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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  2004話

 さて、当然の事ではあるが、幾月がタカヤと一緒に消えたのは大問題だったが、そんな幾月とタカヤが消えたのと同時に順平が消えたのも、色々と問題がある訳だ。

「あれ? 今日順平は休みか?」

 そう、例えばこうして学校を欠席しなければならないといった風に。

「うん、ちょっと家庭の事情で休む事になったんだって。いつ戻ってくるのかはちょっと分からないみたいだ」

 友近の言葉に、有里がそう告げる。
 何故か行方不明になった……という事を説明する訳にいかない以上、取りあえず家庭の事情という風に説明しておくのは間違いなく最善の選択だった。
 いや、実際に順平の家族にどうやって事情を説明したのかは分からないが、取り合えず家庭の事情という事にしておけば、暫くは問題ない。
 もっともこれで順平がずっと休み続ければ、最悪出席日数不足という事で、留年という扱いになる可能性も決して否定出来ないのだが。
 幾ら桐条グループとはいえ、出席日数を何とかする事は……いや、そこまで難しくはないのか?
 ただ、月光館学園の理事長をしていた幾月がいなくなったというのは、やはり大きい。
 その辺りの事情を考えると、さて、一体どういう具合になる事やら。
 分かっているのは1つだけ。
 ……そう、元々赤点ギリギリの順平が学校を休むという事は、次のテストがより厳しくなる、という事か。
 いや、それ以前にテストを受けられるのかどうかも微妙なところだが。
 順平の奴、これが原因で留年したら泣くに泣けないな。

「家庭の事情、ね。もしかして、遺産相続で揉めたとか、そういうのか?」
「いや、何でそんな事になるんだよ。……まぁ、詳しい事情は俺も知らないし、有里も知らないよな?」

 そう告げて有里に目で合図を送ると、それを理解したのだろう。有里も頷きを返す。

「うん、残念だけど僕もその辺は知らないんだ。プライベートな事だし」
「うーん……順平の奴、本当に大丈夫だといいけど」

 友近の隣で話を聞いていた宮本が、こちらは本当に心配そうに呟く。
 宮本の場合は、剣道部で同じ部活だというのも影響しているのだろう。
 特に順平は、剣道の強豪として名高い月光館学園の剣道部でも、その実力を発揮して存在感を出しているのだから。

「取りあえず、今はその辺りを心配しても意味はないだろ。それより……」
「はい、座ってちょうだい。そろそろ朝のHRを始めるわよー」

 鳥海が入ってきてそう告げ、結局話は途中で終わってそれぞれが席に戻っていく。

「さて、2学期が始まってから数日ですが、転入生を紹介します」

 ざわり、と。鳥海の言葉に生徒達が騒ぎ出す。
 いやまぁ、何だかんだと普通であればクラスに転入生がやってくる事なんて滅多にない出来事だしな。
 ましてや、このクラスには新年度が始まってからすぐに俺という転入生が来ている。
 つまり、この短時間で新たな転入生が更に1人増える事になったのだから、こうして騒動になるのは当然だろう。
 普通なら、転入生とかはよっぽどの事情がない限りは1つのクラスに纏めるのではなく、他のクラスに分散させる筈だ。
 つまり、このクラスに転入生がいるという事は、そのよっぽどの理由がある訳で……

「入ってきてもいいわよ」
「失礼するであります」

 うん、この声を聞いた時点で、誰がこのクラスに転入してきたのかが分かったし、その理由もしっかりと理解出来た。
 隣の席のゆかりに視線を向けると、こちらも俺同様に今の声で誰が転入してきたのかが予想出来たのだろう。驚きの表情を顔に浮かべていた。
 そして声の主がこのクラスに転入してきた原因となるだろう有里はというと……こうして見る限りでは、動揺しているようには思えない。
 これは驚きが顔に出ていないだけなのか、それとも美鶴辺りから聞いて知っていたのか。
 その辺りの事情は俺にも分からないが、ともあれその人物……アイギスが転入してきたのは間違いのない事実だった。





「その……すまない。実は昨日言おうとしていたのだが、その……」

 昼休み、俺はゆかりと美鶴の3人で食事をしていた。
 いや、正確には時々使っている空き教室での食事に、美鶴を呼んだというだけなのだが。
 そうして美鶴が来て食事をしている中で、当然のようにアイギスの話題となり……それを聞いた美鶴が、そう謝ったのだ。
 だが、謝りながらも美鶴の頬が赤くなり、俺と視線をまともに合わせないようにしているというのは……昨日の事が恥ずかしかったのだろう。
 まぁ、人のいる前であんな真似をしたのだから、美鶴が恥ずかしくなるのも当然だった。

