転生とらぶる
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ペルソナ3
2024話
ゆかりのペルソナのイオがパワーアップしてイシスになった日の夜……俺とコロマル、ゆかりの2人と1匹は、当然のようにタルタロスにやって来ていた。
「イシス!」
タルタロスの138階で、ゆかりがイシスを召喚する。
「わふっ!?」
そしてイシスを見たコロマルは、当然のように驚愕の鳴き声を上げていた。
いやまぁ、ちょっと前までは牛の頭蓋骨に乗ったペルソナだったのが、上半身――正確には鳩尾から上――しかない天使型のペルソナに姿を変えていたのだから、驚いて当然だろう。
これが有里だったら、それこそペルソナチェンジという恐らくはこの世界の主人公特有の能力によって、幾つものペルソナを使うといった事をしている為に驚きはなかったのだろうが……今回の場合、やはりペルソナを召喚したのがゆかりだというのが大きい。
「やっぱりイオはもう召喚出来ないのか?」
「……ええ、そうね。私の中にいるのが、もう完全にイオからイシスに変わってるわ」
真剣な表情でそう言うゆかりだったが、俺と視線が合うと頬を赤く染める。
恐らく……いや、間違いなく今日の昼間の事を思い出しているのだろう。
「そうか。……それはちょっと残念だったな」
「そうね」
頬を赤くしたままだが、ゆかりは俺の言葉に頷く。
イオが進化してイシスになったという事は、恐らく純粋にイシスの能力はイオの上位互換なのだろう。
だが、イオからイシスになって決定的なまでに劣っている場所がある。
それは……体重。いや、この場合は重量と表現した方が適切か。
イオの場合は巨大な牛の頭蓋骨に乗るといった真似をしていた。
そのため、その重量を活かして体当たりをするというのが、イオにとっては重要な物理攻撃の手段になっていたのだ。
だが、イシスになって牛の頭蓋骨を失ってしまった今、その重量を活かした攻撃は出来ない。
重要な攻撃手段を1つ失ってしまったというのは、非常に痛い。
イオは肉弾戦も可能で攻撃魔法や回復魔法も使えるオールマイティーな……魔法戦士と呼ぶに相応しい存在だった。
だが、イシスになった今では、完全に魔法の専門職になってしまっている。
……一応頭にある2本の角はかなり鋭いし、翼で空を飛ぶ事も可能だ。
そう考えれば、物理攻撃の手段がない訳ではないのだが……どうしたって、イオの時のように頻繁に物理攻撃を使う訳にはいかなくなる。
「これは……戦闘方法、戦術の根本的な見直しが必要になるな」
「そうね」
そういうゆかりの言葉も、若干暗いものがある。
当然か。
今までの戦闘スタイルは、イオを前衛においてゆかりは後方から弓による援護といった形だった。
それが可能だったのは、あくまでもイオが盾役として十分なだけの防御力を持っていたからだ。
勿論前衛という意味では、荒垣やコロマルもいるのだが……後方からの射撃の攻撃をメインにしているゆかりにしてみれば、前衛が多ければ多い程いい。
弓の腕が悪ければ、前衛の多さに誤射をする可能性もある。
だが、何度となく実戦を潜り抜けてきたゆかりの弓の腕は、味方が固まっていても、その隙間を縫うような形で相手を攻撃する事が可能だ。
それが出来なくなった……いや、100%無理という訳じゃないが、それでも前と違って色々と難しくなったのは、ゆかりにとって大きな痛手となるだろう。
ましてや……問題なのは、ゆかりのペルソナのパワーアップはこれが最後なのかという事だ。
せっかくイシスを使った戦闘に慣れたところで、また新たなパワーアップ……という名のペルソナの変更があり、再度戦闘スタイルを変えなければならないような出来事になってしまった場合、それは最悪としか言いようがないだろう。
出来ればそんな事にならないといいが……けど、恐らくペルソナの進化というのは、原作でもあったイベントの筈。
となると、この先はイオでは厳しく、場合によってはイシスでも厳しくなる……そんな可能性は、決して否定出来ないのだ。
「取りあえず、イシスでの戦い方を身につけて行くべきだな。戦っていれば、そのうち慣れてくる可能性もあるだろうし」
「わん!」
俺の言葉に、コロマルがその通り! と鳴き声を上げる。
……今更の話だが、実はコロマルもそのうちペルソナが進化したりするんだろうか。
