おぢばにおかえり
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第四十四話 二人でお外に出てその十一
「長池先輩にはよく言ってもらったわ、高井先輩や佐野先輩にも」
「あの奇麗な人達ですね」
「ええ、そうよ」
「あの人達も女優さんみたいですね」
よく観てると思いました、もう長池先輩なんて最初見てこんな奇麗な人がいるなんてと驚いた位です。
「それで先輩はトップアイドルかアイドル声優で」
「アイドル好きね」
「先輩ならなれますよ」
「なれないわよ、声優さんだってね」
確かに好きですが。私は最近悠木碧さんという声優さんが気になっています。雑誌で見ると小柄で凄く可愛い感じの人です。
「声も演技もだし」
「いやいや、演技は勉強して」
今もああ言えばこういうで言ってきます。そう言いながらも商店街の左右を見回しています。
「お声とお顔は抜群ですから」
「というか顔って」
「はい、最近の声優さんお顔もいいですから」
だからというのです。
「先輩もです」
「だからそう言ってもよ」
「先輩がブスとか言う奴がおかしいですから」
それでいうのです。
「僕から見たら全然違いますよ」
「それで声優さんになれるっていうの」
「そうです、トップ声優さんに絶対になれますから」
あくまでというのです。
「声優事務所とか入ったら」
「真面目に言うけれど私は教会継ぐから」
阿波野君に断りを入れました、三人姉妹の長女だからということもこの子にいつも言っていますけれど。
「アイドルも声優さんもよ」
「ならないですか」
「ええ、大学を出てね」
本部勤務か大教会でのお仕込みを受けてからです。
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