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ドリトル先生と奈良の三山

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第十二幕その三

「欲しいかというと」
「そこまではいかない」
「オリジナルを読めなくてもいい」
「読めたらいいけれど」
「それでもなのね」
「うん、この興福寺に沢山あるお経もね」
 先生はまたお話しました。
「模写を読ませてもらおうかな」
「これからね」
「じゃあそれからだね」
「今度は薬師寺ね」
「そこに行くのね」
「そうするよ」
 こうお話してそのお経の模写をお寺の人に読ませてもらってからです、先生は今度は薬師寺に向かいました。
 その薬師寺の五重塔を見てです、皆はまた言いました。
「この五重の塔ってね」
「格式のあるお寺によくあるね」
「確かお釈迦様のお骨が収められているのね」
「仏舎利が」
「そう言われているね、それで五重の塔の中でもね」
 先生はその薬師寺の五重の塔を見つつ先生にお話をしました。
「この薬師寺の塔は有名なんだ」
「そうなのね」
「何か見ていたら目立つね」
「格がある?」
「そんな風に見えるね」
「そう、歴史があって」
 そしてというのです。
「五重の塔の中でもね」
「実際になのね」
「格式がある方なのね」
「僕達が思った通り」
「うん、本堂もね」 
 古い昔ながらの日本のお寺そのものの本堂です、屋根の形もその色もまるで平安時代からある様です。
「こうしてね」
「歴史あるね」
「見ているとそれだけでうっとりするわ」
「平安時代の頃に来たみたい」
「奈良時代かしら」
「僕もね」
 実際にと言う先生でした。
「タイムスリップしたみたいだよ」
「その頃の日本にね」
「何かここにいるとね」
「そう思うわよね」
「全くだよ」
 またお話した先生でした。
「ここにも来てよかったよ」
「そうよね」
「歴史も感じ取れて」
「いい場所ね」
「興福寺や薬師寺のことも」
 今日巡ったお寺のこともというのです。
「いずれね」
「論文にだね」
「書くのね」
「そのつもりなのね」
「そうしていきたいね」
 こう皆にお話するのでした。
「こちらも」
「ううん、本当にここに来てよかったね」
「先生にとってね」
「興福寺も薬師寺も」
「そうよね」
「今回学会と論文のフィールドワークで来たけれど」
 しみじみと思うのでした。
「よかったよ」
「そうだよね」
「とても沢山のことを学べたね」
「神道も仏教も」
「歴史も万葉集もね」
「そして三山のことも」
「全部がね」
 まさにというのです。 
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