恋人のいる時間
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第四章
「デートするわね」
「下校の時に」
「そうするのね」
「それで今度はね」
「キスから先に進むのね」
「そうなるかも。まあとにかく」
私は皆に笑顔で言った。
「これからもね」
「彼氏との時間もね」
「楽しんでいくのね」
「そうしていくのね」
「そうしていくわね、友達がいて彼氏もいて」
そうした関係があってだ。
「私今幸せよ」
「よし、じゃあね」
「ホームルームまでトランプしましょう」
「ポーカーしましょう、ポーカー」
「それしましょう」
こう皆で話してだ、私達はこの日も楽しい一日をはじめた。友達と一緒にいる時間も彼氏と一緒にいる時間も最高だと思った。ポーカーをはじめるまでは。
ポーカーをするとだ、今日はどういう訳か負け続けてだ。
私は一緒に遊んでいる彼女達にだ、こう言った。
「最悪よ」
「また負けたわね」
「あんた今日調子悪いわね」
「連敗じゃない」
「どういう訳か」
「何も賭けてないけれど」
勝っても負けてもだ。
「それでもね」
「負けまくるとね」
「やっぱり気分悪いわね」
「どうしてもね」
「そうした気持ちになるわね」
「ええ、何か今日は」
ポーカーはそれなりに自信があるけれどだ。
「調子悪いわ」
「っていうかドツボ?」
「勝負全部裏目に出てるじゃない」
「ワンペアにもなってないし」
「それも一度もね」
「こんなのはじめてよ」
何回もやってワンペアすらならないのはだ。
「本当に」
「まそういう日もあるわ」
「そんなこともね」
「そこは仕方ないわよ」
「じゃあ止める?」
「そうする?」
「まあね」
こう言ってだ、そしてだった。
私は今はポーカーを止めた、けれどここでだった。
ホームルームがはじまった、そうしてポーカーのことは忘れてそのうえでそちらに関心を向けた。学生の本分にも。
恋人のいる時間 完
2017・8・24
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