エアツェルング・フォン・ザイン
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そのじゅういち
「すぅ…すぅ…もうたべれません…」
「…………………」
ぷにぷに
「うに…すぅ…すぅ…すぅ…」
「いや、どうしろと?」
現在地、紅魔館正面門前。
霧の湖にこの前までなかった赤い館を見つけて『ここか…』と思い門の前に降り立って二分。
さっきから頬をつついたりしてみたが…
「全然起きねぇな…よし」
イタズラしよう。
あ、勿論イタズラ(意味深)じゃないよ。
それをやるとR18タグつけないといけなくなるからね。
ん?今なにか電波を受信したような…
まぁ、いいや。
能力でストレージからメーキャップアイテムをだす。
「先ずは額に『肉』だよな」
そしてメーキャップをアイテムを美鈴の額に近付ける。
「よし…起きない…」
注意深く美鈴の額に字を書く。
そして…
「ぷっ…くくっ…ふふっ…」
門の前で立ったまま寝ているチャイナ服の美女。
ただし額に『肉』の文字。
「シュール極まりないな…」
まだまだ起きそうにない…
「うん、寝てる方が悪いんだ」
今度は目蓋に『目』を書く。
「起きるなよ…今起きたら危ないぞ~」
と、なんとか書き終えた。
「さて…このままカンバスになってもらおうか…」
ムービー・クリスタルを取りだし録画開始…
親父の蔵書の漫画にこんなのあったな…
気絶した女ALT兼殺し屋に落書きする話…
その後少し調子に乗った。
いや、顔への落書き以外してないよ?
「く…くくっ…ほ…んと、これっ…ぶふぉっ…ヤバい…っくく!」
ショット・クリスタルを出して写真を取る。
そんな事をしていると後ろ…つまり霧の湖から爆音がした。
「ん?ああ…自機組か…ってヤバい!」
俺は直ぐに美鈴から離れ、近くの林に入った。
林から様子を伺う。
あ、来た。霊夢と魔理沙だ。
美鈴を見て爆笑している…
お?美鈴が起きたぞ…
魔理沙が鏡を渡して…
あ、怒った。
まぁ、それは怒るよな。
魔理沙は必死に否定するが美鈴は聞いてないな…
霊夢はずっと笑いっぱなし。
あ、美鈴がおっ始めたぞ…
「美鈴の弾幕は綺麗だな…虹色の花みたいだ…」
魔理沙と霊夢はそれを華麗によけている。
お?反撃か?
魔理沙が箒の上に立ち片腕を突き出した。
右手を前へ、左手はそれを支えるように…
そして魔理沙の腕の先から莫大な光が放たれる。
「あれが『マスタースパーク』か…恐ろしい威力だ…」
アレでギロチンバースト(高出力ビーム等で薙ぎ払うこと)したらさぞかし気持ちいいだろうな…
あ、美鈴がピチュった。
「アレは…生きてるのだろうか?」
まぁ、生きてはいるだろうな…
霊夢と魔理沙はダウンした美鈴を置いて紅魔館へと入って行った。
そろそろ出ても良いだろう…
林から出て美鈴の元へ向かう。
「う…ぐ…」
「大丈夫ですか門番さん?」
「あな…たは?」
「通りすがり寺子屋講師です」
「何用…で?」
ボロボロだが立ち上がろうとしている。
成る程…忠誠か…その心意気は称賛できる。
「ここの主が出してる霧がウチの生徒達の健康に悪いのでね。
止めに来たのさ。」
「そう…ですか…ですが…ここは…!」
ふぅむ…ここで美鈴を倒してもいいが…
それをやると完全に悪役だよな…
しゃぁない…アレやるか…
「その落書きで凄んでも面白いだけですよ」
「関係…!ありません…!」
「君よく寝てたね。その落書きやったの俺だから。いいカンバスだったよ」
と言うと…
ブツン!…と何かがキレる音がした…
はい、かかった。
「ブチのめします…!謝っても許しま…」
美鈴のセリフを遮り肉薄する。
「なっ!?」
それに驚く美鈴。
ああ、そんなに目を見開いちゃって…
美鈴と目を合わせ…
「ヒュプノシス・フォース」
美鈴が崩れ落ちた。
崩れ落ちた美鈴を支える。
「怒りや驚愕などで心のガードを崩す、催眠術の基本だ。
武闘家のアンタは納得しないだろうがボロボロのアンタを倒しても俺が納得できねぇんだ。許せ」
そんなことを言いながらキチンと美鈴を壁に寄り掛からせる。
結晶を取りだし…
「ヒール!」
使ったのは全快結晶。
これで妖力はともかく体の傷は治った筈だ…
「すぅ…すぅ…」
美鈴は穏やかな寝息を発て始めた。
「ま、今頃PAD長は巫女とよろしくヤってるだろ。今のうちに寝とけ」
美鈴一瞥し、崩れた門を通る。
庭に花畑があり綺麗な花が咲いていた。
美鈴が世話していたのだろうか?
庭を通り、紅魔館の玄関着いた。
「さて、次は誰かな?」
俺は紅い紅いドアを開いた…
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