ただ、そうなると、どういう理由でコロマルのペルソナが進化するのか、かなり気になるな。
まぁ、結局のところゆかりのペルソナが進化した理由も、まだしっかりとは分かってないんだから……うん、その辺りの事情に関しては、取りあえず考えない事にしておいた方がいいだろう。
「そうね。……じゃあ、アクセル、コロマル、協力してくれる?」
ゆかりの言葉に頷き、俺とコロマルはイシスを使った新しい戦い方にしっかりと付き合うのだった。
タルタロスでゆかりと共に訓練をした翌日……当然の事ながら、1日でゆかりがイシスを完全に使いこなせる筈もなく、試行錯誤が殆どで終わった日の翌日だったが、今日は日曜……つまり、月光祭の2日目となるので、当然のように鉄板焼きの屋台は通常運営だった。
いや、並んでいる客の数は明らかに昨日よりも多く、それこそ倍近いのではないかと思える程だ。
「何だって今日はこんなに忙しいんだ!?」
「どうやら、昨日の客が色々と話を広めてくれたらしいぞ!」
俺の言葉に、順平が悲鳴の如き声で答える。
料理をする俺も忙しいが、客の注文を聞き、料金を貰って釣りを払い、それをきちんとメモしなければならないレジ担当……いや、レジカウンターを使わずに手作業で計算とかしてるのを思えば、レジ担当という表現が正しいのかどうかは分からないが、ともあれ順平もかなり忙しいらしい。
当然のように、この鉄板は広い事もあって俺以外にも調理をする為のメンバーは何人もいる。
それだけの人数がいても、全く間に合う様子がないのだ。
……うん、本当に色んな意味で客が多いな。
もうちょっと料理の値段を高くするべきだったか?
ステーキとか、そういうのも500円で売ってるってのは、やっぱり食べ盛りの客にしてみれば、絶対に買うべき値段なのだろう。
もっとも、それを売る方にしてみれば、ちょっと洒落にならない忙しさなのは間違いないが。
だからといって、今の時点でいきなり値上げなんて真似をしようものなら、間違いなくクレームの嵐が来る。
だが、それでも……このままだと、俺はともかく他の面子の体力が限界を迎える可能性が高い。
いや、それよりも材料が全てなくなる方が先か?
ともあれ、俺達は必死になって各種鉄板焼きを作っていくのだった。
「はい、これで材料は全部なくなりましたので、鉄板焼き終了でーす!」
友近が、まだ並んでいる客に向かってそう叫ぶ。
当然ながら、そう言われた客達は不満そうだったが、そもそも用意した食材が全てなくなってしまえば、それはもうどうしようもない。
……実際には、まだ俺の空間倉庫の中には色々な食材が入っていたりするんだが……まさか、ここでそれを取り出す訳にもいかないだろうし。
ましてや、ずっと調理し続けで俺も疲れた。
体力的にはまだ十分に余裕があるが、精神的にな。
そんな訳で、まだ昼をちょっとすぎたくらいだが……2-Fの模擬店は完売となる。
昼だからこそ、焼きそばやら何やらを求めて多くの客が来ていたってのもあるんだろうな。
「お疲れさん」
友近と共に列の整理をしていた宮本が、そう言いながら俺に缶の紅茶を渡してくる。
普段の会話から、俺がコーヒー派ではなく紅茶派だというのが分かっていたのだろう。
「悪いな」
「いや、調理の方は色々と任せっきりだったからな。これくらいの事はさせてくれ」
そう言い、宮本に俺は笑みを浮かべ……
「なああああああああああああああああっ!?」
不意に聞こえてきたそんな声に、俺と宮本は反射的にそちらに視線を向ける。
何かトラブルでもあったのかと思い、声のした方を見ると……そこには、順平の姿があった。
当然ながら、今の叫び声は俺達だけではなく、周囲にいる者達全員に聞こえており、順平はそんな者達の視線をじっと向けられている。
だが、順平本人はそんな周囲の視線を全く気にしている様子がない。
何だ? と思って順平の視線を追うと……
「あー……なるほど。これは順平も驚くか」
その視線の先にいる人物……ゴスロリの服に身を包んだチドリの姿を見て、納得する。
本来であれば、辰巳記念病院で入院していた筈のチドリ。
もっとも、制御剤による副作用に関しては、イクシールでほぼ全快に近い形になっていた筈だった。
そう考えれば、チドリが普通にここにいるのは、そこまで驚く事でもない……のか?
