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ドリトル先生と和歌山の海と山

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第二幕その十一

「昇段審査を受けてね」
「じゃあ次は二段だね」
「そうして身体も強くなって」
「心もだね」
「そう、剣道は己の身体だけでなく心も鍛えるものだから」
 それだけにというのです。
「心もね」
「鍛えてだね」
「強くなるよ」
 まさに心身共にというのです。
「そうなるよ」
「そうだね、じゃあその王子をね」
 先生もというのです。
「見させてもらうよ」
「心も鍛えられる僕をだね」
「是非ね、僕は本当にスポーツはしないけれど」
 勿論武道もです。
「見せてもらうよ」
「そpれじゃあね、今日もね」
「剣道もだね」
「励んで来るよ」
「学問をして汗もかいて」
「充実した一日を送っているよ」
「何よりだよ、では僕も帰ったら」
 お家にというのです。
「またね」
「学問にだね」
「励むよ」
 笑顔で言う先生でした。
「今日もね」
「そして食事にお風呂もだね」
「うん、お酒もね」
 この三つも忘れない先生でした。
「どれも楽しむよ」
「お食事とお風呂はなかったよね、イギリスでは」
「楽しむことはね」
「どっちもイギリスでは縁が薄いからね」
「食べものは食べられればいいし」
 それにというのです。
「お風呂もね」
「シャワーだけでね」
「それでも身体を洗ったらね」
「泡が着いたままでね」
「身体を拭いて終わりでね」
「素気ないよね」
「うん、けれど日本は違うからね」
 先生達が今いるこの国ではです。
「美味しいものがこれでもかとあって」
「お風呂もね」
「快適でね、お風呂に入って健康にもなったしね」
 このことからもというのです。
「新陳代謝も血の流れもよくなってね」
「そうだよね」
「このことでも健康になったよ」
 笑顔でお話する先生でした。
「本当によかったよ」
「それは何よりだね」
「そう、特にね」
「特に?」
「温泉が好きになったね」
 先生が日本で目覚めた楽しみの一つです。
「これは本当にいいよ」
「そういえば先生よくスーパー銭湯にも行くよね」
「うん、身近な温泉だよ」
「あれもイギリスにないよね」
「あそこでサウナに入って色々なお風呂に入ってね」
「身体を奇麗にしてくつろがせてだね」
「気分爽快だよ」
 そうなるというのです。
「だからいいんだ、勿論和歌山にも温泉があるよ」
「南紀白浜温泉だね」
「そこに行くよ」
 和歌山でもというのです。
「だから楽しみだね」
「何か色々と楽しみだね」
「和歌山は夏に行く人が多いけれどね」
 海に行くからです、海水浴を楽しむ為にです。
「それでもね」
「今行ってもだね」
「楽しめるからね」
 それでというのです。
「是非行こうね」
「温泉にもね」
 笑顔で応えた王子でした、そうして和歌山に行くその時を心待ちにするのでした。連休のそれをです。 
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