恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第六十七話 何進、陥れられるのことその二
「何かあるかしら」
「残念ですが今は」
「徐州を治めるしかありません」
牧とその臣としてはだ。それしかないというのだった。
しかしだ。二人はここでだった。
劉備に対してだ。こんなことを言った。
「あの、それでなんですけれど」
「いいでしょうか」
「どうしたの?」
「水鏡先生の弟子で」
「私達の姉弟子にあたる娘ですけれど」
こう話していくのだった。
「徐庶ちゃんといいます」
「その娘がいるんですけれど」
「徐庶ちゃん?」
劉備もその名前を口にした。
「朱里ちゃんと雛里ちゃんのお友達なの」
「はい、その娘から文が来まして」
「桃香様のお話を聞いて」
「徐州に来たいと」
「そう仰っています」
それでだ。どうかというのだった。
「桃香様さえよかったら」
「如何でしょうか」
「うん、いいわよ」
劉備はだ。笑顔で即答した。
そしてだ。二人に対してあらためて述べた。
「朱里ちゃんと雛里ちゃんのお友達よね」
「はい、少しの間一緒にいました」
「私は。あの娘が先生のところに戻って来た時に何度か会ってます」
二人はそれで知っているというのだ。
「とてもいい娘です」
「御料理も上手で頭もよくて」
「そうなの。それなら」
「はい、それじゃあ」
「有り難うございます」
劉備が受け入れたのを受けてだ。軍師二人も笑顔になる。
劉備達は明るい話もあった。しかしだ。
各地の牧達はそれぞれだ。警戒の念を強めていた。皇帝の死がだ。確実に騒乱の元になるとだ。そう確信してのことだった。
そしてその警戒の元はだ。どうかというとだ。
洛陽の何進の屋敷。そこにおいてだ。
屋敷の主はだ。ここに呼んだ司馬慰にだ。こう言うのだった。
「帝がか」
「はい、崩御されてです」
「そして陳留王が即位されるか」
「将軍、それでなのですが」
「わかっておる。董卓の兵を呼びじゃな」
「そうです。そして」
さらにだとだ。司馬慰は言うのだった。
「一度宮廷に行かれるべきです」
「宮廷にか」
「文武百官を集めましょう」
こうだ。司馬慰はもっともな声で話す。
「その為にもです」
「待て、しかしじゃ」
だがここでだ。何進は警戒する顔になってだ。司馬慰に言った。
「今宮廷に行けば宦官達がじゃ」
「罠を張っているというのですね」
「そうじゃ。今行けばわらわの命が危うい」
こう言うのだった。彼女も真剣に危惧している。
「今宮廷に行けばまずいじゃろ」
「いえ、そうではありません」
ところがだ。司馬慰は落ち着いた顔で彼女に言うのだった。
「むしろです。ここで宮廷に行かれない方がです」
「危ういというのか」
「そうです。今は将軍のお立場を固めなおすべきです」
また言う司馬慰だった。
「ですから。何としても」
「ふむ。そうか」
今や彼女の頭脳とも言っていい司馬慰の言葉だ。聞けない筈がなかった。
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