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蒼穹のカンヘル

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四枚目

今現在俺と姉さんはグザファンの案内でグリゴリ本部を歩いている。

コンコン…

「サハリエルー居るか?」

まずはトイレノックやめてやれよちゃんと三回叩けよ。

「誰なのだ?おやグザファンなのだ。
どうしたのだ?」

あ、さっきの研究員だ、変な喋り方だな…

あれ?たしか原作にも出てきたような…

「アザゼルがさっきの件でシェムハザに呼び出されてな。
アタシがこいつらの面倒見てんのさ」

「分かったのだ。見学なのだ?」

「どうするお前ら?コイツの研究室見学するか?」

何の研究だろうか?アザゼルが言ってたから神器では無いとおもうが…

「僕は基本的に月そのものやそれに付随する術式を研究しているのだ」

月………面白そうだな

「見学したいです。面白そうなので」

「篝が言うなら私も」

「決定なのだ、早く入るのだ」

そう言われて入った研究室は結構普通だった。

「ここは僕の執務室兼研究室なのだ。
実験室が別にあってここは資料室なのだ」

「じゃぁアタシはそこで寝てるから」

グザファンはソファーに横になって眠り始めた…

「何か面白い物は有りますか?」

「ん~ぶっちゃけ余りないのだ。
ところで二人は魔法とかに興味があるのだ?」

「はい、ありますわ」

「あるよー」

「なら魔法の基本を教えるのだ」

マジで!堕天使幹部から直々に教えてもらえるなんて!

「やった!」

「すごい喜びようですね」

「まずは魔法と魔力、光力、聖力の違いを説明するのだ。
魔力はイメージのみで創る物で悪魔の技なのだ。
そして光力は堕天使の、聖力は天使の技でこの3つは才能が物を言うのだ。
逆に魔法は法則を理解してあやつるのだ」

父さん曰く、魔力とは天使だった悪魔達が『聖』と『光』を捨てた結果らしい。

同じく光力とは堕天使が『聖』を捨てた結果との事だ。

「そうなんですか」

姉さんは知らなかったようだ。

「人間は基本的に魔力は扱えないのだ。
人間が使うのは大抵は悪魔の魔力を模倣した物なのだ」

「へ~」

「でも君達は多分習わなくても雷を操れると思うのだ」

「雷…ですか?」

父さんが雷光の堕天使だしね。

「そうなのだ、バラキエルは雷光を操れるのだ。
だから二人も使えるはずなのだ。
試しにやってみるといいのだ」

いいのか?こんなところで…

「こんなところでやっていいの?」

「別に構わないのだ。
ここの資料は全て術式で保護してあるのだ」

なら遠慮なく…

「どんなイメージでやるの?」

「多分掌の上に雷をイメージすればいいのだ」

掌の上に雷…

パチッパチッパチッ

お?なんか出たぞ!

でもさっきみたいになったら面倒だしここら辺で…

姉さんも出せたみたいだ。

「できたー!」

「できましたわ」

「じゃぁ次はその雷を球にしてみるのだ」

球…球ねぇ…雷が球になるイメージ……ダメだ、丸まらねぇ…

螺旋丸みたいに回してみよう…

雷が回りながら球になるイメージ……

くるくると回る雷が、やがて球体になった。

できた!

「お~弟君は優秀なのだ」

姉さんは…苦戦してるな。

「姉さん、雷を回しながら丸めるんだよ」

とアドバイスをしたら姉さんも結構あっさりとできていた。

「お姉ちゃんの方もできたのだ。
次はお待ちかねの魔法なのだ」

よっしゃ!きた!

「とはいえ二人は純粋な人間じゃなくて堕天使とのハーフだから簡単な魔法なら陣や詠唱なしでイメージでなんとかなるのだ。
どっちかというと光力を使うことになるのだ」

マジか。

「試しに指先に火を灯すイメージをしてみるのだ」

指先に火…指先に火…お、出た、でもショボい…

「うんうん、それでいいのだ、二人は火とはどういう現象か理解してるのだ?」

「物が燃える…でしょうか?」

「アホかお前、五歳と六歳のガキが知るわけねーだろ」

あ、グザファン起きてたんだ

「それもそうなのだ、燃焼じゃなくて炎その物は…たしかハイスクールの内容なのだ」

「焔はプラズマ…イオンでしょ?」

「おぉ…最近の幼稚園児は進んでるのだ…」

気体分子を引き裂くイメージ。

要するに魔法科高校の『ムスペルヘイム』の理屈だ。

「お?弟君の火がおっきくなってるのだ、何をイメージしたのだ?」

「気体分子を引き裂くイメージを」

こんな回答でいいよね?

「君が子供だと思えないのだ…
それと炎ならグザファンが詳しいのだ。
彼女は炉の管理人なのだ」

「アタシは特にイメージなんてしてないよ」

イメージ無しで出せる…権能ってことか…

「じゃぁとりあえず、今から基本の光力の使い方を教えるのだ」

トン、トン、と俺と姉さんの前に一つずつ水の入ったコップが置かれた。

「試しに凍らせてみるのだ」

あ、原作でイッセーとアーシアがやってたやつだ。

悪魔も堕天使も基本は一緒ってことか?

氷らせる、温度を下げるイメージで……

ダメか…なら…停止するイメージでやってみるか…

パキパキパキ…お、凍った。

姉さんもできたみたいだ。

「じゃぁ次は…」

そんなカンジで俺と姉さんはサハリエルから光力の扱いを学んだ…

頑張ったらドレスブレ…いや、なんでもない。

ぴーぴーぴーぴー

ん?端末の呼び出し音?

「グザファンだ、アザゼルか?………なんだお前か…………ああ……………そうだが……………それで?……………分かった、あ、バラキエルは?…………ああ、なるほど………そろそろ終わってんじゃね?………はいはい……………サハリエルの執務室だ…………分かった」

誰からだ?アザゼルからではないようだが…

「誰からなのだ?」

サハリエルの問にグザファンは…

「シェムハザから。おい二人とも、アザゼルの説教が済んだらしい。
直ぐに来ると言ってるから待ってろ。
じゃぁな」

と言って何処かに転移していった…

「逃げたのだ…まぁ直ぐにアザゼルが来ると思うから心配は要らないのだ」

ヴォン…と音がして魔方陣が展開され現れたのは…

「よう…待たせたな篝……お前の神器を…確かめにいくぞ……」

物凄く疲れた顔をしたアザゼルだった。
 
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