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ゲート自衛隊 超化学提督物語

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プロローグ

 
前書き
自重なし。各国の重要人物卒倒案件 

 
201X年。日本の千葉県の自衛隊の基地がある習志野駐屯地に突如と原因不明のSF映画に出てきそうな未来的な門が現れた。この突然の門の出現に習志野駐屯地に配属されている自衛官達は警戒した。門は出現したが特にこれといった現象は確認されておらず周辺の被害や問題も確認されていなかった。しかし、未だに存在する門に対して自衛隊達の警戒は続く。門が出現した一週間が経過したときに様々な専門家が派遣されて門の調査されてあることが判明した。

「門に使われている金属は地球上に存在しない」

「今の科学技術では門に使われているパーツは再現が不可能」

「アメリカやロシアの最新兵器でも門の破壊は不可能」

民間や大学教授たちのあらゆる分野の専門家達は簡単にいえば地球にとっては未知な金属であること、今の科学技術では作れない部品であり、破壊することも不可能であるということだ。この情報は機密にしたかった日本政府であったが、すでにマスコミにより門の情報はすでに世界各国に拡散しており情報規制は不可能であった。当然のように門に使われている技術がどの国でも再現が不可能と知られて日本政府は頭を抱えていた。偶然とはいえ、未知な未来的で超技術の塊がある門が日本にあり、その門に対して各国からどんな無理難題な要求が来るかと頭を悩めていたが、そんな日本政府が頭を抱えていた時に事態は各国が予想もしない方向に進む。


「ど、どーも」

門より一人の30代ほどの男性が現れた。数か月ほど前に突然と行方不明になった陸上自衛隊伊丹洋司三等陸尉。この元自衛官の出現が日本を含めた地球各国に対して劇薬になるとは予想もしなかっただろう。

ーーー。

「しかし伊丹さんも不幸ですね。過去から未来に飛ばされるなんて」

「いやいやそんな事ないよ。偶然にもタロウさんに見つけられて保護してくれたし、それだけじゃなくて贅沢な生活もできて最高!」

「いや、俺も伊丹さんが来てくれてうれしいよ。伊丹さんが話してくれた過去の貴重な日本アニメは最高ですよ。特にめい☆コンのあの話は」

「めい☆コンの良さがわかる!あのエミュのあれは……」

ここは銀河連邦第56艦隊所属旗艦『タケミカヅチ』の指揮官室。その司令官室に三十代前半の男性二人がアニメトーク。一人は三十代で中将にまでなった男性に三十代にもなって未だに三等陸尉の落ちこぼれ自衛官の伊丹とアニメトークするなんて現代の人間からすればシュールすぎる光景だが本人たちは気にしていない。

なお、この銀河連邦第56艦隊旗艦タケミカヅチは銀河連邦において50年以上も前に完成した最新鋭艦の8番艦である。50年以上の艦など古いと思うがタロウの時代では既に科学技術も極めに究めた為に技術革新も西暦時代の産業革命時代と比べると短期間で技術革新が起きることはないからだ。そのため100年前の技術ですらタロウの時代では比較的に最新式という扱いだ。銀河連邦では旗艦タケミカヅチのような艦は1400m級の戦艦を配備するが銀河連邦では通常戦艦は800m級であり、その他の巡洋艦、駆逐艦等の主力艦は600mから400mが基準となっている。伊丹の時代からすれば駆逐艦クラスですら原子力空母よりでかい艦が駆逐艦として扱われているのだから伊丹は当初、この事を知った時は驚愕したがそれでも深く考えない性格のために「流石は超未来の技術」と、あっさりと納得して深く考えなかった。

逆にタロウが伊丹の時代のアニメに興味があるほうが伊丹にとって重要であり自衛官の任務そっちのけでタロウとアニメや漫画の話で盛り上がっていた。

ちなみにタロウは伊丹が人類が宇宙に進出する前の過去の時代から来た人間と分かった時はどのような対応をするか迷い、とりあえず銀河連邦上層部に報告。過去の人間が来たという事実は銀河連邦上層部も驚かれ、そして伊丹が住んでいた時代を聞いて更に衝撃的な事実が判明した。それは伊丹の時代とタロウの時代が繋がっておらず、伊丹は過去の並行世界から飛ばされたという事実だった。

伊丹の時代では1990年代初頭においてアメリカとロシアの冷戦が終結していたが、タロウの時代では冷戦が終結していなかった。西暦2028年になった時に西側と東側が全面戦争に突入。核兵器の押収により当時の地球人類の9割が消滅したからだ。この人類が絶滅寸損まで発展した戦争を教訓に、生き残った地球各国の政治家達は人類統一政府を樹立した。これが銀河連邦の基礎となる地球連邦の始まりである。

