ドリトル先生と和歌山の海と山
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第三幕その六
「吉宗さんは本当にね」
「偉大な人だっていうんだね」
「そう、色々と善政を行ったけれど」
「その中でも特にね」
「人をお腹一杯にする」
「このことは本当に大事だからね」
「じゃあ先生が思う吉宗さんの最大の功績は」
王子はあえて先生に尋ねました。
「薩摩芋かな」
「青木昆陽さんのお話を受け入れてね」
「それになるんだ」
「幕府を立て直して民生にも尽くしたけれど」
「その中でも特になんだ」
「だって人は食べないと生きられないからね」
このことは絶対だからというのです。
「そこはね」
「ポイント高いね」
「うん、そう考えるとやっぱりね」
何といってもというのです。
「吉宗さんの最大の功績はね」
「薩摩芋と白砂糖なんだ」
「この二つだろうね」
「何かその視点面白いね」
「吉宗さんの最大の功績がこの二つだっていうのは」
「そう、とてもね」
「そうかもね、けれど本当に薩摩芋やお砂糖を広めたからね」
吉宗さんがそうした政治を行ったからだというのです。
「日本人は薩摩芋を沢山食べてその分お腹が膨れたしね」
「栄養もあるしね」
「そう、そしてね」
「お砂糖でだね」
「お菓子をより甘く沢山食べられる様になったからね」
お菓子の種類も増えてです、これまで餡子等位しか甘い要素がなかったのですがそれが変わったというのです。
「このことも大きいよ」
「今僕達が食べている和菓子達にもお砂糖が入っているしね」
「当然の如くね」
「そう思うと先生の言う通りだね」
王子も納得しました、そしてまたお団子を食べて言いました。
「このお団子にもお砂糖が入っているしね」
「だからね」
「吉宗さんのその功績を忘れない」
「そうしていこうね」
こうしたことをお話してそしてでした。
先生達は三時のティータイムを楽しみました、そうしつつ車での和歌山への旅を楽しむのでした。車は神戸から大阪を縦断してです。
和歌山に入りました、すると右手に和歌山の海が見えてそれで動物の皆も笑顔になって先生に言いました。
「先生、海だよ」
「海が見えてきたわよ」
「和歌山の海がね」
「見えてきたわよ」
「うん、そうだね」
先生もその海を見て笑顔になります。
「見えてきたね」
「そうだよね」
「海が見えてきたからね」
「和歌山に来たって思えたね」
「目的地に来たって」
「そうだね、神戸や大阪も海はあるけれどね」
どちらの街も海に面しています、先生も神戸の海によく行ってそれを見ます。とはいっても泳ぐことはなくいつもの正装ですが。
「それでもね」
「和歌山の海だよね」
「和歌山には和歌山の海があるのね」
「その海を見てね」
「楽しむのね」
「そうもしようね、僕も海を見ているよ」
その和歌山の海をです、見れば先生は確かに車窓の外の和歌山の海を見てそうして目を細めさせています。
「いい海だね、ただ荒い感じがするね」
「波が強い?」
「そうだね」
「白い波が目立つわね」
「神戸や大阪の海と比べて」
「どうにも」
「太平洋に直接面していて今は冬だからだね」
それでと言う先生でした。
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