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ドリトル先生と奈良の三山

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第八幕その八

「何かとね」
「そうだよね」
「今のお料理がお味噌やお醤油を使っているのと同じで」
「そこはね」
「違うのが当然ね」
「そこは違うよ、しかし本当にね」
 今度は考えるお顔になって言う先生でした。
「三山は不思議だね」
「全くだね」
「どの山もね」
「ぽつんと盆地の中にあって」
「広い奈良の盆地に」
「三つの山だけがあって」
「本当に不思議よ」
 動物の皆も言います。
「自然の山にはね」
「とても見えないから」
「どの山も」
「そう考えるとね」
「天然の山じゃないね」
「どう見ても」
「そう思うよ、本当にね」
 それこそというのです。
「古墳じゃないの?」
「形といい大きさといい」
「古墳にしては大きいけれど」
「それでもね」
「そうだね、あの山達を見ると」
 またお話した先生でした。
「古墳に思えるね」
「本当に誰の古墳?」
「そこも気になってきたわ」
「古墳にすると大きいし」
「結構力のある人よね」
「奈良は古墳が多いけれど」 
 それでもと言う先生でした。
「普通はね」
「どうしてもね」
「こじんまりとしてて」
「あんな大きな古墳はね」
「他にはないわね」
「大阪にね」
 先生はここでこの地域の名前を出しました。
「物凄く大きな古墳があるね」
「ええと、仁徳天皇陵?」
「あれは確かに大きいわね」
「もうピラミッドみたいで」
「とてつもないわね」
「あの古墳よりは小さいけれど」
 それでもというのです。
「それでもね」
「三山もね」
「古墳って考えると」
「やっぱり大きいね」
「とんでもなく」
「そう考えると」
 三山を古墳と考えるとです、山ではなく。
「中に入っているのは相当な人だよ」
「普通の貴族の人じゃないわね」
「皇族でもかなり位が高い」
「帝かな」
「古代の」
「そうかも知れないね」
 実際にというのです。
「あれだけの大きさだと」
「そうだよね」
「一体どういった方のお墓かしら」
「一体」
「そこが気になるわね」
「そのことを考えていこうかな」
 今回の論文ではというのです。
「そしてね」
「書いて発表して」
「白鹿さんとの約束を守る」
「そうするのね」
「そうしようね」
 こうお話してでした、先生は午後もです。 
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