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ドリトル先生と奈良の三山

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第十一幕その一

               第十一幕  白鹿にお話すること
 先生はあらためて三山を見て回りました、そのうえで皆に言うのでした。
「地質や植物のことは大学に戻って調べるけれど」
「やっぱりなんだね」
「三山は人工の山なの」
「古墳か何かね」
「何かの考えがあって二等辺三角形に配置されている」
「そうした山達なのね」
「そうとしか思えないね、何度も見て思ったよ」
 今は間近に香具山を見ています、そのうえでの言葉です。
「どの山も形もね」
「そういえばちょっと不自然かしら」
「山にも色々な形があるけれど」
「盆地にぽつんとだし」
「そのこともあって」
「そう、自然の山とも思えなくてね」
 しかもというのです。
「それぞれ形もだしね」
「ううん、古墳なのね」
「それで何か考えがあって三山を二等辺三角形に配置した」
「多分宗教的な考えで」
「そうしたのね」
「そうだろうね、考えれば考えるだけ」
 まさにというのです。
「謎が多いよ、そして僕はね」
「論文を書くのね」
「そうするのね」
「今わかって推測出来る限りはね」
 それを論文で書くというのです。
「それが今後三山の考察についての叩き台になればいいね」
「そうだね」
「白鹿さんが言われていた通りに」
「そこから研究が進めばいいね」
「三山について」
「そう思うよ、じゃあ次は畝傍山を見るけれど」
 今度はそちらの山をというのです。
「この奈良県の北は本当に開けてるね」
「そうね、確かに周りは山ばかりだけれど」
「山が見えない場所はないって言ってもいいけれど」
「広い盆地よね」
「奈良県全体で」
「そう、奈良市に大和郡山市に大和高田市に橿原市」
 こうした地域がというのです。
「平野にあるね、桜井市まではね」
「宇陀市は少し違うのよね」
「東の方のあちらは」
「あそこは盆地のさらに盆地だよ」
 そうなっているというのです。
「奈良の北にあってもね」
「あそこも北なのね」
「そうなのね」
「あそこも人が結構多いの」
「そう、奈良県といっても広いけれど」
 ここでもこのお話をするのでした、香具山から実際に畝傍山に向かいながら。
「あちらも結構人がいるんだ」
「そうした意味でも北なのね」
「あちらも」
「後は御所市とか王寺町もかな」
「北って言えるかな」
「大体吉野かな」
 先生はここでもこの地名を出しました。
「南になるのは」
「あそこが南の入り口で」
「それでそこから南が奈良県の南ね」
「奈良県の南部」
「そうなるのね」
「五條市は緯度では吉野と同じ位だけれど」
 この市の場合はといいますと。
「まだね」
「北の方に入るの」
「そういえば吉野って奈良県の真ん中位ね」
「真ん中にあるけれど」
「そこからまさに南が奈良県の南部」
「そうなるの」
「それで山ばかりなのは行った通りだよ」
 以前この奈良県に来てその自然を見た時と、というのです。 
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