歌集「冬寂月」
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二十三
たれそ想ふ
凍てし風にそ
咲く梅の
かわらぬ香にぞ
願ふものかな
この凍てつくような冷たい風の中…あの梅は、一体誰を想い咲いているのだろう…。
こんなに寒い日和でも、梅の香りは変わらず…昔も今も、同じ匂いを放っている…。
私の想いも…変わらぬのだろうか…。
出来ることなら…優しい思い出になってほしいと願ってしまう…。
恋しける
心痛むは
いかにせん
たれそ知らねば
月に問ふまで
未だ恋しいと想い…淋しさに心は軋みをあげる…。
この痛みを…どうしたら良いものか…。
誰に聞くことも出来ず…いや、聞いたところで答えなどあるまい…。
どうせ答えがないのならば…月にでも問い掛けようか…。
この私の侘しさを…どうすれば良いのだろうと…。
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