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転生×魔弾の王×萌えもん=カオス

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四本目

「んぁ?」

日射しの眩しさで、眠りから覚めた。

「俺の…部屋?」

えーっと…たしか…

「ああ…スピアーと戦ってからの記憶が無いな…気絶したか…?」

体を起こすと、茶髪とモフモフした耳が見えた。

「うぅん…」

ベッドに、ティッタがもたれ掛かっている。

「心配掛けたな…」

ティッタの頭を、優しくなでる。

「んぅ…ティグルさま?」

「お、わりぃ、起こしちまったか?」

「ティグル様!」

「わぷ!?」

突然ティッタに抱き付かれ、驚いてしまった。

「心配したんですからね!」

「済まなかったな…」

そんな風にティッタと抱き合っていると、婆ちゃんが入ってきた。

「おや、邪魔したかい?」

「いや、別に」

「むぅ…」

「ティグルや、お前は2日も寝ていたんだよ?」

「うぇ!?」

2日も!?なんで?

「お前、スピアーと生身で戦って、少し毒を受けていたんだよ。
今はもう毒は抜けているがね」

やっぱり歯で止めたのは不味かったかなぁ…?

「それと、博士が呼んでいたよ?」

もう結果が出たのか?

「朝御飯を食べたらティッタと行っておいで」

「「はい」」










朝食を取り、ティッタと一緒にオーキド研究所へ来ていた。

「博士ー!来たよ!」

すると中から呼ばれたので、オーキド博士の書斎へ向かう。

「入るよー」

オーキド博士は、書斎の机に座っていた。

「おお、ティグル。体は大丈夫かの?」

「うん」

「では…本題に入ろうかの」

オーキド博士から、真面目な雰囲気が漂う。

「あの、私は出ていた方が宜しいですか?」

「いや、構わんよ。
ティグル、来なさい」

机まで歩くと、一枚の紙を渡された。

「えーと、何々?
『マサラタウンのティグルをエリートトレーナーと認め、伯爵位を贈呈する』……
は?」

「これがライセンスじゃ」

オーキド博士から渡されたカードは、普通のトレーナーカードではなく、黒のカードだった。

「いや、エリートトレーナーってどゆこと?爵位って何?」

「例の試験をクリアしたお主はエリートトレーナーに相応しいとワタルがいいだしてのぅ。
その上認めなければ週刊誌に今回の一件をリークするとまで言い出しおった」

わぁお…

「更に言えば、今回の試験はワタルと儂に恨みのある職員が仕組んだいわば"当て付け"でのぅ。
関わった職員は軒並み降格されたそうじゃ」

「へぇ…あれ?でもエリートトレーナーって色んな義務が無かったっけ?」

「確かにエリートトレーナーは爵位と特権を与えられ、貴族としての義務が多少なりとも発生する。
じゃがそこら辺はワタルが手を回しておる。
ポケモン協会会長のサインもあるしの」

ならいいのか…?

「エリートトレーナーであれば幾つかの施設を無料で使用出来る他、ジムで優先的に挑戦できるぞ」

「いや、俺は別にジム巡りがしたかった訳じゃないんだが…」

「なぁに、暇潰し程度にやってみるのもよかろう」

いやいや、暇潰しで出来るほどこの世界のジムは甘くないだろ。

「ティッタや」

「は、はい!」

「よかったのぅ」

なにがさ?

「はい!」

満面の笑みでティッタが答える。

「ティグル、儂からのプレゼントじゃ」

渡されたのは、ポケモン図鑑だった。

「プレゼント?仕事じゃなくて?」

するとオーキド博士は別方向を向いて掠れた口笛を吹き始めた。

「おいジジィ、はっ倒すぞ」

「ティグルが…グレたじゃと…?」

「真面目に」

「おお、済まんかったの。
まぁ、あって困る物ではないじゃろう」

「ま、そうだな」

図鑑を開くと、図鑑以外にも通信機能や、道具入れの機能があった。

この世界では、こういった技術、いわば量子化の技術が進んでおり、様々な道具をデータとして持ち運べる。

そもそもポケモン自体が波と粒子両方の性質を持つ存在だ。

つまり、ポケモンは使徒やウルトラマンと同じような組成だという事だ。

そうでなければ大型ポケモンを入れたモンスターボールを持ち運べる訳がない。

「ティグル、今日はもう帰って家でゆっくり休みなさい」

まだ午前なんだが…

「えー…」

「ティッタにどれだけ心配させたかわかっておるのか?」

「あー…うん。わかったよ。すぐ帰るさ」

その後、オーキド博士に言われた通り、家に帰った。

「あの、ティグル様」

「どうしたんだ?」

「旅にでるんですか?」

「さぁ、今は出る積もりは無いよ。
前も言ったが、出るのは10歳くらいだろうな」

「ティグル様一つお願いがあります」

「んー?どうした?」

「ティグル様が旅に出るとき、私を連れて行ってください!」

「は?」

今、彼女は何と言った?

「え、ごめん、もっかい言って?」

「ティグル様が旅に出るとき、着いていきます」

決定事項っすか。

「えーっと…婆ちゃんの許可は…」

「昨日取りました」

外堀は埋まってますかそうですか。

「あー…」

心強くはあるが、ティッタを危険にさらしたくはないというのが本音だ。

「大丈夫です、少しは戦えますから」

そうは言ってもなぁ…

「それに」

それに?

「旅に出たら、いったい誰がティグル様を起こすんですか?」

「はは…そうだな。
じゃ、その時は…旅に出るときは、頼むぞ」

「はい!喜んで!」
 
 

 
後書き
爵位
エリートトレーナーになると爵位が与えられ、数々の特権と相応の義務が課される。
なお各大会で優勝したり、対災害などで功績を上げた場合は下級貴族の爵位が与えられる。 
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