| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

歌集「冬寂月」

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

二十三




 たれそ想ふ

  凍てし風にそ

   咲く梅の

 かわらぬ香にぞ

    願ふものかな



 この凍てつくような冷たい風の中…あの梅は、一体誰を想い咲いているのだろう…。

 こんなに寒い日和でも、梅の香りは変わらず…昔も今も、同じ匂いを放っている…。

 私の想いも…変わらぬのだろうか…。

 出来ることなら…優しい思い出になってほしいと願ってしまう…。



 恋しける

  心痛むは

   いかにせん

 たれそ知らねば

    月に問ふまで



 未だ恋しいと想い…淋しさに心は軋みをあげる…。

 この痛みを…どうしたら良いものか…。

 誰に聞くことも出来ず…いや、聞いたところで答えなどあるまい…。

 どうせ答えがないのならば…月にでも問い掛けようか…。


 この私の侘しさを…どうすれば良いのだろうと…。



 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