当初は伊丹も銀河連邦の歴史学者達から質問攻めにあったが基本的に伊丹は一般的な幹部自衛官であり、どこぞの歴史家提督ではないため歴史の内容も断片的にしか話すことが出来なかった。よくもわからず未来世界に飛ばされた当初は困惑した伊丹だが、そこまで専門的な知識がないためある程度の事情聴取が終わり伊丹はすぐに解放された。事情聴取が終わった伊丹を銀河連邦政府は伊丹を元の世界に返すために伊丹が飛ばされた辺境惑星の時空流れを調査してワープ装置を設置して伊丹の世界に返すことを決定。ワープ装置事態は銀河歴に入る前にすでに実用化された装置であるため、ワープそのものはこの時代において珍しくない。だが流石に並行世界の過去ともなると話は変わる。時空の流れの調査はシビアであるた
め気が抜けないからだ。そのため人件費や調査費も含めればちょっとした一惑星の数か月分の惑星予算に匹敵する。それだけ莫大な金がかかるのにどうしてそこまで伊丹を過去に返す理由は銀河連邦政府の善意ではなく、民衆の政府批判からであった。

銀河連邦政府も当初は伊丹の情報を機密扱いにして、伊丹には悪いが元の世界に帰る事を諦めてタロウの世界に骨を埋めてもらおうと考えていた。伊丹にしても流石に国家予算数か月分も金がかかると聞いて直ぐに元の時代に帰る事を諦めた。元の時代にいる嫁さんには悪いが、流石に銀河系9割以上の勢力規模を誇る星間国家を相手にしてまで元の時代に帰るとは伊丹に言えなかった。帰還を直ぐに諦めた事を聞いて銀河連邦政府も一安心した。だが、どこから流れた情報かは知らないが、伊丹の素性がマスコミ経由で銀河連邦の国民にばれてしまった。

「伊丹洋司を元の時代に返せ!」

「政府は人道に反している!」

このように政府批判が増加した。だが当初は伊丹の現状流れても多少ネットで叩かれたくらいで大した騒ぎにならなかったが、現在の銀河連邦政府を運営している民主党と犬猿の仲とされる共和党が民主党批判を行った事により、更に一部の共和党の政治家が共和党支持者に対して多額の援助を行い、大規模なデモにまで発展させてしまった。流石にこれには民主党も度肝抜かれたが、一番驚いたのは共和党上層部であった。確かに伊丹の問題を民主党がなかった事に対して批判をしようとしたが、いくら何でも共和党支持者の国民に隠す気もゼロな程にデモ活動を大規模にやった事にたいして流石に焦ったのである。

隠す気もなく当然のようにデモ活動の多額の資金提供者が共和党と分かった時に、共和党上層部もマスコミに叩かれた。

「民主党の支持率を下げる為に共和党支持者に多額の賄賂を渡してデモを煽った」

このように言われてデモに参加してない国民や民主党支持のマスコミから露骨なまでに批判された。そして今回の騒動は民主党や共和党双方にとって頭を悩める問題に発展した。今の両党の心情を表すなら「余計な事をしやがって」というのが本音であった。こうして双方にとって頭が痛い問題があり、急遽伊丹を元に時代に返す事が決定した。ワープそのものは星系の行き来に対してさほど問題はないが、並行世界の移動となると流石の超技術を持つ銀河連邦でも手を焼いた。同じことを説明するが、時空の流れはワープで星系を行き来するより大変危険であり、かつて無人機を使って並行世界や過去の世界にタイムワープの実験を行った結果は無人機バラバラとなって時空の狭間に飲み込まれて行方不明となった。

それでも長い年月をかけて費用は莫大だが一応、並行世界や過去世界に対して人間が行き来する事ができるワープ装置の開発は成功した。しかし並行世界や過去世界に進出することは、歴史改変や別世界に対する問題をこちら側が抱える事になりかねないため、ただでさえ現在の勢力圏でも持て余し気味なのに別世界に対する問題まで抱えたくないというのが銀河連邦政府の本音であった。実際に伊丹を元の世界に返すと絶対に過去の地球勢力がこちらに関わるために、出来れば並行世界の地球の問題は抱えたくないため伊丹を元の時代に返す事に反対していた。

「ああ……もうすぐ帰るのか。この時代で食う、遊ぶ、寝るの最高の生活が送れたのに」

「伊丹は帰るだけで済むけどな。俺なんて過去の地球国家に対して色々と対応しないといけないんだぞ」

「各国のお偉いさんの対応だよね~」

「他人事だと思いやがって」

「いやいや三等陸尉の俺に出来ることなんてそんなにないっスよ。タロウ中将みたいに高級士官でもないし」

伊丹も伊丹で過去の世界に帰った後の対応もあるのでめんどくせーと心の中で呟く。タロウはタロウでこの後の対応で頭を悩めるのであった。


ーーー。

そして話は201X年の地球世界に戻る。伊丹が門から突然と表れて警備をしていた自衛官達は驚く。そして伊丹を取り調べると、数か月ほど前に突然と行方不明となり、そしてこの基地でレンジャー訓練を受けていたレンジャー始まっていらいの問題児であることがわかった。当然のように自衛隊関係者は今まで何処かにいたのか伊丹に質問をした。そして伊丹がこの数か月ほど経験した出来事と、門の先にある世界の話は世界中に大混乱を呼び起こした。

 
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