SO LONG
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第一章
SO LONG
長い、心から思った。
彼がイギリスまで出張で行ってだ、日本でこう思うばかりだった。
それで同居している友達にだ、仕事から帰ってからお部屋の中でビールを飲みながらぼやいた。
「いや、本当にね」
「寂しい?」
「待ち遠しいわ」
こう言ったのだった。
「帰って来るのがね」
「彼氏ね」
「出張に行くのはわかっていてね」
缶のビールを飲みつつだ、チューハイを飲んでいる彼女に話した。
「笑顔で見送ったけれど」
「いざ見送ったら」
「もうね」
見送った時はすぐに帰って来ると思っていた、半月なのでそれ位何でもないと思っていた。
けれどだ、そのたった半月がだ。
「長いわ、文字通り一日千秋よ」
「そんなに長く感じてるの」
「そうなの」
彼にそのまま話した。
「これがね」
「わかるわ、私だってね」
友達もチューハイ、缶のそれを飲みつつ私に話してくれた。二人でテレビのバラエティー番組を見つつ話していた。
「彼氏いるじゃない」
「公務員の彼ね」
「研修でいなくなってね」
「その間は」
「寂しかったわ」
「それで帰って来るのが待ち遠しくて」
「ええ、長かったわ」
その時間がだ。
「本当にね」
「たった半月じゃなくて」
「半月も、よね」
「本当にそう思ってるわ」
「私は一週間だったけれど」
何でも研修でそれだけ言っていたらしい、勿論その間会えなかった。
「その一週間がね」
「長くて」
「辛かったわ、けれどあんたは半月だから」
「もっと、っていうのね」
「そうでしょ」
実際にとだ、私に聞いてきた。
「あんたの場合は」
「そう言われるとね」
私も否定出来なかった。
「長いわね」
「一週間とちょっとね」
「一日ね、永遠じゃないけれど」
それでもだ。
「その間はね」
「寂しいわね」
「そうなのよ」
心からこう思っている。
「彼が待ち遠しいわ」
「それはあれよ、私にしてもだけれど」
友達は私にこうも言った。
「本気で好き同士ならね」
「こうした時はっていうのね」
「寂しくなるものよ」
「あんたがそうだったし」
「私もよ」
自分もというのだ。
「寂しく思えてね」
「待つその間は」
「寂しくなるのよ、こうして二人一緒にいても」
私達でだ。
「友達と恋人は違う」
「そうよね、それはね」
「私はあんたの彼氏の代わりにはなれないわ」
恋人にはというのだ。
「同居していてもね」
「そうね、私もだったしね」
彼女の彼氏がいなかった時もそうだった、同居していて一緒に飲んでお喋りをしてくつろぐことは出来てもだ。
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