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レーヴァティン

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第五十話 今度は南へその九

「特に二日酔いに」
「だからな」
「こうしてね」
 まさにというのだ。
「お酒を抜いて」
「それからな」
「身体を奇麗にして」
 そうしてというのだ。
「それからね」
「ああ、動くことになってるな」
「そうだよね」
「ったくよ、何でこうなるんだろうな」
 街で飲んだ時はというのだ。
「よくな」
「飲み過ぎだからだよ」
 淳二は笑って言ったが実は二日酔いの頭の痛みが湯で急激になくなっていっていることを感じていた。
「やっぱりね」
「夜にか」
「おいらもだけれどね」
「美味いものを食うとな」
「どうしてもだね」
「飲むからな」
 それでというのだ。
「どうしてもな」
「二日酔いになるんだね」
「それでだな」
 答えはもうわかっていた、久志達にしても。
「俺達はよく朝に風呂に入ってるんだな」
「そういうからくりだよ」
「からくりっていうか展開か」
「もっと言うとそっちだね」
「そういうことか、しかしな」
「二日酔いにはやっぱりね」
「風呂だよ」
 その解決にはというのだ。
「もう思いきり汗をかいてな」
「それでだね」
「酒を抜くべきなんだよ」
「酒を飲んでそのまま入るとな」 
 その場合については芳直が話した。
「自殺行為だけれどな」
「心臓に思いきり悪いからな」
「冗談抜きで心臓麻痺にもなるぜ」
 心臓に負担がかかり過ぎてだ、実際に飲酒の後で入浴をしてそれで死に至った者は結構存在している。
「だからな」
「酒を飲んだらな」
「すぐには入らないでな」
「今の俺達みたいにか」
「入るのがいいんだよ」
 翌朝なり時間を開けてからというのだ。
「特に大酒飲んだ時はな」
「俺達は全員大酒飲みだしな」
「だったら余計にだな」
「酒を飲んだらか」
「時間を開けてな」
「飲むべきか」
「それが健康にいいんだよ、バイキングの頭も言ってたんだよ」
 久志達も知っているあの彼がというのだ、既に彼等の記憶の中では懐かしい人物になろうとしていた。
「酒は飲んだらな」
「風呂にはすぐに入らないでか」
「時間を置いて入れってな」
「それで酒は抜け、か」
「頭も風呂好きで酒好きでな」
 自分達と同じくというのだ。
「それでな」
「風呂の入り方には気をつけてるか」
「そうなんだよ、それで俺っちもだよ」
 芳直自身もというのだ。
「酒を飲んでもな」
「時間を置いてか」
「それで入る様にしているさ」
「じゃあ朝に入るのはか」
「朝風呂はどうとか言ってもな」
 日本でよく言われる言葉だ、朝寝朝酒と並んで道楽者の行いだと言って古来より戒められていることだ。 
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