ともあれ、チドリのゴスロリっぽい服装は、普通なら当然目立つ。
だが、今は月光祭が開かれており、当然のようにコスプレをしている者もいるので、チドリもそこまで目立つような事はない。
それでも、服装以外のところでチドリは目立っていたが。
何だかんだと、チドリの顔立ちは整っている。
多少好みはあるだろうが、それでも間違いなく美人と呼んでも間違いはない。
そんな人物がいれば、当然のように人の注目を浴びるのも当然だった。
特にチドリは、月光館学園の生徒にとっては見知らぬ人物だ。
そうである以上、純粋に知名度という意味ではどうしてもチドリの方が低い。
つまり、チドリを初めて見る者の方が多く、月光館学園の生徒達の視線がチドリに集まってもおかしくはない。
「チ、チ、チ、チ……」
驚きのあまりだろう。順平はろくにチドリの名前を口にする事が出来ない。
その気持ちも分からないではないが……いつまでもこのままって訳にもいかないだろう。
缶紅茶の表面についている雫を指ですくい、そのまま飛ばす。
真っ直ぐに飛んだその雫は、当然のように順平の顔に当たった。
「わひゃあっ!」
周囲にいる者達にしてみれば、いきなり順平が妙な悲鳴を上げたように聞こえたのだろう。
妙な相手を見るような視線が向けられ……それでようやく順平も我に返る。
当然のように、それが誰の仕業なのかが分かった順平は、一瞬俺に視線を向けるも……それでも、すぐにチドリを向き、口を開く。
「えっと、なんでここにいるんだ? 病院の方はもういいのか?」
「うん。美鶴にいいって言われた」
「……桐条先輩に?」
「うん。シャドウ……」
「わああああああああああああっ! は、話! 話は離れた場所でするから。な? ちょっと待っててくれ。アクセル、悪いけど俺は抜ける!」
そう言ってくる順平に、軽く手を振る。
そして順平は有里とアイギスに目配せをすると、一緒にその場を離れていく。
……浮き世離れしている性格をしているとは思っていたが、まさかこんな人前で堂々とシャドウという単語を口にするとは思わなかったな。
もっとも、実際にシャドウ関係について話しても、それこそゲームか何かの話だと判断される可能性が高いだろうけど。
ともあれ、チドリがここにいるのは美鶴の手回しのおかげらしい。
だが、あれだけ影時間について真剣に悩んでいた美鶴だ。それこそ親切心だけでそのような事を口にするとは、到底思えない。
そうなると、最初に考えられるのは……やっぱりチドリをS.E.E.Sに引き入れたという事か?
実際ペルソナも使えるらしいし、そう考えればチドリを戦力として欲しても不思議ではない。
チドリの方も、自分と一番仲の良い順平がいるS.E.E.Sに入るかと言われれば、そう抵抗なく入れるだろう。
犯罪歴とかそういうのがどうなってるのかは分からないが……まぁ、異世界の人間である俺の戸籍すらあっさり用意するだけの力があるんだから、その辺は問題ないのだろう。
そうなると、残る問題は……
視線を屋台の周囲に向ける。
そこでは、ほぼ全員が説明を求める視線を俺に向けていた。
普段恋愛沙汰とかに殆ど興味を持たない宮本までもが、俺を見ている。
もっとも宮本の場合は、順平と同じ剣道部だからこそ、気になっているというのもあるんだろうが。
「えっと……今の女は誰なのか、聞いてもいいか?」
そう言ってきたのは、友近。
こちらは順平と友達なだけに……というのもあるが、それ以上に好奇心の方が勝っているといった感じか。
夏休みに痛い目に遭ったばかりだというのに……いや、だからこそ自分の事じゃなくて他人の事が気になるのか?
ともあれ、2-Fのクラスにとって、順平はクラスのムードメーカーではあっても、決して女にモテるようなタイプではない。
それだけに、どうしてもその辺が気になるといったところか。
さて、何て説明したらいいんだろうな。取りあえず言える事は……
「あの女の名前はチドリ。言ってみれば……順平の恋人最有力候補って事か」
『ええええええええええええええええええええええええ!?』
クラスの連中だけではなく、近くで話を聞いていた他のクラスの連中までもが、驚愕の声を上げる。
うん、まぁ……シャドウとかに関しては言えない以上、取りあえずそう誤魔化しておいた方がいいって事で、順平には頑張ってもらうとしようか。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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