「本来ならもう少し早く……それこそ新学期初日から転入させる予定だったのだ。だが、その……捕らえたタカヤの件で色々とゴタゴタしていてな。結局はすこしずれこんでしまったのだ」
「ああ、そう言えば夏祭りに会った時も何かそれっぽい事を言ってたな」

 俺とゆかりで夏祭りに行った時、アイギスと美鶴も夏祭りにやって来ていた。それでちょっとそれらしい事を言っていた記憶がある。
 それが、恐らく今日のアイギスの転入に関係していたのだろう。

「……ねぇ、何だか桐条先輩、ちょっと様子がおかしくないですか?」
「いや、そんな事はないぞ、岳羽。私は……」
「そう? うーん……まぁ、アクセルが桐条先輩相手にデレデレしてても、しょうがないとは思うんだけど」

 そう言い、ジト目を向けてくるゆかり。

「いや、別にデレデレはしてないだろ?」
「してますー。私から見た感じ、完全にデレデレしてますー」

 サンドイッチを食べながら、ゆかりは不満そうに言ってくる。
 ちなみにゆかりはコンビニ……じゃないな。パン屋で買ってきたサンドイッチで、美鶴は結構豪華な弁当、俺はカルボナーラのパスタだ。
 カルボナーラのパスタは、ちょっと前に大量に作って皿に入れて空間倉庫に保存しておいたものなので、出来たてのように食べられる。
 ちなみに、当然だがパスタソースは俺の手作り……な訳ではなく、レトルトのを大量に買ってきた奴だ。
 少し豪華に、炒めたベーコンとマッシュルームを具として追加してある。
 後、生パスタ? とかいうのがあったので、それを買ってみた。
 生パスタと乾燥パスタの違いは、生ラーメンとインスタントラーメン、もしくはカップラーメンの違いか?
 いや、正確にはもっと色々と違うのかもしれないけど。
 普通の乾燥パスタに比べると、もっちりとした食感が特徴。
 あと、茹で時間が少ないのも特徴だが……まぁ、この辺は特に時間に追われてる訳でもない俺にとっては、あまり関係ない。

「あー、ほら。このカルボナーラは俺の自信作だから、ちょっと食べてみるか?」
「あのねぇ、それで誤魔化せると思ってるの?」

 カルボナーラの入った皿をゆかりに渡すが、それに対してゆかりは不満を告げ……それでいながら、こちらも俺が渡したフォークを使ってパスタを口に運ぶ。
 何だよ、結局パスタ食うんじゃん。
 そう思わないでもなかったが、ここで何か口にすれば間違いなく数倍になって戻ってくるというのは予想出来たので、取りあえず何も言わないでおく。
 何故かパスタを食べるゆかりを、美鶴がじっと見ていたのに気が付く。

「美鶴も食べるか?」
「む? あー……うむ。では折角だしお言葉に甘えさせて貰おうか」

 そう言い、ゆかりからフォークを受け取った美鶴はパスタを口に運ぶ。

「うむ、美味いと思うぞ」
「そう言って貰えると、嬉しいな。まぁ、レトルトのソースにちょっと具材を追加しただけだけど」
「ほう、これがレトルトのソースなのか。最近はレトルトと言っても馬鹿に出来ないものがあるな」

 感心したように言う美鶴だったが、実際にレトルトの味というのは侮れないものがある。
 有名な料理人がレシピを考え、それをベースにして商品開発されたりとか、そういう感じだ。
 カリスマ料理人とか、そういうのの写真がパッケージに印刷されてる事も珍しくはないし。
 勿論、全てのレトルトが美味いという訳ではなく、中にはレトルトでも不味いソースとかがあるのんだろうが……幸い、今のところ俺はそういうのに当たった事はない。
 まぁ、レトルトでも不味いのとかは、ネットとかで酷評されてあっという間に売れなくなるしな。
 逆に言えば、美味い商品とかはあっという間に情報拡散されて人気商品になり、品切れになるのだが。……うん? それだと、どっちにしろ駄目じゃないか?

