日戦でもそうだったがもう少し女子に対して紳士的に対応できなかったのかという爆豪への批判が立ち込めていたりする。
だから拍手はあんまり起こっていなかった。
それでもミッドナイトは場の空気より運営を優先して話を進めていく。

「飯田君も本来ならここにいるはずなのですが、お家の事情で早退となりましたのでご承知ください」

そうして司会進行を進めていき、

「それではメダル授与式を行います。当然授与するのはもちろんこの人!」

その瞬間、どこからともなくオールマイトが式場へと飛び出てきて、

「私がメダルを持ってやってk「我らがヒーロー、オールマイトォ!!」……」

オールマイトとミッドナイトの声が被ってしまい、微妙な空気になってしまうのはある意味で様式美である。
だが、オールマイトの登場により少しだけ変な空気は一掃されていった。
そしてオールマイトは咳ばらいをしながらも、メダルを持ちまずは常闇へと渡していく。

「常闇少年、おめでとう! 君は強いな」
「勿体ないお言葉……」
「だが、個性に頼り切りな場面が多かった。これからはもっと地力を鍛えていきなさい。そうすればもっとうまく立ち回ることが出来るだろう」
「御意……」

常闇へのメダル授与が終了して、今度は出久の前へと立つオールマイト。
オールマイトは出久の肩に手を置き、

「緑谷ガール……残念だったな。だが、君は女子ながらに一生懸命頑張った。最後まで諦めないで戦い抜いた。そこを誇りに思いたまえ」
「はい!」
「あと、個人的にはあとでゆっくりと話でもしようか」
「わ、わかりました!」

そのオールマイトと出久のやり取りを聞いて、生徒達やプロヒーロー達で勘のいいものはなんとなくだが出久とオールマイトの関係性を察している物が多くいた。
選手宣誓で出久が話した自身を鍛えてくれた偉大な方というフレーズ……勘違いでなければその偉大な方とはという疑問が出てきたからだ。
それならばたった一年で強くなれるのも頷けるという感想を持ったものも少なからずいた。
そこからオールマイトが師匠という噂話が蔓延する事になるのだが、特に悪い事ではないのでオールマイトもそんなに気にしない方針でいた。
そして最後に1位になった爆豪へとメダルを渡そうとして、

「おめでとう、爆豪少年」
「おう!」
「君の残した結果はかなりのものだ。これからも精進し続けなさい」
「おう! いつか俺はオールマイトを越すヒーローになるぜ! 今回はその通過点に過ぎねぇからな」
「そうかそうか。向上心があるのはいいことだ。だが、一ついいかね?」
「なんだ?」
「そうだね。こう回りくどく言うのもなんだから正直に言わせてもらうけど、もう少し女子に対しての配慮ある立ち回りを今後は実践していった方がいいと思う。気づいていないとは言わせないが、君の評価は結構上がり下がりしているからな」
「女だろうが男だろうが、本気で挑んだ結果だろうが! 俺はデクには態度は変えねぇって決めてんだよ!」
「まぁ、君はそう言うならそれでいいだろう。だが、少しは考えてくれな?」
「わぁーったよ……」

それで渋々頷く爆豪。
それでメダル授与式は終了して閉会式に移行する。
オールマイトは会場中を見渡しながら叫ぶ。

「さぁ!! 今回は彼らだったわけだ!! だが皆さん! この場の誰にもこの(・・)場に立つ可能性があった! ご覧いただいた通りだ! 競い! 高め合い! さらに先へと登っていくその姿! 次世代のヒーローの卵達は確実にその芽を伸ばして成長をして前へと進んでいる!」

そんなオールマイトの言葉でこの雄英体育祭に挑んだ全生徒達は心を震わせる。
そうだ、まだ学校在学中はあと二回チャンスがある。それまでにさらに先へと強くなっていこうという気概を感じられる。
オールマイトは生徒達のその決意の表情を見て満足そうに頷き、

「てな感じで最後に一言!」

来るか!
と、ヒーロー達も生徒達も身構える。
そして、

「皆さんご唱和ください! せーの!!」

「プルス」「プル」「プルスウル」
「お疲れ様でした!!」
「プルス……え!?」「えっ!?」「ええ!?」「それはないでしょオールマイト!?」

と、見事に最後の締めを期待通りにできなかったオールマイトがその後に謝る光景が印象的だったと出久は思った。




終わっていく雄英体育祭でそれぞれ引き上げていくヒーローたちの中で、とある四人組のヒーローが話し合っていた。

「それにしても、彼女は残念だったわね……」
「そうだね。でも、1位になれなかったからと言って私達の評価は変わらないんじゃない?」
「ねこねこねこ……あちきは彼女はぜひ欲しいと思うなぁ」
「彼女の個性は山岳救助の現場にいる人間にとっては喉から手が出るほど欲しい人材だろう……」
「もちろん! サーチはしたわね!?」
「むふふ、当然さ! 彼女の能力は当然全部リサーチは済んであるよ! なかなか面白い能力が豊富だったね」
「後で教えてよ? それでなくても今回見せてくれた各能力は放っては置けないんだから!」
「身軽で高いジャンプ力は度胸もあれば山では絶好の力だろうし、怪力も言わずもがな。炎は冬の山などで遭難者を発見した時に体を温めるのに重宝するだろう」
「そのね! そのね! ほぼすべての猫種と会話できる能力もあるみたいなんだよ!」
「爪の個性も崖などの登りにくいところは真価を発揮しそうだね」
「叫びもなかなか……発見したら大声で知らせることが出来るからな……」
「変化の能力も鍛えればより様々な大きさを自由にできそうだしね」
「にしし! 彼女はぜひうちの事務所に職場体験に来てもらいたいね!」
「そうね。最初は無個性だったって言うんだから色々とそういった人の気持ちも理解できるだろうしね……」
「けど、なんか気になるといえば気になるんだけど……一つだけサーチしても分からなかった力があったよ?」
「本当に……? なにかしら……」
「まぁ、なにはともあれ楽しみだわ」

そんな感じでその四人組はワクワクしながらも会場を後にしていくのであった。






そして教室に戻った一同に相澤はこう言った。

「とにかくお疲れさん。プロの指名とかに関しては休みが開けたら発表するから楽しみにしておけ。
飯田にもあとで電話で伝えておくが……さて、なにがあったのやら」

それを聞いて出久は心の中でインゲニウムの無事を祈っていた。
そのインゲニウムはなんとか助かったのだが、もうヒーローとして戦えない身体になってしまい、飯田の心に闇を落とす事になるのだが……。

そして休みの間に各生徒達は思い直すことはあり、特に轟は母への面会をしに行ったという。




 
 

 
後書き
さて、謎の四人組は誰でしょう……?(白目)
これにて雄英体育祭は終了となります。 
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