レーヴァティン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第四十五話 傾奇者その八
「そうはなりたくない、見ていてつくづく思った」
「それで薬は特にでござるか」
「するつもりもない」
他の遊びと違ってだった、このことは。
「一切な」
「左様でござるか、では」
「阿片は禁じていく」
勢力を築き政をはじめればというのだ。
「人も国も滅ぼすからな」
「薬の類は全てそうでござるな」
「だから禁じる」
この島での阿片もというのだ。
「するものじゃない」
「それがいいであります、薬なぞ百害しかありませぬ」
まさにそうとしか言えないものだとだ、峰夫も言ってきた。
「まことに」
「だからな」
「禁じてありますか」
「売る奴も買う奴も厳罰だ」
それに処するというのだ。
「そうしていく」
「それがいいであります」
「国を保つ為にな」
「では」
「その様にな、さて風呂からあがった後だが」
「おう、旅の再開ぜよ」
当季は英雄のその言葉に笑顔で応えた。
「そうするぜよ」
「そうだ、甲賀に向かう」
「甲賀っちゅうと忍者じゃな」
「その里にもいると聞いている」
「わし等と同じ外から来たモンが」
「だからそこに行ってだ」
そうしてというのだ。
「そいつと会ってだ」
「そうしてじゃな」
「そいつがいればだ」
その時はというのだ。
「会ってそうしてだ」
「仲間にするんじゃな」
「そうする、しかしだ」
「しかし?何じゃ」
「忍者といっても色々だな」
「そうじゃな、色々な忍者がおるわ」
当季は英雄のその言葉に頷いてそうして言った。
「忍術も色々でのう」
「そういえば性別もです」
このことについては良太が言ってきた。
「男とは限りませんね」
「そうだな、そちらもな」
「わからないですね」
「男とは限らない」
英雄はまた言った。
「そこも行ってみてわかるか」
「そうですね、ただ女性の忍者即ちくノ一は」
この忍者についても話した良太だった。
「男の忍者以上にです、実際は」
「戦うよりもだな」
「私達の忍者は元々そうでした」
「情報を集めることが主な仕事だったな」
「ですから忍者です」
忍ぶ者、その名が付けられたというのだ。
「忍んで情報を集める、工作も行う」
「戦うよりもな」
「こちらの世界の忍者は戦うことも多いですが」
それでもというのだ。
「私達の忍者はそうでこちらの世界でもくノ一は」
「情報を集める方が多いか」
「色も使い」
「女の武器だな、所謂」
「男の忍者も外見によっては使います」
色、それをというのだ。
「日本なので」
「そうして情報を集め工作も行うか」
「そうです、そしてこの世界のくノ一も然りで」
「戦ってもだな」
「主に行うのは情報収集なので」
それでというのだ。
ページ上へ戻る