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ドリトル先生と奈良の三山

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第十一幕その五

「お互いに行き来出来るのかもね」
「だから源氏の君もなのね」
「ここにいたのね」
「この長谷寺に」
「そう考えられるかな、少なくともこの景色を見ていたよ」 
 白い花々が緑の中に咲いています、沢山の緑の中に白くて奇麗なものが見えています。その対比がとても目に残ります。
「間違いなくね」
「千年前にね」
「そうしていたのね」
「そうだったよ」
 こう皆にお話します、そうして花達を見ていますと。
 ここでまた白鹿が出てきました、すると先生は白鹿に笑顔で言いました。
「今日は何かな」
「はい、三山を見終わりましたね」
「そのことだね」
「お疲れ様でした」
 白鹿は先生にこう言うのでした。
「この言葉をお伝えに来ました」
「そうなんだね」
「はい、それでなのですね」
「うん、三山についての論文を書くよ」
「地質や草木のことも含めて」
「書くからね」
「ではその論文の完成をお待ちしています」
 白鹿の言葉には笑みが入っていました、見ればお顔もそうなっています。
「是非」
「そうしてくれるんだね」
「はい、ご執筆頑張って下さい」
「発表すれば君達の目にも入るんだよね」
「そうです」
 その通りだというのです。
「ですからこのことはご安心下さい」
「それじゃあね」
「それと昨日おぢばに行かれましたね」
「天理市だね」
「あちらはどうだったでしょうか」
「とてもよかったよ」
 先生は白鹿に明るいお顔で答えました。
「あちらの神様も感じられたよ」
「それは何よりです、あちらの神様は神道の神々とはまた違う神様ですが」
「それでもだね」
「同じ神仏ですので」
 だからだというのです。
「非常に素晴らしい方です」
「教祖さんも素晴らしい人だったね」
「はい、今もよくお見掛けします」
「あちこちをお助けに回っているらしいからね」
「奈良でもよくそうされているので」
「それでだね」
「お見掛けします、我が国ではあらゆる神仏が和しています」
 そうしたお国だというのです。
「キリスト教も然りですし」
「あっ、そういえばね」
「奈良にもキリスト教の教会があるね」
「そうだよね」
「それで何でもないよね」
「平和に共存しているよね」
「そうです、神父様も牧師様もおられて」
 神に仕える人達もです。
「神主や僧侶の方々ともです」
「仲がいいね」
「そうだよね」
「戦争とかなくて」
「欧州みたいにね」
「そうした国なので」
 白鹿は動物達にもお話します。
「私もおぢばにお邪魔することも多く」
「そこでもだね」
「天理教の神様とも仲良くしているんだ」
「宗教の垣根を超えて」
「そうです、そしてです」
 さらにお話する白鹿でした。 
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