夢にまで見たが
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第三章
「それからよ」
「そうなの」
「それからなの」
「楽しみにしておいて」
今はというのだ。
「夜皆で食べましょう」
「うん、それじゃあね」
「夜にね」
早百合も彩花もこう応えた、そして彩花は幼稚園で満里奈と美奈子にオマール海老のことを話して二人を夕食に誘うと。
二人共だ、明るい笑顔で言った。
「じゃあお母さんにお話してね」
「お邪魔させてもらうね」
「これまで彩花ちゃんのお家に何度も行ってるし」
「絶対にいいって言ってもらえるわ」
「だからね」
「皆で食べましょう」
「それじゃあね」
こう話してだ、そしてだった。
二人も彩花の家で一緒にオマール海老のスープを食べることになった、こうしてこの夜に皆でだった。
オマール海老のスープを食べることになった、父も家に帰ってきて夕食の時にスープに他にもだった。
オマール海老の料理が出されるが香草と共に焼かれたその海老を見てだ、彩花は思わずこう言った。
「ザリガニ?」
「そうよね」
「これってね」
満里奈と美奈子も言う、そのオマール海老の姿を見て。
「赤くてハサミがあって」
「そのままよね」
「オマール海老ってザリガニだったの」
「そうだったの?」
「それが違うんだ」
父が少女達に優しい顔で話した。
「これがね」
「ザリガニじゃないの」
「そっくりなのに」
「オマール海老はオマール海老なんだ」
子供達にわかりやすいように話した。
「また別の海老でね」
「食べられるの」
「そうなの」
「そうだよ、ザリガニも食べられるけれど」
それでもというのだ。
「オマール海老はまた違う海老で」
「美味しいのね」
今度は早百合が言ってきた。
「そうなのね」
「そう、それとね」
母も娘達とその友人達に笑顔で話す。
「スープもあるからね」
「スープね」
「それが飲みたかったの」
「一体どんな味がするかしら」
「本当に楽しみよ」
「じゃあ今から食べましょう」
皆でと言ってだ、そしてだった。
彩花達はそれぞれの席に着いてそうして姉妹の父が切って殻も外してくれた香草と塩で味付けをして焼いたものと皿の中のスープ、白と黄色の中間の間の色で中に海老の肉が入ったそれを食べて飲んだ。
するとだ、まずは彩花がきょとんとして言った。
「あれっ、これって」
「そうよね」
早百合も妹に応えて言った。
「伊勢海老よね」
「その味よね」
「スープも焼いたのも」
「伊勢海老の味がするわ」
満里奈と美奈子も同じ味を味わっていた。
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