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オズのトト

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第十一幕その一

   第十一幕  双子山
 一行は朝御飯の後で新しい山に入る為に飛行船を動かしました。その飛行船の上からです。
 これから入る山を見てでした、カエルマンが言いました。
「二つの山が連なっている感じだね」
「そうだね」
 ボタンがそのカエルマンに応えます。
「上から見ると」
「そうだね、あれではね」
「あれでは?」
「双子みたいだよ」
 こう言ったのでした。
「ああして連なっていくと」
「そうだね、双子だね」
「しかもだよ」
 ムシノスケ教授も言います、その双子山を見ながら。
「それぞれの山で木々が違うね」
「あっ、そうだね」 
 トトも双子山を見て言いました。
「何かね」
「一方は沖縄の木で」
 そしてというのです。
「もう一方は北海道だね」
「ということは」
 このことから言ったトトでした。
「あの二つの山に」
「そう、昨日北海道の生きものの皆が話してくれた」
「コロポックルにだね」
「シーザー達がいるね」
「そうなんだね」
「ではあの双子山に降りて」
「そして今日も」
「フィールドワークをしよう」
 教授が笑顔で言ってでした、皆は山の中に入りました。そして山の中に入るとすぐにでした。
 小さな、背の高さはトト位の白地で不思議な模様が入っている竹の長い上着とズボンの人達が来ました。恵梨香がその人達を見て言いました。
「この人達が」
「コロボックスなのかな」
「そうよ」
 こうトトに答えるのでした。
「北海道にいたっていう小人の人達なの」
「ふうん、本当に小さいね」
 トトは自分と同じ位の高さの彼等をじっと見ながら言いました。
「僕位の大きさじゃない」
「そうね、アイヌの人達の古いお友達だったの」
「そうだったんだ」
「この服は何なの?」
 ボタンはコロボックル達の服を見て首を傾げさせました。
「何か変わった服だね」
「アットゥシだよ」
 教授がボタンに答えました。
「アイヌの民族衣装でね」
「コロボックルの人達も着ているんだ」
「アイヌと一緒に住んでいるからね」
「それでなんだ」
「そうだよ」
 実際にというのです。
「この人達も着ているんだ」
「そうなんだね」
「そう、そしてね」
「そして?」
「コロボックル達はアイヌの伝承で結構出て来るんだ」
「お話に?」
「そう、かなり面白い存在なんだ」 
 こうボタンに言うのでした。
「彼等はね」
「オズの国には小人さん達も多いけれど」
 ジョージはコロボックル達を見ながらこう言いました。
「日本にもいたんだね」
「そうだね、何か他の小人さん達よりも」 
 神宝もじっと見ています。
「人に近い感じがするかな」
「全然人と変わらない?」 
 こう言ったのはカルロスでした。
「そう見えるけれど」
「そうね、何か大きさが違うだけで」
 ナターシャも皆と同じことを感じていました。 
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