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ドリトル先生と和歌山の海と山

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第一幕その六

「現世利益のね、修行で悟りを開くと共にね」
「何か本当に色々だね」
「日本の仏教の宗派って」
「同じ仏教でもそんなに違うんだ」
「殆ど別の宗教じゃない」
「そうなんだ、本当に同じ仏教かっていう位に違うんだ」
 それぞれの宗派ではというのです。
「日本の仏教はね」
「浄土真宗は多いよね」
「八条学園のお寺もそうだったかしら」
「学園の中に仏教のお寺あるけれど」
「あそこはそうだったかしら」
「確かそうだよ、それでうちの大学の宗教学部では僧侶の資格も手に入れることが出来るんだけれどね」
 学校の先生の資格や他の宗教関係者の資格と同じ様にです。
「各宗派のものがね」
「勉強すれば貰えるんだ」
「学校の先生みたいに」
「そうなるのね」
「そうだよ、だからね」 
 それでというのです。
「真言宗のお坊さんにもなれるよ」
「八条大学にいれば」
「ここの宗教学部に入っていれば」
「それでだね」
「真言宗のお坊さんにもなれるのね」
「日本の魔法使いに」
「そうだよ、魔法使いになれるんだよ」
 ここはファンタジー的にお話した先生でした。
「勉強すればね」
「リアルで魔法使いになれるって凄くない?」
「欧州じゃ時代によっては魔法使いかって思われただけで火炙りだったのに」
「特に魔女はね」
「それが日本じゃおおっぴらになれるから」
「そこも凄いお国よね」
「そうだよ、日本では魔術みたいなのを使ってもね」
 真言宗にしても陰陽道にしてもです。
「それが人を惑わす様なものでもない限りはね」
「よかったんだ」
「それで今もなのね」
「別にいいの」
「そうなの」
「そうだよ、これもお国柄だね」
 日本のというのです。
「日本では魔法使いだっていうだけで何かされたことはないよ」
「魔女狩りなかったんだ」
「あんなとんでもないことは」
「イギリスでも魔女狩りあったけれど」
「日本ではなかったのね」
「そうだよ、本当に人を惑わすものでもない限りで」
 そうしたものでない限りはだったというのです。
「日本ではよかったんだよ」
「というか空海さんって凄い尊敬されてたのよね」
「とても偉いお坊さんだって」
「悪い魔法使いって言われるどころか」
「そう言われてたんだよね」
「そうだよ、帝にも深く信頼されて敬愛されていてね」
 何と日本の主でもあるこの方にもというのです。
「色々教えを乞われたりお話していたりしていたんだ」
「欧州じゃ魔法使いが法皇様や皇帝とお話しているものだね」
「イギリスの王様とか」
「ちょっと以上に考えられないけれど」
「それも凄いね」
「全くだよ、しかも帝つまり皇室は神道だね」
 先生は日本の宗教のお話もしました。
「けれど空海さんは仏教だね」
「そうそう、神道と仏教って違うんだよね」
「違う宗教同士だよ」
「このことずっと気になってるけれど」
「日本に来てからね」
 動物の皆もこのことはいつも気になっています、奈良に行った時もこのことをかなり強く意識していました。
「違う宗教同士でもね」
「日本じゃ普通に一緒にいるんだよね」
「共存していてね」
「仲いいんだよね」
「その帝にしてもね」
 神道のこの方もというのです。 
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