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ドリトル先生と和歌山の海と山

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第三幕その四

「うちの運転手さんが美味しいって話しててね」
「それで王子も買って食べてなんだ」
「凄く美味しかったからね」 
 それでというのです。
「こうして買ってね」
「今もだね」
「先生にも食べてもらってるんだ」
「そうなんだね」
「こうしてね」
「そうなんだね、そういえばスーパーでもこうしたのが売ってるけれど」
 お団子等がというのです。
「どれも美味しいんだよね」
「そうそう、日本のスーパーのものもね」
「美味しいよね」
「こうして売られているものもね」
「普通に美味しいよ」
「お店やスーパーで普通で売っているものでも」
 それでもと言う先生でした。
「素敵な味なのが日本だね」
「侮れないよね」
「全くだよ、これも努力の結果だよ」
 まさにというのです。
「お店で作っている人達のね」
「和菓子屋さんもスーパーもね」
「だから美味しいんだよ」
「美味しいものを作ってだね」
「食べてもらって売る為にね」
「資本主義だね」
「いやいや、資本主義だとね」
 先生は食べつつ笑顔で経済のこともお話しました。
「競争、そして努力もするから」
「売る為に」
「だからね」 
 それでというのです。
「どんどん美味しくなるんだ」
「そうなるんだね」
「資本主義のいいところだよ、じゃあお店の人に感謝して」
「その売り上げアップの為にも」
「このお菓子を食べようね」
「これからもね」
「あれですよね、日本っていう国は」
 トミーも和菓子達を食べています、勿論動物の皆もです。
「資本主義も発達してますよね」
「そうなんだよね」
「それも昔から」
「商売が盛んだったからね」
「特に江戸時代以降ですね」
「そうだよ、こうしたお菓子が発展するのもね」
 先生達が今食べているこちらもというのです。
「江戸時代から発展してね」
「それまではですね」
「お砂糖もなかったしね」
「あっ、お砂糖は日本でも貴重品だったんですね」
「そうだよ、室町時代には狂言でもあるけれど」
 こちらの作品でというのです。
「住職さんが毒と偽ってお砂糖を一人占めしていたけれど」
「住職さんだけでこっそり甘さを楽しんでいたんですね」
「貴重品だったらこんなことしないね」
「皆で楽しんでますね」
「そうしているからね」
「お砂糖はそれだけ貴重だったんですね」
「それが江戸時代にね」
 まさにこの時代にというのです。
「吉宗さんが広めたんだ」
「今お話した」
「白砂糖の栽培を認めて広めてね」
「そうだったんですか」
「あと吉宗さんは青木昆陽という蘭学者に薩摩芋の栽培を許したけれど」
「それも甘いものですね」
「結構甘いものに縁がある人でね」
 先生は今度はきんつばを食べつつお話しました。
「お砂糖も日本に広めて」
「お菓子の発展にもですね」
「貢献しているんだ」
「そう考えると凄い人だね」
 王子はお団子を食べつつ思いました、串に刺されているそれを横から食べてそのうえで言葉にも出すのでした。 
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