「本物の料理人や、料理が趣味といった連中の作る料理には及ばないが、ちょっと料理が出来るといった程度の奴が作る奴のよりは美味いしな」

 具体的には、90点、100点といった点数は出せなくても、70点……場合によっては80点といった点数は出せる、といったところか。

「なるほどな。それはいい」
「アクセルの手料理だから、桐条先輩もそう感じるんじゃないですか?」
「何? ……いや、別に私はそのような……」

 戸惑ったように呟き、美鶴は重箱に入っている弁当に箸を伸ばす。
 にしても、美鶴の弁当はてっきり洋風の弁当かと思ってたんだが……入れ物が重箱というのを見れば分かる通り、和風の弁当だ。
 俺のイメージ的に、桐条グループは洋風って感じだったんだが……
 まぁ、それはそれで別にいいんだけどな。

「そう言えば、結局昨日は聞く事が出来なかったけど、順平の手掛かりは何か見つからなかったのか?」

 有里、山岸、アイギスの3人――アイギスを1人と考えてもいいのかは分からないが――は、昨日順平の手掛かりを探して色々と探し回っていた筈だ。
 だから、もしかしたら……本当にもしかしたら、何か手掛かりがあるのではないかと思って聞いたのだが……そもそも、手掛かりがあるのであれば、最初から俺達に教えているか。
 そう思うと同時に、案の定美鶴は少し落ち込んだ様子で首を横に振る。

「いや、色々と探してみたのだが、手掛かりの類は何もなかったらしい」
「そうか。……上半身裸のタカヤや、何だかんだと顔が知られている幾月はともかく、ジンだったか? あっちの方なら結構平凡だから見つけやすいかもしれないと思ったんだけどな」

 タカヤ、ジン、幾月……この中で一番特徴がないのが誰かと言えば、当然のようにジンだろう。
 いや、他の2人の特徴が強すぎる、というのが正確なところだが。
 それだけに、ジンであれば見つけるのは……そこまで考え、そう言えばジンを以前どこかで見た覚えが……と、そう思いつく。
 だが、どこで見たのかが全く思い出せない。

「アクセル? どうした?」
「いや、ジンって奴を以前どこかで見たような気がするんだが……どこで見たのかが思い出せないんだよ」
「……そうか、では、思い出したら教えてくれ」

 そう告げ、美鶴は話を変える。
 本来なら、どこで見たのか思い出せと言いたいところなのだろうが、そう言って思い出せるような話ではないというのは、美鶴も理解出来ているのだろう。

「そうさせて貰うよ。……そう言えば、本当に今更だけど……この昼食にはアイギスを連れてこなくてもよかったのか?」
「問題ない。アイギスの件は有里と山岸に任せてあるからな」

 それって、問題を完全に人に任せてるって事じゃないか?
 いや、アイギスが有里に懐いているというのは見てれば分かるし、そうである以上、今回の件はそこまで問題にはならないと……そう思っているのかもしれないが。

「それより、アクセル。伏見がアクセルに会いたいと言っていたが……今度会って貰えるか?」
「は? 伏見?」

 突然の話題転換に、最初は一体誰の事を言ってるのか分からなかったが、少し考え、以前美鶴と一緒にいた下級生の女の事を思い出す。
 眼鏡を掛けて内気そうな……それこそ、まさにこれぞ文系の女といった感じを見せる人物。
 確か、あの女が伏見と呼ばれていたと思いだし……だが、同時に何故自分に会いたいのかと、疑問を抱く。
 俺と伏見の間は、特に繋がりといったものはない。
 無理矢理に考えれば、美鶴経由といったところだが……

「あの女が俺に会いたいって、何でまた? 特に何か俺と関係があったか?」
「伏見はアクセルを尊敬してるんだよ」
「え? 嘘でしょ? 嘘よね?」

 美鶴の言葉に、ゆかりが即座にそう告げる。
 いや、俺も尊敬されるというのはどうかと思うが、だからって即座に否定しなくてもいいと思うんだが……

「伏見によると、アクセルは1年から結構人気があるらしいな。まぁ、考えてみれば、テストでは2回連続1位で、運動神経も抜群なのだから、それで人気が出ない方がおかしいのだが」
「……それを言うなら、成績優秀、運動神経抜群にプラスして、生徒会長だったり、桐条グループ総帥の令嬢って属性がついている奴もいるけどな」

 そう告げると、美鶴は何故か頬を赤く染めて視線を逸らし、ゆかりは俺にジト目を向けるのだった。
 ……いや、何でだよ。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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